2009年9月

【写真】生産・財務会計を含む基幹系システムを刷新 全社統一の約35万品番の部品表を確立して、Web基盤での柔軟な活用を実現

トヨタグループの豊田合成株式会社(以下、豊田合成)は、メインフレームと各拠点のオフコンで稼働してきた基幹系システム全体を作り変え、Webベースの新しい基幹系システムの稼働を開始した。再構築の最大のポイントは、ものづくり用部品表と原価管理用部品表を全社規模で統一し、Web基盤上で統合利用できるようにしたことだ。生産現場および原価管理の詳細を「見える化」し、今後の経営改革に向けた付加価値の高い基盤を確立することができた。豊田合成の全社部品表・マスターの統合は、今後グローバル展開へと進み、グローバル連結経営の強化へとさらに改革を加速していく。

豊田合成株式会社 IT推進部 部長 (兼) 技術管理部 主監 坂東 隆三氏 豊田合成株式会社 IT推進部 主査 植田 浩氏 豊田合成株式会社 IT推進部 チームリーダー 大辻 京太郎氏 豊田合成株式会社 IT推進部 主担当員 川さき 晴彦氏

老朽化した基幹系システム全体を作り変え

【写真】

豊田合成 本社ビル

「メインフレームとオフコンで構築した基幹系システムは、構築から20余年を経て、その間に機能追加・変更を重ね、老朽化が目立っていました。特にものづくり用の部品表と、原価管理用の部品表が分離しているのが悩みでした」と、豊田合成株式会社 IT推進部 部長 坂東隆三氏は語る。
ものづくり用部品表は、各生産拠点個々のオフコンで、個別最適で、分散管理されており、それぞれの生産拠点での製造計画や負荷計画のマスターになっていた。

これに対して原価管理用の部品表は、会計システムとともに、本社のメインフレームで動いている。つまり、ものづくり用部品表と、原価計算のための原価管理用部品表は別管理されていた。
「コスト削減の要求は日を追って厳しさを増していますから、計画立案業務を効率化しつつ、計画精度をもっと高めなければなりません。こうした課題を達成するためには、基幹系システム全体を作り直し、全社の部品表も統一することが不可欠だったのです」(IT推進部 チームリーダー 大辻京太郎氏)。

部品表の根本的な作り変えがプロジェクトの焦点

システム再構築の範囲は、生産管理(計画系および実績系)を中心に、調達・外注加工、原価計算、財務会計までが対象である。
広範かつ長期にわたる基幹系システム再構築のパートナーとしては、NTTデータを選んだ。
「対象範囲が広いだけに、他のベンダーからは、メインフレームのプログラムを活かしたマイグレーション提案が中心でしたが、NTTデータは、『あるべき姿を実現するために、ゼロベースで取り組んだほうが、次の10年に向けて、付加価値の高い基幹系システムができます』と熱意あふれる提案をしてくれました。ちょうど、『部品表を根本から変えるには、データ構造を見直す必要がある』と考えていた当社の思いと合致したのです」と、IT推進部 主査 植田浩氏は明かす。

約35万品番の統合部品表をWebシステム上で高速展開

2006年に始まったプロジェクトは、まず、全事業部統一仕様を確定した。また、2年間かけたデータ整備によって、合計約35万件の品番の部品表を、全社で統一した。
「膨大な品番をWeb上で管理しながら稼働する部品表システムを作るために、NTTデータも苦労をともにしてくれました」と、IT推進部 主担当員 川さき晴彦氏は語る。
複数拠点での生産に対応しつつ、約35万の品番で構成される部品表を数十年にわたって世代管理するために、マスター・データ・マネジメントにさまざまな工夫を施した。
また、数百万件に及ぶ膨大な計画系データを高速処理するためには、データベースのチューニングとともに、C++を駆使してのメモリ上での統合部品表高速展開、マルチCPUを駆使できるマルチスレッド設計などを工夫したのである。

トヨタ生産方式を根幹に据えたさらなるグローバル改革へ

基幹システム再構築プロジェクトは段階を踏んで進行しており、2009年秋にメインフレームからWebシステムへの移行が完了する。
「成果は広範囲にわたり非常に大きいものがあります。すでに、稼働している生産・調達計画では従来と比較してきめ細かい計画変更ができるようになりました。リードタイム短縮の成果も、これから明確になっていくでしょう」(大辻氏)。
生産管理担当者の業務改革も進んだ。お客様先からの日々の確定指示に応じて生産計画を修正する作業プロセスは標準化され、部品手配の流れも全体最適化されて、効率よい組織対応ができるようになった。最終的には業務負荷の3割削減を達成できる見込みだ。
「計画業務を標準化し、全社マスターを統一してWeb環境で見られるようにしたことで、『見える化』も大きく進みました。今後の革新に向けた基盤ができたのです」と坂東氏は語る。
次の目標は、精度の高まった計画を実績と対比させ、収益管理をより戦略的にすることだ。
豊田合成の基幹系システム強化とグローバル標準の部品表・マスターの確立は、トヨタ生産方式(TPS)を基本に、北米からさらに世界各拠点へ向かって拡大を続けていく。

【図】システム概要イメージ

お客様プロフィール

社名

豊田合成株式会社

本社

愛知県清須市春日長畑1番地

設立

1949年6月15日

資本金

280億円(2009年3月期)

売上高

連結5,463億円、単独3,214億円(2009年3月期)

従業員数

連結25,792名、単独6,631名(2009年3月期)

事業概要

トヨタグループを形成する主要9社のひとつで、高分子技術をコアとする自動車部品・搬送機器メーカー。ゴム・樹脂製の装置系部品と、組立加工生産方式の複合型部品を生産し、世界16カ国47拠点での供給体制をもつ。現在では、トヨタ系列を超えた幅広い自動車メーカーを顧客とするビジネスが3~4割を占める。

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