2005年3月

高速で安全なネットワークは多店舗展開ビジネスの大前提だ。FC展開するプロントの「四重苦」を解決した多店舗おまかせサービス

多店舗展開する企業には共通して、「高速で安全なネットワーク基盤を」「安価に」、しかも、「全国展開の工事管理などの手間を軽減」しながら構築したいというニーズがある。プロントの場合にはさらに、グループ全体のネットワークにセキュリティホールを作ってしまうことを防ぐため、インターネットを利用したサービスを使えないという条件があった。この四重苦を一気に解決したのが、NTTデータが提供する「多店舗おまかせサービス」である。NTTフレッツと広域イーサネットを組み合わせたこのワンストップサービスにより、プロントは全国155店舗を常時接続するセキュアなネットワークを構築中だ。

株式会社プロントコーポレーション 管理部 情報システムグループ リーダー 石川淳氏

ネットワークは事業を安心して拡大するための生命線だ

「2003年、Blasterが出現して世界中で猛威をふるいました。この様子を見て、業務回線の更改は、もう待ったなしの状況だと痛感したのです」と、株式会社プロントコーポレーション 管理部 情報システムグループ リーダー 石川淳氏は言う。
サントリーの子会社であるプロントコーポレーションが運営する「プロント」は、全国155店(2004年12月)を展開するフランチャイズチェーン(FC)のカフェである。プロントがユニークなのは、昼間はコーヒーショップ、夜はショットバーという2つの顔を持っていることだ。
「プロントが目指しているのは、イタリアの『バール』に見られるように、一日中いつ行っても、その時々にほしい飲み物、ほしい食事、ほしい形のくつろぎが得られる空間の提供です。そういう新しい居心地の良さを、価値観とか文化として日本人に提案していきたい」と石川氏は説明する。
昼と夜とで2つの顔を持つことで、収益性の高い店舗経営ができる。また、昼間に重点を置いたカフェ主体の「ソラーレ」、小規模立地タイプの「プロントR-CUBE」などの新業態も次々に成功をおさめた。FC加盟店は、2003年ごろから急速に増加している。
「これからのビジネスはネットワークこそが生命線です。事業を安心して拡大していくためにも、信頼性の高い業務回線をきちんと作っておきたかった」と石川氏は語る。

「速く、安く、安全に」を手間をかけずに実現したい

多店舗展開する企業は、ネットワークインフラについて共通する3つの課題を抱えている。
第1に、ビジネスの生命線であるネットワークを、より高速でより安全なものにしたい。
プロントの場合、従来のネットワークはISDNベースであった。オーナーがFC加盟契約をすると、プロント本部が端末やルーターを納入する。ただし、NTTと契約したり、回線料を支払うのは各オーナーの役目であり、オーナーが特に意識しない限り、ウィルス対策ソフトは導入されていなかった。
多店舗展開の場合、1店舗がウィルスに感染すれば、たちどころに本部も他店舗も感染する。特に2003年は、Blaster、Slammer、Welchiaなど、複合型ワームと呼ばれる新しいタイプの脅威が世界中を駆け巡った。
複合型ワームとは、セキュリティホールを自動的に探り出したり、OSのソースコードを自動的に解析して脆弱性を突いたりして、利用者が気づかないうちに感染するタイプの脅威である。知らない人から届いたメールは開かないといった利用者の個別対応では防御が不可能で、潜伏期間も長いため、感染したときの被害が甚大である。
ウィルス対策をするためには、ネットワークを更新しなければならない。ISDNベースのネットワークにウィルス対策ソフトを導入してしまうと、ダウンロードに時間がかかり、接続時間が増えるため、電話料金がかかるようになったとFC店オーナーから苦情が出る可能性があるからだ。
プロント本部内では、全国の店舗に配布しているPOSシステムを作り直して、Webベースのアプリケーションに変えたいという構想も持ち上がっていた。Webアプリケーションにすれば、アプリケーションのバージョンアップなどの維持/管理が楽になるだけでなく、製品マスターを機敏に更新してメニューを変更するなど、より戦略的で収益アップにつながるPOSシステムの運用が可能になる。この計画を実現するためにも、ネットワークの高速化は必至だった。
第2の課題は、「速く安全なネットワーク」を、コストをかけずに実現しなければならないということだ。FCは、それぞれ別の社長が経営する小会社の集合体のようなものであり、FC店のコスト負担を増大させるような施策は実行ができない。
第3に、導入設置工事の負担も大きな悩みである。
全国155店舗には155通りのネットワーク回りの環境と事情があり、同じソリューションを一括導入することはできない。各種申請や工事に伴うスケジュール管理も大変だ。
毎週10店舗ずつ導入していくのはそれだけでも大変だが、3~4ヵ月にわたって導入作業が続いていくと、本部のネットワーク関連業務がストップしてしまう。

