2005年1月

資生堂様と共同開発したコンタクトセンタ業務支援システム「Callcenter Component」の提供開始

創業以来「消費者主義」を掲げ、「お客さまセンター」の機能充実に取り組んできた資生堂様。電話相談窓口を中心にお客さまの声を積極的に収集・蓄積。企業内の各業務にフィードバックし、商品開発をはじめ、お客さまとのダイレクトなコミュニケーション、さらには情報発信まで実現させた先進的なシステムとして確実な成果を上げている。
NTTデータは今回、センター運営ノウハウを活かしたコンタクトセンタ業務支援システム「Callcenter Component」を資生堂様と共同開発、他の業種・業界に向けて提供を開始した。

株式会社資生堂 お客さまセンター課長 田中 亮成 氏

お客様の声を反映しヒット商品を生み出す

資生堂様では、お客さまの声がきちんと商品に反映され、数々のヒット商品を生み出している。最近の例では、10代~20代前半の若い女性に大人気の『マジョリカマジョルカ』がある。その成功は同世代をターゲットとしていたA商品の売れ行きが優れず、お客さまの評価を探ったことから始まる。
A商品は使い心地、使用感、品質、色持ちの面で他社類似品と比べて評価が高く、商品開発に携わった研究員も自信満々だったので、売れ行きが優れないことに納得がいかなかった。よって、お客さま窓口に寄せられた数年分の声の傾向を時系列に見たところ、「好きな色がない」「遊び心がない」といった、「色」や「遊び心」を求めていることに気付いた。そこで、ターゲットにフィットした色と遊び心のある商品を新たに開発して市場投入したところ、ヒット商品となったのである。
また、シャンプーでもこんな話がある。ある商品について、お客さまから「他メーカーに比べて汚れが落ちない」という声が多く寄せられていた。ところが、早速他メーカー商品との比較テストを実施したところ、指摘されたような汚れの落ちに関してはまったく問題がない。そこで、お客さまの苦情の要素を詳細に分析してみたところ、お客さまの言うところの「汚れが落ちる」は「泡立ちの良さ」を意味していることが判明した。そこで、今度は泡立ちを良くし、積極的に泡立ちの良さをアピールしたところ、そのシャンプーは売れ行きが大きく伸びたという。
このように、「お客さまの声」が新商品開発のアドバイザーとして積極的に活用されているわけだが、その裏には、「お客さまの声」が関連部署にきちんとフィードバックされる仕組みがある。

クレーム処理からCRMマーケティングへ

1968年、営業部門に消費者課を設置したのが、今日の「お客さまセンター」の始まりだ。71年には広報課、消費者課からなる広報室を設置。87年に消費者部として独立している。

お客さまセンター風景

お客さまセンター風景

さらに消費者部は、その翌年、コンシューマーズセンターとして拡充され、99年に「お客さまセンター」に改称。美容ソフトの研究・開発を行うビューティーサイエンス研究所、新しい美の創作・発信を行うビューティークリエーション研究所とともに「ソフト&コミュニケーショングループ」を構成している。2003年の汐留オフィス移転とともに、同社内での位置づけも高まっている。

「お客さまセンターの役割は、87年までは、クレーム処理が中心でした。しかし現在では、お客さまから寄せられた声が新商品開発のヒントや商品改善に役立ち、CRMマーケティングとしての役割を強めています」と、「お客さまセンター」課長の田中亮成氏は語る。
「お客さまセンター」では、電話相談窓口のみならず、ウェブ、ショールーム、サクセスフルエイジングセミナー(美容講座)などでのお客さまとのダイレクトなコミュニケーションを通じて収集したお客さまの声に加え店頭情報も含めて、全てのお客さまの声を一元的に集め、フィードバックしていく。フィードバックされた情報は各部門で活用され、商品の売上に大きな貢献を果たしている。

顧客知活用のノウハウが凝縮「ボイスネットC」

それらのお客さまの声が蓄積される先が、96年に構築したコールセンタシステム「ボイスネットC」である。ボイスネットCは、このたびNTTデータの技術協力により「新ボイスネットC」として更改。今日も「お客さまセンター」の活動に不可欠なシステムとして稼動中である。
そのため、この「新ボイスネットC」には、資生堂様がこれまで現場で蓄積してきた顧客知活用のためのノウハウが多数埋め込まれている。例えば、「新ボイスネットC」システムでは、問い合わせ受付時にその内容を7階層、2万通りで分類し定量化する。さらに、1つの問い合わせの中に、2つ、3つと複数の要素を含むことがあるので、複数のインデックス管理が可能だ。
また、「どんなにりっぱなシステムを構築しても、社員自身がアクセスしデータを検索できなければ意味がない」(田中氏)と、データのプッシュ技術を採用し、各社員が欲しいデータを事前に登録、もしくはお客さまセンターへ依頼することで、端末のポータル画面へ自動送信するなどの機能も強化した。
お客さまからの問い合わせ内容を入力する画面では、お客さまが言ったことと、オペレータが感じたこと(気付き)を記述するフィールドを別々に設ける工夫もなされている。これにより、お客さまの声の生データと、オペレータの気付きが混じってしまうことを防いでいるのだ。

資生堂様のコールセンターを中心にしたお客様の声の収集・分析・活用の取り組み

新ボイスネットCをベースに開発「Callcenter Component」

そして、「新ボイスネットC」構築における技術協力がきっかけとなり、今回NTTデータと資生堂様とで共同開発したのが、コンタクトセンタ業務支援システム「Callcenter Component」だ。
「実は、お客さまセンターへの見学企業の多くから、我々が構築したシステムを欲しいと、良く言われました。そこで、NTTデータの技術力と当社が培ったセンター運営のノウハウを組み合わせることで、ポテンシャルの高いコンタクトセンタのソフトウェアを提供できるのではないかと考えたのです」(田中氏)。
このシステムは主要な構成要素ごとにコンポーネント化されている。電話応対業務を支援する「フロントコンポーネント」、お客さまからの声を解析して各業務にフィードバックする「解析コンポーネント」、お客さまの声に対する対応や業務改善フェーズをトレースする「ワークフローコンポーネント」、他システムとの「データ連携コンポーネント」、監視を行う「マネジメントコンポーネント」である。
各コンポーネントは部品化されているので、必要な部分だけを個別導入できる。システム構築に必要な時間や投資コストを抑えることができるのが大きなメリットだ。また、インターフェースはお客さまの従来システムを生かしたデザインが可能となっていて柔軟性も高い。
「私は、全国のお客さまサービスを良くしたいという強い気持ちを持っています。資生堂の顧客知のノウハウと、NTTデータの技術力とを注ぎ込んだこのシステムを、ぜひ多くの企業に使ってもらいたいですね」(田中氏)。

  • インタビュー実施日:2005年1月
  • 本サービスは「お客さま情報管理システム」に名称変更しました。

お客様プロフィール

社名

株式会社資生堂

本社

東京都中央区銀座7-5-5

創業

1872(明治5)年

取締役社長

池田守男

資本金

645億円(2004年3月31日現在)

売上高

連結 6242億円(2004年3月期)
単独 2182億円(2004年3月期)

従業員数

約3500名(グループ従業員数約2万5200名)

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