2012年10月

グローバルSAPシステムをプライベートクラウドへ移行してコスト削減とBCP強化に成功

株式会社沖データ(以下、OKIデータ)は、NTTデータの「INERPIA/イナーピア® SAP®ホスティングサービス」を利用して、基幹システムを日本のデータセンターからマレーシアのデータセンターへ移行した。海外データセンターの利用、および従来のハウジングからプライベートクラウド型ホスティングサービスへの移行により、日本およびアジア圏における基幹システムの運用保守コストを2013年度までに20%削減して、大幅なTCO削減を実現する見込みだ。また、ディザスタリカバリの強化にも大きく貢献している。

お客様の課題

  • レガシーシステムを保有・維持・運用管理するコストが高額である。
  • BCPをさらに強化したい。

導入効果

  • レガシーシステムの維持・運用にかかる高額コストから解放された。
  • 「2013年までに基幹システムの運用コストを20%以上削減」という目標も達成する見込み。
  • 万一、日本のシステムが災害によって使えなくなった場合でも、タイ・中国での生産をストップさせることなく、事業継続できる体制ができた。

導入の背景と課題グローバルSAPシステムの運用コスト削減を目指す

プリンタメーカーのOKIデータは、日本、タイ、英国、中国の4カ所に生産拠点を置き、世界約120か国で販売するグローバル企業である。
基幹システムもグローバル展開が必須であり、日本・欧州・米国で合計3つのSAPシステムを運用してきた。
「なかでも日本のSAPシステムは、国内はもとより、タイ・中国の生産拠点からもネットワーク経由でアクセスして利用する中枢システム」であると、情報・物流企画室 本部長の大泉 洋子氏は語る。
しかしこのシステムは、レガシーシステムを維持するための高い運用保守コスト、BCP強化などの課題が顕在化していた。
OKIデータの経営企画部門では、これらの課題を解決するため、IT中期計画を策定して、戦略を練った。その結果、運用の品質と効率を向上させつつ、コストを低減するためには、SAPインフラを、従来のハウジングからSAP Basis運用を含むホスティングサービスへ移行することが不可欠であるという結論に至った。これからは重要なシステムだからこそ、システムを自社保有せず、ホスティングサービスを利用して、コスト削減と可用性向上の両立を図るべきだと考えたのである。

【写真】

株式会社沖データ
情報・物流企画室 本部長
大泉 洋子氏

【写真】

株式会社沖データ
経営情報部 部長
大堀 和男氏

【写真】

株式会社沖データ
経営情報部 課長
久保 浩治氏

選定ポイント信頼性の高いプライベートクラウド型ホスティングサービスを選択

OKIデータが各種ホスティングサービスを調査したうえで選定したのが、NTTデータの「INERPIA/イナーピア SAPホスティングサービス」である。
これは、グローバル対応を特徴とするSAP ERP専用のプライベートクラウド型ホスティングサービスだ。データセンターに設置したSAP ERP専用サーバーを、必要な時に必要な分だけ月額料金で利用できるため、自社でサーバー構築・運用する場合と比較して、大幅なコスト削減ができる。
さらに重視したのは、可用性、信頼性が高いサービスであることだ。
「INERPIA/イナーピア SAPホスティングサービス」は、世界三極に位置するNTTグループのデータセンターを活用して、コストパフォーマンスの高いサービスを提供する。OKIデータは、マレーシアのデータセンターの利用を決定した。海外ではあるが、NTTデータのグループ会社であるitelligence社が「NTTデータ基準」の高信頼な運用サービスを提供、日系企業を対象にしたきめ細かいサポートなども約束されていたからである。

導入の流れAS/400に最適化されたシステムのLinux移行に成功

グローバルSAPシステムのマレーシアへの移行にあたっての課題は、業務に与える影響の排除と、システム停止時間の極小化である。
「従来システムは、AS/400というプラットフォームに合わせて最適化し、SAP Basisやシステム環境面において苦労して作り込んだシステムでしたから、業務処理を変えることなくLinuxへ移行するのは容易なことではありませんでした」と、経営情報部 部長の大堀 和男氏は語る。しかしNTTデータは、基盤構築専任部隊が協力するなど、総力を挙げてチューニングを実施。アプリケーション側の変更は最小限にとどめ、基盤部分、つまり、OSやデータベースのチューニングだけで、Linux上での高速安定稼働を実現した。
また、移行作業には通常4日間を要するが、日本・タイ・中国間で長期休日が一致する時期はまったくない。そこで、日本側旧システムからの本番データの抽出、データ搬送、マレーシア側新システムへのデータ移行、確認試験などを詳細に計画し、並行作業を組み合わせて、移行を3日間に短縮した。
「移行にあたってNTTデータは、こちらの要望に応じて融通をきかせてくれるなど、『日本流のグローバルサービス』をしっかり提供してくれました」と、経営情報部 課長の久保 浩治氏は評価する。

導入効果と今後の展望運用コスト20%以上削減見込み。BCPも強化

2012年5月、アジア圏のグローバルSAPシステムは、マレーシアのデータセンターでの稼働を開始した。利用者は、日本と、タイ、中国を中心に約2,000ユーザだ。欧州、米国の販売拠点からもアクセスしている。
コスト削減効果は大きい。「従来システムの5年分の運用費用」の予算内で、「データセンター移転、システム基盤チューニング、今後5年分の運用費用」をまかなうことができた。「2013年までに基幹システムの運用コストを20%以上削減」というIT中期計画の目標も達成できる見込みだ。
ひいては、新規投資を行うことなく、BCPを大幅に強化できたことになる。万一、日本のシステムが災害によって使えなくなった場合でも、タイ・中国での生産、そして欧州・米国での販売をストップさせることなく、事業継続できるのだ。
従来、5~6社の運用保守契約先と検討しながら対応してきたインフラの課題や障害を、NTTデータ1社がワンストップ対応することになり、社内スタッフが日常的なアラート対応作業から解放されたことも大きな成果である。
OKIデータは現在、グローバルビジネスのさらなる拡大に力を注いでおり、SAPシステムの利用領域も拡大が必要になると予想される。「持たざる経営を自ら率先して推進することで、『成長に向けた取り組み』をさらに加速させたい」(大泉氏)というOKIデータの今後の取り組みを、NTTデータのグローバルITサービスは、力強く支えていく。

【図】システム概要イメージ

お客様プロフィール

お客様名

株式会社沖データ

本社

東京都港区芝浦4-11-22

設立

1994年(平成6年)10月

資本金

290億円(沖電気工業株式会社100%)

売上高

1,297億円(グループ、2012年3月末)

従業員数

6,279名(グループ、2012年3月末)

事業概要

プリンタ・複合機のメーカーとして、1994年に沖電気工業から分社独立。「Printing SolutionsのOKIデータ」をコンセプトに、先進のプリンディング・テクノロジーによるお客様価値の創造を目指す。

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【写真】株式会社沖データ様

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