2012年5月

全システムのデータセンタ移設を半年間でスムーズに完了。BCP強化、IT管理コスト削減、クラウド化に大きな成果

中古車TVオークションで知られる株式会社オークネット(以降、オークネット)は、東日本大震災を契機に、計画中であったシステムのデータセンタ移設を前倒しにすることを決断。2011年末までに、サーバとネットワーク機器を合わせて約500台にのぼる全システムの移設を完了した。移設にあたっては、NTTデータのノウハウとソリューションを活用することで、TVオークションの停止を1日も発生させることなく、短期間かつスムーズな移設に成功。同時に、柔軟なハイブリッドクラウド運用を拡大していく体制も手に入れたのである。

お客様の課題

  • 東日本大震災によって、BCP(事業継続計画)、特に停電対策が不十分であることを再認識した。
  • クラウド化を目指していたが、柔軟性の高いパブリッククラウドの基盤がみつからなかった。

導入効果

  • BCPの強化が図れた。データセンタのファシリティが堅牢であるうえに、自家発電設備で長時間停電にも耐えられ、通信インフラの高可用性を実現した。
  • 本社ビルの電気代40%削減など、ITの維持管理コストの削減が図れた。
  • クラウド化、「持たざる経営」へ歩み出した。

導入の背景と課題BCP強化のためにデータセンタ移設を緊急前倒し

世界で初めて通信を利用した中古車の電子商取引「TVオークション」を開始したのが、オークネットである。現在は、通信基盤を、衛星通信からインターネットへと転換し、取扱商品も、中古車、二輪、花き、ブランド品、デジタルディバイスなどへと拡大した。
ネットビジネス専業の同社にとって、システムやデータベースは、「事業の生命線」だ。2005年からBCPを実施してきた。また、本社に設置してあるサーバ類のデータセンタへの移設、システムのクラウド化なども前向きに検討していた。
2011年3月11日、東日本大震災が発生した。
被害が広域かつ長期間にわたる大災害では、BCPの前提も大きくくつがえされる。オークネットは、「セリ」などの基幹システムを本社ビルで自社運用してきたが、これはオフィスビルであり、自家発電設備を備えていない。計画停電が実施されれば、オークションを停止するしかないという危機的な状況に直面した。
「毎日10億円規模の取引が動いているシステムを止めたりすれば、お客様に大変なご迷惑をお掛けすることになり、その信用失墜の度合いは計り知れない」と、総合戦略企画室 執行役員の上野悟氏。
オークネットは、データセンタ移設を緊急に前倒しして、2011年中に全システムの移設を済ませることを決断した。

【写真】

株式会社オークネット
執行役員
総合戦略企画室 ジェネラル・マネージャー
上野 悟氏

【写真】

株式会社オークネット
執行役員
IT開発部門 ジェネラル・マネージャー
天野 保男氏

選定ポイントBCP、データセンタ移設、クラウド化。さまざまな課題へ包括的に対応

緊急移設にあたっては、NTTデータの提案を採用した。
NTTデータであれば、BCP、データセンタ移設、クラウド化というさまざまな課題へ包括的に対応できるからだ。
クラウドのサービスも充実していた。
NTTデータは、パブリック、プライベート、および両者を組み合わせたハイブリッドクラウドを柔軟に構築・運用できる基盤サービスを提供している。「既存システムをそのまま使いながら、短期間でデータセンタ移設を完了させ、その後、段階を踏んで、パブリックとプライベートを効率よく連携させたハイブリッドクラウドへビジネスを完全に移行させる」(IT開発部門 執行役員 天野保男氏)というオークネットの計画へも十分に対応できた。
また、NTTデータの三鷹データセンタは、地盤強固な東京都三鷹市に立地している。さらに建物やファシリティ設備の強固さ、厳しく管理されたセキュリティ環境など、必要な条件を全て満たしていた。また、懸念していた電力設備は自家発電設備が冗長化されており、停電が起きてもシステム稼働を現状態で約60時間維持できる。加えて、500台のサーバとネットワーク機器を物理的に移動させるにあたり、1時間以内で移設することが可能なロケーションも理想的なデータセンタであった。
なお、NTTデータの三鷹データセンタの建物へのネットワーク引き込み経路は、「洞道」(とうどう)と呼ばれる地下トンネルで守られており、ネットワークインフラの安全性や可用性も高い。洞道はNTTが施設したものであり、こうしたNTTグループならではの通信インフラの強みも高く評価されたのである。