インターネットを経由せずクローズドでセキュアなネットワークを構築

多店舗展開企業の三重苦に加えて、プロントの場合には第4の壁があった。
プロントの本部とFC店をつなぐネットワークは、実は、サントリーグループの大きなネットワークの中に位置づけられている。この巨大なグループネットワークにセキュリティホールを空けないように、店舗が個別にインターネットを利用することは、ネットワーク規約で禁じられているのだ。
プロントが、業務回線刷新のソリューションとして、NTTデータが提供する「多店舗おまかせサービス」を選択したのは、NTTデータの技術者が、この四重苦を即座に理解してくれたからでもある。
「他社の提案はインターネットVPNを利用する提案でした。インターネットを介さないクローズドなネットワークを構築したいという、こちらのニーズを一回聞いただけで、Bフレッツと広域イーサネットを組み合わせて最適な提案をしてくれたのは、NTTデータだけでした」と石川氏は言う。
FC店はNTTフレッツ網を利用して、NTTデータの接続ポイントにアクセスする。ここで、FC店を認証し、プライベートIPを付与したうえで、広域イーサネットを介して本部へ接続するのだ。それによって専用のRadius認証でセキュリティを高めたうえで、セキュリティホールを作らない安全なネットワーク構築が実現できる。(店舗からのインターネット接続はサントリーのグループ共通インターネットゲートウエイを利用し、実現。)
なお、「多店舗おまかせサービス」は、MCS(マルチキャリアサービス)をベースに、多店舗展開企業の課題をNTTデータがワンストップで解決するサービスである。MCSは、マルチキャリアの豊富なサービスから最適な回線を選択し、ベストマッチングさせたうえで、NTTデータが24時間サポートを含めたトータルソリューションとして提供するサービスだ。さらに「多店舗おまかせサービス」は、マルチキャリアの回線やマルチベンダーの機器の手配から、運用、請求までトータルにマネジメントしたうえ、拠点ごとの個別の問題解決まで責任を持って担当する。Bフレッツの安価なブロードバンドサービスを利用しつつ、インターネットを経由しないクローズドなネットワークサービスを実現するのも、「多店舗おまかせサービス」の特長だ。また、個人向けサービスであるフレッツは開通までの手続きが煩雑だが、本部はこうした調整作業から解放され、本来業務に専念できるのである。
「Bフレッツが導入できない店舗にはフレッツADSLを採用しましたが、その判断もNTTデータに一任しました。配管工事もスムーズで、トラブルなくプロジェクトが進んでいるのは、豊富な経験の裏打ちがあるからこそのことでしょう」と石川氏は評価する。

POSシステムのWebアプリケーション化も可能

プロントの新しい業務回線は、2004年10月、バックボーンの構築がスタートした。その後、FC店オーナーへの説明会を重ねたうえで、2005年1月から店舗側の工事をスタート。同年4月に第1期工事を完了し、6月までにネットワークインフラを完成させる予定だ。
最大の導入効果は、速くて安全なネットワークを、リーズナブルなコストで、本部の業務負荷を増やさずに構築できることである。つまり、多店舗展開企業の三重苦をみごとに解決することができるのだ。
「大容量ネットワークが構築できたため、納得のいくウィルス対策を講じることもできます。一般インターネットプロバイダーの回線を使わないため、信頼性の高いネットワーク基盤をFC店オーナーへ安心してお薦めできるのも大きなメリットです。また、回線キャリアとの価格交渉力を発揮したうえで、柔軟な料金体系を工夫してくれるなど、NTTデータでなければできない運用面の支援もありました」と石川氏はプロジェクトの成果を高く評価している。
店舗と本部の間に常時接続のネットワーク基盤を構築することにより、Webアプリケーションの導入も可能になる。懸案になっていたPOSシステムのWebアプリケーション化は、2006年に実施する計画である。
プロントにとって2005年は、韓国に進出する年となった。2月、ソウル市内に1号店を開店するのを皮切りに、3年後までに30店にするという構想を打ち出している。国内でも多店舗化はプロントの基本活動方針であり、2007年までに現在の155店を200店に増やす計画である。店舗の増加とともに、NTTデータの「多店舗おまかせサービス」を利用したネットワーク拡張は続いていくわけだが、特に、業態の多様化も進むと見られるなかで、個別の問題解決までフォローするワンストップサービスへの期待は大きい。
プロントは、より速くより安全なネットワークを構築することで、将来のビジネスチャンスをタイムリーにキャッチアップしていく環境を手に入れたのである。

ネットワーク構成イメージ図

お客様プロフィール

社名

株式会社プロントコーポレーション

本社

東京都中央区銀座7-13-10 サクセス銀座セブンビル10階

設立

1988年2月1日

資本金

3億円(サントリー(株)65%、UCC上島珈琲(株)35%出資)

売上高

123億円(2003年12月実績)

事業概要

昼はコーヒーショップ、夜はショットバーという営業形態の飲食チェーン「プロント」をフランチャイズで展開。店舗数155店(2004年12月)。

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