2012年6月

「海外SMS一斉連絡サービス」のシステム構築でNTTドコモの海外展開を支援

NTTドコモは、タイやベトナム、オーストラリアなどアジア/オセアニア地域における計11カ国(2014年3月時点)で、ショートメッセージサービス(携帯電話番号で送受信する簡易メール。以下、SMS)およびEmailを用いた「海外SMS一斉連絡サービス」を提供している。日本国内とは通信環境の異なるアジア/オセアニア諸国において、有事の際の安否確認や日常の一斉連絡などの利用が想定されている。NTTデータは、NTTドコモから同サービスのシステム構築を受託、信頼性・利便性の高いシステムを実現した。開発・運用や営業支援を含め、NTTデータグループのグローバル体制を生かしてNTTドコモの海外展開をバックアップしている。
(この記事は2014年4月に一部内容を更新いたしました)

お客様の課題

  • 経営課題の一つとして海外事業の拡大を図りたかった。
  • 在外日系法人などに信頼性の高い安否確認・一斉配信サービスを提供したかった。

導入効果

  • 海外で主流のSMSを利用した安価なサービスが提供できた。
  • 在外公館、在外日系企業、日本人学校などから高い評価を得られた。

導入の背景と課題在外日系法人向け一斉連絡サービスへのニーズに応える

NTTドコモでは、海外事業の拡大戦略の柱の一つとして、在外邦人団体(政府公館、企業、学校など)向けのソリューション提供を掲げている。一方、在外日系法人の側にも信頼性の高い通信サービスへの強いニーズがある。2011年秋にタイ南部を洪水が襲い、多くの日系企業が被災、現地社員の安否確認などの対応に追われた。海外にも安否確認サービスや一斉連絡サービスはあるが、国内と比べて信頼性が低い。連絡自体が届かない、返信が遅配で何日も戻らない、といったトラブルも多いという。
NTTドコモ 法人事業部 第二法人営業部 グローバル支援担当課長の牧瀬 哲朗氏(所属・役職は2014年4月時点のものです)は、今回、SMSを利用するサービスに着目した理由を次のように語る。「海外ではインターネットメールよりもSMSのほうが多数派。現地の方のITリテラシーもまちまち。そうした条件をクリアできるのが、インターネットを介さず、使い方も容易なうえ多様な端末で受信可能な、SMSを利用した一斉連絡サービスだった」
NTTドコモではNTTデータにデモ版のシステム構築を依頼。それを携えて在外邦銀・在外公館・日本人学校などに出向き、ヒアリングを重ねながらサービスの仕様を検討していった。

【写真】

株式会社NTTドコモ
法人事業部 第二法人営業部
グローバル支援担当課長
Mobile Innovation Company Limited
Vice President, Head of Special Project Department.
牧瀬 哲朗氏
(所属・役職は2014年4月時点のものです)

選定ポイント選定の決め手は、通信へのノウハウ、積極提案、そして熱意

このサービスでは、有事の際などに管理者が安否確認文を作成、関係者に一斉配信する。受信者が回答を返信することで、安否確認ができるという仕組みだ。安否確認文の入力にはテンプレートが利用可能。受信者は「1.出社可能、2.出社不可能」といった選択肢から数字やアルファベットなどを返信すればよい。集まった返信の集計機能もある。日英の2カ国語に対応しており、事務所等のパソコンはもちろん、スマートフォンなど携帯端末からも配信できる。
NTTドコモでは、デモ版で得たユーザの要望などを基に詳細な仕様を決定。商用サービスのシステム構築に向けて、複数のシステムインテグレーターによるコンペを実施し、パートナーとしてNTTデータを選んだ。選定理由は、NTTのグループ企業としてシステムだけでなく通信分野にも十分なノウハウがあったこと、仕様で求めた以上の積極的で有意義な提案をしてくれたこと、そして一緒にいいものを作りたいという熱意、の3つ。NTTデータの担当者が自らの目で現地ニーズを確かめたいと願い、牧瀬氏と共に東南アジアへと飛んだというエピソードが、熱意のほどを物語る。

