2010年6月

【写真】大縮尺地図を自在に利用できる「統合型地理情報システム」を構築。県民サービスの向上、行政事務の高度化・効率化に大きな成果

2009年10月1日、長野県庁で、新しく生まれ変わった「長野県統合型地理情報システム」の利用が始まった。2,500分の1相当の大縮尺地図を画面いっぱいに表示させて、長野県が保有するあらゆる情報を地図と結合し、事業計画の策定や緊急時の対応策、また位置図の作成に活用できる。航空写真、衛星画像も利用できる。台帳に入力してあるデータから住所情報を読み取り、正確かつ自動的に地図上にポイント表示させるアドレスマッチング機能も便利だ。県職員の利用は、旧システムに比べて10倍以上に急増した。しかも、機能が大幅に進化したにもかかわらず、システム導入と5年間の維持にかかる総事業費は、旧システムの4分の3に削減された。この画期的な地理情報システム刷新を実現したのが、NTTデータが提供する「Geogate(ジオゲート)」である。

長野県 企画部 情報統計課 電子自治体推進係長 小林 裕之氏
長野県 企画部 情報統計課 主任 神頭 克実氏

大縮尺地図を業務に活用できる環境を実現

長野県が、地理情報システムの再構築を検討し始めたのは、2008年秋のことだ。
「以前のシステムは、操作性などにいくつかの課題があり、使われる部署が限られがちでした」と、長野県 企画部 情報統計課 電子自治体推進係長の小林裕之氏。
新システムでは、ゼンリンなどの民間企業が提供する地図を利用して、低コストで大縮尺の地図利用を実行することを決断した。また、県職員が作成した情報の一部は、県民がインターネット経由で利用する「しんしゅうくらしのマップ」でも活用する。民間地図は精度が担保されていないという欠点があるが、長野県は、大縮尺地図や航空写真を自由かつスピーディに操作できるという利点の方を重視したのである。

【写真】

台帳の住所情報を読み取り、地図上にマッピング表示させることができる。地図上に反映された情報の凡例を表示することも可能。また、チェックボックスで選択した情報を地図上に反映して閲覧することもできる。

使いやすさで、庁内利用者が10倍以上に急増

現在、県職員のパソコンには、民間地図(長野県全域の住宅地図と全国分の建物形状が入った地図)と、国土地理院の数値地図が表示できる。民間地図は、拡大すると、500分の1まで表示できる。航空写真、衛星画像の利用も盛んだ。
地図上には、アイコン、線、図形、文字などを自在に記入できる。点と点との距離や、多角形や円で囲んだ部分の面積を計算することも容易である。
また、地図の情報は、業務で使う台帳の情報と双方向でリンクできる。
たとえば、表計算ソフトに入力された施設の一覧表に住所があれば、それを読み取って地図上にマッピングして表示させることができる。逆に、地図上に表示されているシンボルを選び、住所や施設名などの属性情報を表形式で一覧することもできる。
新しい地理情報システムの構築効果は、利用者の数の変化が如実に語っている。
旧システムでは、県職員の利用は月平均276件だった。新システムは、サービス開始から6ヵ月間の月平均が2,882件であり、10倍以上に急増したのだ。しかも、今後さらに利用が拡大していく勢いである。

大縮尺地図の低コスト利用を可能にしたSaaS型地図情報サービス

システム開発にあたっては、プロポーザル方式による全国公募で広くベンダーからの提案を求めた。そして、技術評価委員会の審査で、長野県が要求する基準を満たしていると評価され、採用されたのが、NTTデータの提案である。
「大縮尺になるほど地図情報のコストがかさむため、『大縮尺地図を使う』という要件が、ベンダーにとっては一番むずかしかったようです」と、長野県 企画部 情報統計課 主任の神頭克実氏は言う。
NTTデータは、「Geogate」を使うことで、低料金での大縮尺地図提供を実現した。
Geogateは、データセンター内にあらかじめ住宅地図基盤を構築したうえで、それを必要とする複数の自治体へ必要な地域の情報だけを提供するSaaS型地図情報サービスである。したがって、1つの自治体のためだけに地図情報を購入し、運用・保守するコストに比べて、圧倒的に低いコストで大縮尺地図を提供できる。
SaaS型のもうひとつのメリットは、県のシステム管理者が、ハードウェアやソフトウェアの管理から解放されることだ。
さらに、初期導入費と毎月の運用費を合計した5年分の総事業費が旧システムと比べると、4分の3程度に減ることがわかった。大縮尺地図を使えるようになり、機能は便利になって、しかも、経費は大幅に削減できたのだ。

情報の一元管理は「重複投資を避ける」ことにも貢献

長野県統合型地理情報システムは、県職員の業務効率向上に効果をあげている。そして、利用が拡大し、情報更新が頻繁に行われるようになればなるほど、最新の情報が県民に公開される環境も自然に形成されて、県民サービスの向上へつながっていく。
しかも、情報一元管理の相乗効果として、複数の部署が管理する情報を重ね合わせて分析して、さまざまな複合条件を考慮しながら大きな視点で全体を計画する作業がやりやすくなった。たとえば、土石流の被害が起きやすい区域と県施設の場所を重ね合わせて地図表示させることで、危険な区域に存在している県施設をひと目でチェックできるのだ。
「今後も、施策の実効性を評価したり、最小の経費で最大の効果を生む施策を検討するなど、行政の高度化に向けて有効活用していきたい」と小林氏は意欲的だ。

【図】システム概要イメージ

各種地図情報の上に、さまざまな行政情報をレイヤとして載せて表示させる。背景図データ(民間地図、航空写真、衛星画像)は、データセンターで管理しており、SaaS型サービスとしてインターネット経由で利用、長野県はハード管理・背景図データ更新を気にする必要がない。庁内用レイヤは、外部からのアクセスが不可能な庁内サーバで管理している。県職員が庁内用レイヤを更新すると、オンラインでデータセンター内の公開用GISサーバ群に反映が可能、タイムリーな情報公開ができる。

お客様プロフィール

お客様名

長野県

県庁所在地

長野市大字南長野字幅下692番地2

面積

13,562km2(全国4位)

推計人口

215万2,362人(2010年4月1日現在)

概要

長野県のキャッチフレーズは「つらなる つながる 信州」。「日本の屋根」と呼ばれる雄大な山々に代表される自然の豊かさと、8県と境を接する交流の要という地理的条件を生かし、人と人の絆、地域と地域のつながりを大切にし、県外や海外にも開かれた意識を持ちながら、県民の知恵と力を結集していきたいという思いが込められている。

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業種

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