2013年2月

約300台の物理サーバを「BizXaaS構築・運用サービス」で仮想化統合。直流給電ソリューション「XECHNO Power」と高電圧直流給電を導入し省電力効果を最大化

日本無線は約300台に上る社内サーバを、NTTデータの総合クラウドサービス「BizXaaS」で仮想化統合しつつある。目的はTCOの削減と運用効率化、災害対策、そして環境への配慮だ。なかでも注目すべきなのは、高電圧直流給電(HVDC)とサーバラック内の直流給電ソリューション「XECHNO Power」との組み合わせによって、電力利用効率を大幅に高めている点である。すでに約100台のサーバが7枚のブレードサーバ集約されており、今後も段階的に対象サーバを拡大していく予定。その一方でHVDCのノウハウを、社外へ提供していくことも視野に入っている。

お客様の課題

  • 社内サーバが老朽化しており、これらの更新を低コストで行いたかった。
  • 約300台のサーバがばらばらに設置されており、運用管理の負担が大きかった。
  • 広域災害発生時にもビジネスを止めない仕組みが求められていた。
  • 環境に配慮した省電力型のIT基盤の実現も重視されていた。

導入効果

  • BizXaaSを活用した仮想化統合によって、サーバ更新費用を抑制できた。
  • 運用管理の集中化とBizXaaSによる運用サービスによって、社内の作業負担が軽減した。
  • 遠隔地に設置したサーバで業務を継続できる仕組みが実現可能になった。
  • 物理サーバの台数が削減されたことで消費電力が70%削減されると試算されている。また高電圧直流給電の採用が、10~20%の電力利用効率向上につながると評価されている。

導入の背景と課題社内サーバの仮想化統合で、4つの課題の解決へ

日本無線株式会社は1915年に設立された、無線通信システムを製造販売する老舗メーカーである。ここでいま進められているのが、「BizXaaS構築・運用サービス」を活用した社内サーバの仮想化統合だ。
その背景について日本無線株式会社でIT推進部長を務める馬場 肇氏は、次のように語る。「2010年12月にシステムの棚卸しを行った結果、約300台のサーバが社内に点在し、そのうち約4割が導入から5年以上経過していた。また部門毎に管理されているサーバの数が多く、データバックアップや保守の体制も、見直す必要があった」
これらの問題を根本から解決するための手法として、サーバの仮想化統合に着目。2011年3月にはこの方針を打ち出し、解決すべき4つの課題を明確化したのである。
まず第1はTCOの削減。多くの社内サーバが老朽化しており、更新の必要性が高まっていたが、そのまま更新を進めていくと莫大な費用がかかってしまうことが判明していた。
第2は運用効率化。サーバの設置場所が分散していたため、運用負担が大きくなっていた。またサーバ増設の要求に素早く対応するのも困難だった。
第3は災害対策(DR)の実現。広域災害発生時にもビジネスを止めない仕組みが求められていた。
そして第4が環境への配慮だ。消費電力の削減は東日本大震災以降、さらに重要性が高まっているという。

【写真】

日本無線株式会社
IT推進部長
馬場 肇氏

【写真】

日本無線株式会社
HVDC推進プロジェクトチーム 担当部長
伊東 厚氏

選定ポイント豊富な経験と実績を高く評価、HVDCへの積極的な対応も重視

2011年4月にこれらを盛り込んだRFPを作成し、複数のITベンダーに提示。2011年7月には約10社の提案の中から、NTTデータが提案したBizXaaSの採用を決定する。その最大の理由は「NTTデータのもつ豊富な経験と実績を活用できるから」だと馬場氏は説明する。これによってサーバ統合をより円滑に実現でき、社内の運用負担も削減できると期待されたのだ。またサーバ構築・運用を自社で行うのに比べ、コスト的にもメリットがあった。そしてもう1つ重視されたのが、高電圧直流給電(HVDC)への対応に積極的だったことだという。
HVDCとは300~400V程度の高電圧の直流を、サーバラックに給電するシステムのこと。電力ロスの発生する交流(AC)-直流(DC)変換を局所化することで、消費電力削減を可能にする。NTTデータでは以前から直流給電に対応した「PRORIZE DCサーバ」「Cisco UCSサーバ」を提供しており、HVDCに関するノウハウも蓄積している。BizXaaSの採用では、この点も高く評価されたのだ。
一般的にHVDC方式では、スイッチをオフにするタイミングでアーク(放電現象)が発生しやすく、交流給電に比べて感電や火災のリスクが高いという課題がある。これに対し、NTTデータグループは、NTTデータ先端技術が開発したテクノロジーによって、この課題を解決済みだった。わずか3つの部品で構成されるアーク防止メカニズムや、中点アースと呼ばれる方法などによって、安全な直流給電を実現しているのである。