導入の流れオフショア開発と、優れたプロジェクトマネジメント力

NTTデータではシステム構築に当たって、オフショア開発によりコスト削減とスケジュール短縮を図った。要件定義に関しては、NTT DATA(Thailand)Co., Ltd.(タイ)に支援委託。アプリケーション開発については、無錫NTT DATA有限公司(中国)が詳細設計の段階から加わることで、開発を効率化した。同社はまた今回のシステムの運用にも携わっている。
もう1つ大きな課題は、日本と比べて不安定な通信環境がサービス品質を左右してしまうことだった。NTTデータの開発するアプリケーションでなく、ネットワーク側に起因する問題だったが、通信サービスを展開する以上、ネットワークの不備を言い訳にはできない。NTTデータは、同時アクセスの許容数チェックなどアプリケーションの性能試験を繰り返した。
「そんな中で感じたのはNTTデータの優れたプロジェクトマネジメント力」と牧瀬氏は語る。「打ち合わせのたびにスケジュール表を持参し、当面の課題および解決方法の提案を受けた。それを確実に実行してくれたことで、さまざまなハードルを乗り越えられた」
こうして、商用サービスに向けたシステムが完成。2011年12月1日に、NTTドコモの在タイ子会社、モバイル・イノベーションによってタイでのサービス提供が始まった。

導入効果と今後の展望エリア拡大とプライベート化でさらなる展開へ

「海外SMS一斉連絡サービス」は2014年3月現在、サービス開始当初のタイに加えて、マレーシア・オーストラリア・インドネシア・フィリピン・シンガポール・日本・韓国・香港・中国・ベトナム・台湾の、計11ヵ国の日系企業、現地企業、日本人学校、在外公館等でサービスを提供している。
直近では、サービスのさらなる差別化に向け、SMSが届かない国や地域でもサービス提供したい、というNTTドコモの要望の元、SMSとEmailの相互乗り入れを実現させた。また、通信の信頼性を高めるため、SMS送信手段の冗長化も提案、実現している。
各国のお客様からは海外で"日本品質"のサービスが安価に利用できることに対して、好評の声が多く寄せられている。「災害などがあってトラフィックが集中したときに安定していてこそ、このサービスの意味がある。実際に、現地の災害に対しての利用シーンも出始めている。今後もさらに注力していく。」(牧瀬氏)
今後は、アジア各国から、欧米諸国をはじめ、成長が見込まれる南米やアフリカ、中東などへの提供エリア拡大を図る。そうした営業面での支援として、シンガポール、およびインドネシアにおいては、それぞれNTTデータ子会社のNTT DATA Singapore、およびPT. NTT DATA Indonesiaが販売パートナーを務める。開発・運用から販売まで、まさにNTTデータのグローバル体制でNTTドコモの海外展開を支援している形だ。
また、個別の顧客向けにカスタマイズしたサービスの構築も検討している。例えば、すでにいくつかの企業から、タクシーの配車連絡や宅配便の荷物の追跡報告など、自社の業務に即した機能が利用できないかという引き合いが来ているという。
NTTデータでは、現状のサービスの安定運用を図りつつ、将来への事業拡大に向けてNTTドコモと共に新たなサービス検討も始めており、それらの実現要望を受けても対応できるよう、常に準備を整えている。

【図】システム概要イメージ

注釈

お客様プロフィール

お客様名

株式会社NTTドコモ

本社所在地

東京都千代田区永田町2-11-1 山王パークタワー

設立

1991年8月(エヌ・ティ・ティ・移動通信企画)(2000年4月、エヌ・ティ・ティ・ドコモへ商号変更、後2013年10月、NTTドコモへ商号変更)

資本金

9,496億7,950万円(2013年3月)

主な事業内容

携帯電話事業(Xi〔クロッシィ〕サービス、FOMAサービス)、パケット通信サービス、国際電話サービス、衛星電話サービス、各サービスの端末機器販売など

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