2007年9月

お客さまニーズに根ざした利便性と高いセキュリティで 地域への広がりをめざす電子マネー「WAON」

ここ数年、Suica、PASMO、Edy、iDなど、さまざまな電子マネーが登場し、広く普及してきている。流通業界大手のイオンでも、2007年4月27日から電子マネー「WAON(ワオン)」を使ったサービスをスタートさせた。
全国に広がるイオンの店舗網。その各店舗から、地域の暮らしを支えることのできる電子マネーをめざすという、WAON開発の経緯をうかがった。

イオン株式会社 電子マネー推進部 マネージャー 前川 渉氏 イオンクレジットサービス株式会社 情報システム本部 システム企画室 室長 桜庭 博文氏

お客さまの利便性から発想された電子マネー計画

WAONカード

WAONカード

「電子マネーをはじめるきっかけとなったのは、Suicaなど、電子マネーの普及にともない、『イオンでも電子マネーを使いたい』というお客さまの声が寄せられるようになったことでした。そこでまず今年2月から、イオン各店舗でSuicaおよびNTTドコモのiDを使って買い物をできるようにし、さらに4月下旬にはイオンの電子マネーWAONを使えるよう、開発を進めてきたのです」と語るのは、イオン株式会社 電子マネー推進部 マネージャーの前川渉氏。

WAONの特徴の一つは、電子マネー機能のみのカードの場合、個人情報を申告せず作成できることだろう。あくまでもお客さまの利便性向上が主目的であることから、無記名カードという形になったのだ。
この無記名で利用できる「WAONカード」に加え、カード残額が少なくなった際、あらかじめ設定しておいた金額をチャージするオートチャージ機能が付いた「WAONカードプラス」、さらにクレジットカードと一体になった「イオンカード」の3種類がある(オートチャージ機能は今後提供予定)。
WAONは、4月に関東1都6県と新潟で開始し、現在では、関東圏を中心に約4,700店舗で利用できる。2008年度中にはイオンのショッピングセンターに入るテナントを含め、約2万300店舗にまで広がる見込みである。
全国に店舗を持つイオンでは、地方自治体などと提携し、"地域通貨"として利用してもらうことを視野に入れ、開発を進めている。地域のショッピングセンターや商店街などのほか、バスなどの公共交通機関、公共施設の利用料、病院などで使える電子マネーを目指す。

蓄積されたノウハウに基づく、高いセキュリティをNTTデータが実現

NTTデータでは主にWAONの電子マネーセンタのサーバシステム・端末ソフトと現金チャージ機等の端末を開発した。NTTデータをシステムインテグレーターとして選んだ理由について、イオンクレジットサービス株式会社 情報システム本部 システム企画室 室長の桜庭博文氏は次のように話す。
「短期間での開発でしたが、そうした状況の中で、信頼してお願いできるのは、やはり金融に強く、豊富なリソースが蓄積されているNTTデータ以外にないということで決定しました」
カードの偽造やクレジットカードのスキミングなどへの対策も、電子マネー開発にとって欠かすことのできない重要なポイントだ。
電子マネーのセキュリティに関して、NTTデータ社内では、時間をかけ、研究が重ねられてきている。社内のセキュリティエキスパートを中心とした「セキュリティチーム」が構成されている。「セキュリティチーム」の技術者を、WAONプロジェクトチームに組み込むことで、ノウハウを活用し、高いセキュリティを実現することができた。
そのほか開発面で力が注がれたのは、非接触型ICカードの機能向上だ。非接触型ICカードは、ICカードを読み取るリーダライタにICカードを近づけることで、データを読み込み、即時に支払いが完了するローカル処理になっている。その後、ローカルに蓄積された取引データを電子マネーセンタに送信している。NTTデータでは、これまで蓄積してきた非接触型カードの技術的ノウハウを生かし、カードデータと電子マネーセンタデータの整合性を確保する仕組みを導入している。
さらにNTTデータでは、イオン店内に設置される「WAONチャージャー」やポイント変換等ができる「WAONステーション」のほか、SUICA、PASMO、iDも利用できる「共用リーダ/ライタ」の開発も行った。
「『共用リーダ/ライタ』に関しても、NTTデータは開発事例があり、ノウハウを持っていたので、スムーズに導入することができました」(桜庭氏)
イオンでは、WAONの利用開始とともに、ポイント還元機能を初めて導入した。WAONを使って決済すると200円で1ポイント(1円分)のポイントが溜まる仕組みだ。
さらに毎月10日のWAONデーにWAONを使えば、割引などの特典を受けられるという。
「現在、決済機能付き携帯電話にWAONを導入する準備も進めています。WAONをさらに"地域通貨"として根付かせるために、行政や企業と意見を交換し、ブラッシュアップさせていく必要があるでしょう。WAONを持っていれば、買い物や交通手段、病院などの支払いはすべてこと足りるくらい、地域に根付いた通貨にしていきたい」と前川氏は抱負を語った。

システム概要イメージ

お客様プロフィール

社名

イオン株式会社

本社

千葉県千葉市美浜区中瀬1-5-1

設立

1926年9月

資本金

1,987億9,100万円

売上高

単独 1兆9,602億6,500万円
連結 4兆8,247億7,500万円(2007年2月期)

事業概要

総合小売業

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