導入の流れ3社の協業でHVDC給電と直流サーバラックのシステムを構築、約100台分を7ブレードに集約

システム構築作業に着手したのは2011年8月。12月にはパイロットシステムが完成し、約20台分のサーバを仮想化統合した試験運用が行われた。2012年1月には本格的なサーバ移行を開始。現在までに約100台分のサーバを仮想化統合し、わずか7枚のブレードサーバに集約している。
今回構築されたシステムは図に示す通り。ACラインから供給された電力は、日本無線が開発したHVDC給電システム「FRESH HVDC」で高電圧直流に変換され、NTTデータ先端技術が提供する「XECHNO Power」へと引き渡される。ここで高電圧の直流電流を安全な電圧まで下げ、PRORIZE DCサーバ、Cisco UCSサーバの直流給電対応サーバに給電している。ラック側で集中的に電圧変換を行うことで、サーバ毎のHVDC専用電源ユニットを不要にし、CPU使用率が低い状態でも常に高効率を実現できるようになっている。
日本無線にとって大規模な仮想化統合は初めての経験だったが「NTTデータは豊富な経験に裏付けられたノウハウを持っており、的確にプロジェクトを進めてくれた」と馬場氏は振り返る。データバックアップやDRを含めた運用も安心して任せられ、問題が生じたときの対応も迅速で、原因切り分けも適切。BizXaaSの選択は適切な判断だったという。

導入効果と今後の展望消費電力を抑制し運用性も向上、今後はHVDCを社外にも提供

サーバの仮想化統合で物理サーバを減らしたことで、単純に物理サーバを更新するケースに比べ、消費電力は70%以上削減できると試算されている。またHVDCの採用も、10~20%の電力利用効率向上につながると評価されている。
運用性も向上している。以前は多様な場所に設置された物理サーバを、1台ずつ操作して管理する必要があった。しかし仮想化統合後は、集中的な運用管理が可能になっている。また運用管理オペレーションの多くはBizXaaSのサービスとして行われるようになっており、これも社内の作業負担軽減に貢献している。
サーバ集約で台数が減ったため、設置スペースが削減されたことも見逃せない。約100台分の仮想マシンの運用に必要なラック数は、ストレージも含めわずか2本。DR用のサーバシステムは1本のラックに収まっている。
今後は段階的に対象サーバを広げ、最終的に約300台全てを仮想化統合する計画だ。その一方で今回のシステム構築ノウハウとHVDCシステムを、社外に提供することも視野に入っている。
「今回実現した環境配慮型のIT基盤は、他の企業にとっても参考になるはず」と馬場氏。また日本無線HVDC推進プロジェクトチーム担当部長の伊東氏は「将来はHVDCをビジネスの柱にしたい」と語る。今後もNTTデータグループと協力しながら、HVDCを活用した環境配慮型のIT基盤を、世界に広めていくという。NTTデータグループとしても日本無線の協力のもと、「XECHNO Power」を拡充し、本格的なビジネス展開をねらう予定だ。

【図】システム概要イメージ
【図】システム概要イメージ

注釈

  • XECHNO Powerは、DC12Vサーバラックシステム一式(集中電源、ラック、バスバー、DC12V対応IT機器等)にて構成されます。
  • 「BizXaaS」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • 「XECHNO」はNTTデータ先端技術株式会社の登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

お客様プロフィール

お客様名

日本無線株式会社

本社所在地

東京都杉並区荻窪 4-30-16 藤澤ビルディング

設立

1915年(大正4年)12月

資本金等

147億400万円

主な事業内容

情報通信機械器具製造業

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