導入の流れオークションを1日も停止させることなく、スムーズな移設に成功

オークネットのデータセンタ移設は、2011年6月から12月にかけて、4つのグループに分けて実施された。44もあるシステムの重要度と相互関連性を分析したうえで、重要なシステムから優先的に移したのである。
1台のハードウェアも故障することなく、また、オークションを1日も止めることなく移設は完了した。夜22~23時にオークションが終了してから、解体・移動・設置接続・テストを行い、翌朝のシステム稼働開始をまったく遅らせることなく、作業完了させる日々を重ねたのである。
オークネットはネットビジネス事業者であるだけに、システム移設の間にも、立ち上げなければならない新サービスがいくつか発生した。これらは、NTTデータの「共通基盤ITサービスACORE」が提供するパブリッククラウドを利用して、早期にシステムを立ち上げることができた。
「NTTデータは、確かな仮想化技術をベースに、システムの重要性の切り分けから、効果的な移設計画立案、実際の移設の遂行、そして、クラウドの早期立ち上げまで、ワンストップで総合的かつ緻密にコーディネイトしてくれました」と天野氏は評価する。

導入効果と今後の展望電気代40%削減をはじめ、IT維持管理コストが大幅低減

データセンタ移設により、オークネットのBCP体制は一段と強化された。データセンタの建屋そのものが堅牢であるうえに、長時間の停電にも耐えられ、通信インフラの可用性も高い。さらに、非常時には全国6支社のどこからでも、オークションシステムのオペレーションを維持できる体制が整った。
本社ビルの電気代が40%削減できたなど、ITの管理工数およびコストも大幅に削減できた。
移設前には60~70ラックを占めていたサーバ群は、NTTデータの「高収容ラック設計」手法の適用により、電源の冗長確保を行き届かせたうえで、わずか40ラックに収容された。
クラウド利用が始まり、「持たざる経営」へ歩み出したという成果も大きい。
「新システム立ち上げ時、老朽化したハードウェアの更新時に、クラウド化を実施していき、最終的に全システムをクラウドへ移行します。したがってこれからは、サーバなどの購入は不要。削減できたハードウェアの購入・維持コストは、新サービスの積極的な立ち上げのほうへ振り向けていきたい」と天野氏は意欲的に語る。
海外進出や新サービス創出など、今後もさまざまな挑戦を続けていくオークネット。ビジネスパートナーであるNTTデータは、同社のビジネスをより包括的にサポートしていく。

【図】システム概要イメージ

お客様プロフィール

お客様名

株式会社オークネット

本社

東京都千代田区三番町8番1

設立

1984年3月9日

資本金等

40億4,450万0,000円(2012年3月31日現在)

従業員数

281名(2012年3月31日現在)

事業概要

情報通信を使ったオークションのパイオニア。「本物主義」という企業理念を掲げ、査定のプロによる厳格な検査情報を提供することでも定評があり、27年以上にわたって蓄積してきた電子商取引運営ノウハウとあいまって、会員企業から厚い信頼を得ている。

お客様の声リーフレットダウンロード

【写真】株式会社オークネット様

ご紹介した事例内容をPDFでダウンロードすることができます。

お気軽に
お問い合わせ
ください

株式会社オークネット様の事例に関するお問い合わせ

お問い合わせフォーム

株式会社オークネット様の事例に関連する情報

業種

ビジネス環境の急速な変化に対応し、 新たなビジネスの基盤を支えるシステムを構築

サービス

お客様に安心して利用いただける最適なクラウド基盤を実現

長きにわたって蓄積した実績に基づく高効率・高信頼なデータセンターサービスにより、お客様のIT基盤を強力にサポート