2012年8月

「市民の声」の業務処理システムを最新ワークフローで一新。進捗状況の可視化に成功して、管理工数が10分の1に激減

千葉県・市原市では、市民から寄せられるさまざまな意見、要望へ迅速に対応するために、従来から利用してきた「住民ニーズシステム」を刷新・機能アップして、2010年11月から運用している。新しい住民ニーズシステムの構築には、NTTデータのワークフローパッケージ「OpenCube Workflow」を採用。Microsoft SharePointやActive Directoryとの密接な連携を実現しながら、進捗状況の可視化と、業務処理の効率アップに成功して、スピーディな行政運営に大きく貢献している。

お客様の課題

  • 業務の進捗管理が難しく、停滞しやすかった。
  • 進捗状況のチェックや催促メールの送信に多大な手間がかかっていた。
  • 蓄積されたデータが有効活用できていなかった。

導入効果

  • 業務の進捗状況を完全に可視化。停滞が発生しにくくなり、業務処理もスピードアップした。
  • 確認依頼メールの自動送信などで担当者の業務負荷が軽減され、広報広聴課における進捗状況の管理工数は10分の1に激減した。
  • 市民の声の情報をデータウェアハウスに登録。キーワード検索やクロス集計を駆使して、施策立案に役立つ統計資料を作成できるようになった。

導入の背景と課題先進システムのさらなる機能アップを図る

市原市 市役所庁舎

市原市 市役所庁舎

市原市では、「行政と市民との協働型社会」の実現に向けた取り組みのひとつとして、「住民ニーズシステム」を構築し、2004年から運用してきた。
市民からは、手紙、ファクシミリ、電子メールなど、さまざまな形で意見、要望、提言、問い合わせなどが寄せられる。その内容をデータベース化し、広報広聴課での受付から、該当部局への処理依頼、各部局での収受、供覧、起案、決裁などの処理、そして、広報広聴課での集計、分析、保管に至るまで、広範な業務プロセスを庁内LAN(イントラネット)上で管理するのが、住民ニーズシステムである。

「市民の声として処理している案件は年間700~800件ほど。件数は年々増加傾向にあり、住民ニーズシステムの重要性は高まっています」と、企画部 広報広聴課 広聴係 係長の鹿島 幸夫氏。
6年間利用してきたシステムが更改時期を迎えた2010年、より効率的な業務処理と施策への反映を目指して、新しい住民ニーズシステムの検討が始まった。

【写真】

市原市
企画部 広報広聴課 広聴係
係長
鹿島 幸夫氏

【写真】

市原市
子育て支援部 子ども福祉課 企画調整係
係長
小宮 茂氏

【写真】

市原市
企画部 広報広聴課 広聴係
主任
志村 かおる氏

【写真】

市原市
総務部 情報管理課 情報化推進係
主事
安藤 善文氏

選定ポイントEUCの実現でトータルコストを大幅に低減

新システム構築にあたっては、中核となるワークフロー製品として、NTTデータの「OpenCube Workflow」を選定した。
評価ポイントは3つある。
第1に、EUC(エンドユーザーコンピューティング)を実現できる。
フローの設計・変更は、グラフィックツール「Microsoft Visio」を使ってのマウス操作で完結するため、ベンダーへ外注することなく市職員で運用できる。
第2に、グループウェア「Microsoft SharePoint」をはじめ、Windows関連製品とネイティブ連携を実現している。
市原市は、グループウェア、メールシステム、ユーザー管理など、庁内の情報基盤を、マイクロソフト製品で統一している。この環境と密接に連携したシステムを構築すれば、処理依頼メールの到着を担当者のポータル画面に表示させ、これをクリックするだけで、改めてログイン操作をすることなく、住民ニーズシステムを使った業務処理に移れる環境を実現できる。
また、Active Directory連携もきわめて緊密で、人事異動・組織改編に際しても、手動のメンテナンス作業はほとんど発生しない。
第3に、比較したいくつもの製品・ソリューションの中で、トータルコストが最も低かった。
「承認差し戻しはもちろん、並列回覧や合議などの複雑な流れまで、Microsoft Visioを使ってノンプログラミングで設定できるため、システムのTCO(総保有コスト)を最も低く抑えられるのです」と、総務部 情報管理課 情報化推進係 主事の安藤 善文氏は語る。

