2007年5月

非接触決済サービスを経営戦略に積極的に取り込んだららぽーと

Suica、PASMO、iD、DCMX、QUICPay、Edy。ICカードや携帯電話を用いた非接触決済のサービスが花盛りだ。従来は、サービスごとに個別の読み取り端末を導入しなければならなかった。しかしついに、1台の端末でさまざまな決済サービスを利用できる「マルチ決済システム」が登場した。最初に導入するのは、ショッピングセンター大手のららぽーとだ。マルチ決済システムは、利用者の利便性を高め、集客に役立つうえに、ポイントサービスの強化など、売上拡大戦略にも有効に活用していけるのである。

株式会社ららぽーと 常務取締役 SC運営本部長 安藤 正氏、株式会社ららぽーと SC運営本部 業務推進室長 山際 修一郎氏、株式会社ららぽーと SC運営本部 業務推進室 事務管理課 課長 石山 雅一氏

利用客の選択肢を広げ、満足度を高めるマルチ決済システム

マルチ決済ユニット。テンキーは、iDサービスでパスワードを入力する必要のあるときに使用します。

マルチ決済ユニット。テンキーは、iDサービスでパスワードを入力する必要のあるときに使用します。

小銭を持つ必要がない、レジが早いなどの理由から、非接触決済の利用が急増している。しかし、サービスは乱立状況で、プリペイド型の電子マネーサービスもあれば、クレジット連携のポストペイ(後払い)方式のサービスもある。ICカード利用タイプもあれば、おさいふケータイを用いるものもある。
「どの決済方法でもお客様が望むものに対応したい、これはショッピングセンターとして大きなチャレンジです」と、株式会社ららぽーと 常務取締役 SC運営本部長 安藤正氏は語る。

しかしこれまでは、どのベンダーも、1社またはせいぜい提携している2社の非接触決済サービスを導入する提案しかできなかった。
「1つの端末でどのサービスにでも対応できる『マルチ決済システム』の提案は、NTTデータが初めてでした」と、株式会社ららぽーと SC運営本部 業務推進室 事務管理課 課長 石山雅一氏は語る。

2007年3月、ららぽーと横浜で利用がスタート

ららぽーとでは、まずららぽーと横浜へ、2007年3月のオープンと同時にマルチ決済システムを導入することを決断した。ららぽーと横浜で対応するのは、「Suica」「PASMO」の電子マネーと、ケータイクレジット「iD」「DCMX」という4種類の決済サービスである。さらに、JCBの「QUICPay」、ビットワレットの「Edy」など、他の非接触決済サービスへの拡張も前向きに検討している。
ららぽーとが導入するマルチ決済システムは、決済端末とPOSレジが連動しているため、ショッピングセンターのテナントである小売店・専門店にもメリットがある。
POSレジに料金を入力してから、決済端末に改めて支払う金額を手入力する必要がない。レジの二度打ちをなくし、レジ回りに列ができるのを防いだり、操作ミスが起きる可能性を軽減できるのである。

新しい決済サービスの追加も容易なシステム構造

これまで日本にマルチ決済システムが存在しなかったのは、マルチ対応にすると、関連する会社の数が非常に多くなるからだ。それぞれ競合でもあり、技術的な背景も利害関係も異なる多数のステークホルダーが、ひとつの目的に向かって長期間にわたって力を合わせていくことは、並大抵のことではない。
NTTデータは、ららぽーとのビジネスパートナーとして、この困難なマルチ決済プロジェクトをコーディネートした。マルチ決済の実現というひとつの目的に向かって、合計8社の力を結集していったのである。
技術的なリスクもあった。
マルチ決済ユニットで読み取ったデータは、ショッピングセンター内のSuica中継サーバまたはiD中継サーバを経由して、決済サービスのセンターへ送る。こうした根本的なしくみから、iD中継サーバの機能、細かい表示のしかたに至るまで、とにかく仕様はゼロから作り出す状況であった。しかも、仕様の開示元・開示先が複数企業にまたがっているため、開発プロジェクトが難航した時期もあった。
「みんながそれぞれの分野の専門家なので言うことが微妙に違うのですが、NTTデータはその主張をきちんと理解したうえで、単純に『足して2で割る』のとは違う解決策をきちんと提示して先へ進んでいました」と、株式会社ららぽーと SC運営本部 業務推進室長 山際修一郎氏は評価する。
また、ららぽーとは、「Suica普及有限責任事業組合(LLP)」を利用した。
LLPは、JR東日本、NTTドコモ、NTTデータの3社が出資して作った「組合」である。こうしたスキームの利用を提案できるのも、NTTデータの総合力の一環である。

ポイントサービス強化などマルチ決済は売上拡大にも役立つ

2007年、ららぽーとは、横浜を皮切りに、川崎、豊洲、柏の葉の4施設へマルチ決済システムを導入する。設置するマルチ決済ユニットは合計1200台程度にのぼる予定だ。
今後は、おさいふケータイで決済するとき、同時にサービスのポイントを書き込むなど、マルチ決済システムを売上増大に結びつけるための戦略を考えていく。
「2007年3月からPASMOのサービスが開始されるなど、毎日のように入ってくるニュースからわかるのは、世の中が『マルチ決済』の方向へ確実に進んでいるということです。予測をもとに思い切って決断した『マルチ決済システムの国内初導入』でしたが、正しい決断だったと確信しています」と安藤氏は自信を込めて語った。

システム概要イメージ

お客様プロフィール

社名

株式会社ららぽーと

本社

千葉県船橋市浜町2丁目1番1号

設立

1970(昭和45)年1月13日

資本金

4億5000万円(三井不動産株式会社100%出資)

従業員数

481人(2007年1月)

売上高

133億円(2006年3月)

事業概要

複合型大型ショッピングセンターの運営会社。1981年、千葉県の船橋ヘルスセンター跡地に建設された「ららぽーと船橋ショッピングセンター」(現・ららぽーとTOKYO-BAY)が1号店。

お客様の声リーフレットダウンロード

ご紹介した事例内容をPDFでダウンロードすることができます。

お気軽に
お問い合わせ
ください

株式会社ららぽーと様の事例に関するお問い合わせ

お問い合わせフォーム

株式会社ららぽーと様の事例に関連する情報

業種

多様な文書管理に対応したサービスや橋梁監視システムの提供で、 建設・不動産業界を支える

サービス

様々なシステムの構築・運用ノウハウを活かして、お客様のビジネスを支える高信頼な決済システムを実現