ソフトウエア利用時の炭素排出量比較評価スコア「Software Carbon Intensity」がISO/IEC国際規格として採択

トピックス

2024年5月1日

株式会社NTTデータグループ

株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)が加盟するGreen Software Foundation注1(以下、GSF)の策定したSoftware Carbon Intensity(SCI)1.0版が「ISO/IEC 21031:2024」として国際規格化されました。SCIは、ソフトウエア利用時の炭素排出を構成する電力、電力の炭素強度、ハードウエア利用量をもとに、炭素排出量をスコアとして評価する手法です。これを活用することで、同じ機能を持つ複数のソフトウエアを使った際の環境負荷を比較できるほか、ソフトウエアに加えた改修が炭素排出量に与える影響を把握することができます。NTTデータグループはGSFのSteering Member(運営メンバー)として、他メンバーと協力しながら規格化に取り組みました。
今回の国際規格化により、グローバルで多くの企業や団体でSCIの導入が期待されます。NTTデータグループは、開発するITシステムや自社で利用するITシステムへのSCI活用を通して、温室効果ガス排出量削減に取り組んでいきます。

Software Carbon Intensityとは

SCIは、ソフトウエア利用時の炭素排出を構成する電力、電力の炭素強度、ハードウエア利用量をもとに炭素排出量をスコアとして評価する手法です。SCIを活用することで、同じ機能を持つ複数のソフトウエアを使った際の環境負荷を比較できるほか、ソフトウエアに加えた改修が炭素排出量に与える影響を把握することができます。昨今注目を集める生成AI等のAIソフトウエアにも適用することができ注2、GSFは重要トピックと位置付けて取り組んでいます。
SCIは2021年12月にα版が発表され注3、2022年12月には1.0版となりました注4。今回、1.0版の内容が国際規格「ISO/IEC 21031:2024」として採択されました注5。なお、GSFでは最新版である1.1版を公開しています注6

今後について

SCIは、ITシステムの脱炭素化に向けた有用なツールであるものの、社会全体にいかに広く普及させるかが課題でした。今回のISO化により、多くの企業や団体でSCIの導入が進むことが期待できます。NTTデータグループは2022年より、SCIを算定するサービスを欧州において提供開始しています注7。自社事業での活用とGSFでの活動の両輪でSCIの普及を進め、IT業界の脱炭素化に貢献していきます。今後も、NTTデータグループが開発するITシステムやNTTデータグループで利用するITシステムへのSCI活用を促進し、温室効果ガス排出量削減に取り組んでいきます。

NTT DATA NET-ZERO Vision 2040

NTTデータグループではグローバルで加速するNet-Zeroへの取り組み要請を踏まえ、環境方針環境目標に基づき、2040年のネットゼロ実現に向けた新たなビジョンNTT DATA NET-ZERO Vision 2040を策定し、取り組みを行っています。
2050年の社会全体でのカーボンニュートラルに向け、Green Innovationを通じ、自社のサプライチェーンを通じた温室効果ガスの排出削減のみならず、お客さまや社会のグリーン化へ貢献していきます。2030年にScope1・2のカーボンニュートラル、2040年にScope1・2・3のネットゼロ実現を図ります。

注釈

  • 注1 GSFは、2021年5月にLinux Foundationの配下に設立された非営利団体です。同団体は、パリ協定で定められた目標「2030年までにICT分野における温室効果ガス排出量を45%削減」への貢献を目標とし、ソフトウエアによるCO2排出量の削減(グリーンなソフトウエア開発)に必要な開発標準や開発ツール・ベストプラクティスの策定と普及展開をミッションとしています。NTTデータはソフトウエア/システム開発領域におけるCO2削減の実現を目指した取り組みを進めており、GSFと同じ目標に向かい取り組んでいます。
    https://greensoftware.foundation/
  • 注2 例えば、一般に生成AIの消費電力が大きいことが問題視されていますが、消費電力が大きくなるということはSCIが高くなるということを意味します。SCIを下げるには、消費電力を下げる工夫をする、実行する環境を工夫する(再エネ利用の多いデータセンターで実行する等)、といった対応が必要となります。SCIを下げるための方策を実行することで、生成AI起因のGHG排出量削減が実現されます。
  • 注3 「Software Carbon Intensity」α版の策定について
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2021/120601/
  • 注4 「Software Carbon Intensity」1.0版の策定について
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/information/2022/120200/
  • 注5 ISO/IEC 21031:2024 Software Carbon Intensity(SCI)specification
    https://www.iso.org/standard/86612.html
  • 注6 1.0版からの主な差分はCarbon Intensity(炭素強度)としてマージナル強度に加えて、アベレージ強度が利用可能となった点です。1.1版(英語)は以下のリンク(GitHub)からご覧ください。
    https://sci.greensoftware.foundation/
  • 注7 NTT DATA Italiaが提供するSCI算定ツールを含むサービス紹介ページ(イタリア語)
    https://it.nttdata.com/insights/blog/green-it-framework-tecnologia-sostenibile
  • 文章中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

取り組み全般に関するお問い合わせ

株式会社NTTデータグループ
技術革新統括本部
技術開発本部
IOWN推進室
末永、井村
E-mail:green-innovation@kits.nttdata.co.jp

サステナビリティ全般に関するお問い合わせ

株式会社NTTデータグループ
コーポレート統括本部
サステナビリティ経営推進部
グリーンイノベーション推進室
下垣、小林
E-mail:climate_proper@kits.nttdata.co.jp

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