導入の流れ複数部署への回覧を並列実行で時間短縮

新しい住民ニーズシステムは、2010年11月に稼働を開始した。約2,000人の全職員がユーザーである。
システム構築は富士ゼロックスが担当した。市民の声は、過半数が手紙などの手書きで寄せられるが、これをスキャンデータとテキストデータの2通りで電子化してワークフローに載せる作業を、最小限の手順で実現している。
なお、ワークフロー設定は基本的にノンプログラミングだが、「案件分割」などの特別な機能は、OpenCube WorkflowのAPIを用いてプログラミングし、機能追加した。
「1回の操作で、複数のワークフローを同時並行して流せるようにしたのが『案件分割』です。1つの手紙に、いろいろな内容が含まれている場合に、複数部署への依頼作業を効率よく行えます」と、子育て支援部 子ども福祉課 企画調整係 係長の小宮 茂氏は説明する。(2010 年当時は広報広聴課)

導入効果と今後の展望フローの停滞がなくなり、市民への回答期間も短縮

住民ニーズシステムの一新により、ワークフローの進捗状況は完全に可視化された。全庁ポータルのトップページには、未処理の案件数が刻々とリアルタイム表示される。
「全体の進捗状況を確認したり、1件ごとに追跡したりするのはもちろんのこと、各部局での滞留時間まで分単位で表示されますから、ひと目見ただけで問題点がすぐにわかります」と、企画部 広報広聴課 広聴係 主任の志村 かおる氏。
また、メール発信や、複数部局に振り分けた処理のとりまとめ作業が自動化され、広報広聴課の業務は大幅にスピードアップした。
従来は、広報広聴課が各部局へ処理を依頼した後、進捗状況をチェックする手段がなかったため、個別に催促メールを送ったり、問い合わせの電話をしており、大変に手間がかかっていたのだ。
「現在では、依頼作業は半分以下の工数、依頼後の進捗管理の工数は10分の1ぐらいに激減しています」と鹿島氏は言う。
各部局でも、供覧先を一括設定できるなど、使いやすさの進化が好評だ。
こうして処理が迅速化したことで、市民への回答期間は短縮し、スピーディな行政運営に貢献している。
さらに、市民の声とその対応は、Microsoft SQL Serverで構築したデータウェアハウスに蓄積し、検索・分析をして、施策立案に役立つ統計資料を作成できる環境を整えた。
決裁や供覧の流れの電子化は、業務効率向上のみならず、市民の生の声を的確に捉え、機敏に対応する行政体制を作るうえでも、大きな成果をあげているのである。

【図】システム概要イメージ

注釈

  • Microsoft、Windows、SharePoint、Active Directoryは米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
  • その他の会社名、製品名は各社の商標および登録商標です。

お客様プロフィール

お客様名

市原市

所在地

千葉県市原市国分寺台中央一丁目1番地1

市政施行

1963年

面積

368.20km²

人口

278,276人(2012年4月1日現在)

概要

千葉市の南に隣接し、東京湾から房総丘陵にかけて広がる広域都市。臨海部は日本有数のコンビナート群を有する千葉県随一の工業都市。内房線沿線の丘陵部には住宅地域が広がり、中部山間地には農業地域や景勝地である養老渓谷を抱えており、その多様性から日本の縮図とも評される。市原市では、多様化する市民ニーズを迅速かつ的確に捉え、ICTの有効活用により、より安全でより便利な市民サービスを提供する「市原市地域情報化計画」を推進中。

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