2013年12月

先進のeラーニングシステムを四川省・成都へ展開。通信教育の中国展開、世界展開へ大きな一歩

通信教育大手のユーキャンは、中国・成都ウィナーソフトグループと合弁会社を設立し、中国での通信教育事業を開始した。サービスを支えるeラーニングシステムは、NTTデータが開発を担当。アプリケーション開発から、ハードウェアとミドルウェアの現地調達、インフラ構築まで、1社で一貫して請け負い、グローバル・カバレッジを発揮した。テキスト教材とeラーニングを組み合わせた同サービスは、中央官庁主導プロジェクトのプラットフォームとして採用が決まるなど、中国で高く評価されている。ユーキャンと成都ウィナーソフトグループはパートナーシップをさらに深め、協業ビジネスを拡大していく計画だ。

お客様の課題

  • 中国でビジネスを開始するために、ハードやミドルウェア等を含むシステムのインフラを、コスト、安定性、保守性、拡張性等を考えて最適化し、確実に調達する必要があった。
  • システム開発に際して、距離と言語・習慣等さまざまな壁にぶつかった。

導入効果

  • アプリケーション開発から、現地調達、インフラ構築までNTTデータ1社が一貫して担当。システムが安定稼働するインフラをタイムリーに構築し、調達においてもグローバル・カバレッジ力を発揮した。
  • 完成したシステムへの中国での評価は高く、ビジネスをスムーズにスタートできた。

導入の背景と課題合弁会社を設立して中国での通信教育事業を開始

「生涯学習のユーキャン」で知られる通信教育大手のユーキャンは、成都ウィナーソフトグループと、合弁会社「成都生涯科技有限公司」(以下、英語名の「U-CAN CHINA」と表記)を設立して、中国での通信教育事業を開始した。
「1954年の創立時から60年にわたって蓄積してきた通信教育のノウハウを、グローバル展開したい。その第一弾として、中国西部・内陸部の中核都市であり、今後のめざましい成長が予想される成都市で、合弁会社を立ち上げました」と、株式会社ユーキャン システム本部システム企画部 次長の中村 文彦氏は語る。
成都ウィナーソフト有限公司(以下、「成都ウィナーソフト」)は、成都市の「サービス・アウトソーシングの総合窓口会社」である。具体的には、人材教育サービス、日本企業の中国進出サポート、IT関連事業という3つのコア業務に加えて、四川省初の日本語学校、IT教育学校、人材サービス会社などを運営している。また同社は、成都市ソフトウェア産業協会および成都市サービス・アウトソーシング協会の副理事長を務め、成都市のソフトウェア産業の隆盛をリードする立場の企業だ。2013年Fortune China誌で、「中国で最も潜在力のある非上場企業トップ100」に、成都市で唯一選ばれた、成長著しい企業でもある。
「中国にはeラーニングのサービスはたくさんありますが、テキスト教材と組み合わせたサービスは新しい試みです。また、ユーキャンは、学習しやすさと受講生のモチベーション維持を追求してきた長年のノウハウを『U-CAN学習法』として体系化しており、これを広めていくことは中国の役に立つと考えました」と、成都ウィナーソフト 総裁兼CEOの周 密氏は語る。

【写真】

株式会社ユーキャン
システム本部システム企画部
次長
中村 文彦氏

【写真】

成都ウィナーソフト有限公司
総裁兼CEO
周 密氏

選定ポイントNTTデータのグローバル対応力と"Clients First"の精神

中国で初の試みになるという「テキスト教材とeラーニングとのハイブリッドサービス」。これを支えるeラーニングシステムは、日本で使用しているシステムをベースにしてローカライズするとともに、現地で必要となる機能を追加開発して作り上げた。
そもそも日本で使用しているシステム「学びオンライン プラス」は、2011年5月に稼働開始した。
スマートフォン、携帯電話、PCなどを幅広く使えるマルチデバイス対応、講師と受講生が互いにメールアドレスを通知することなく、安全にやり取りできるセキュアなメール管理など、先進的な機能を満載したeラーニングシステムである。
日本の「学びオンライン プラス」開発の中心を担ったのがNTTデータだ。ユーキャンは、中国のシステムを開発するにあたり、アプリケーション開発を一本化してNTTデータへ依頼した。日本でのシステム開発を通じて、NTTデータに対しては、要員の技術力の高さ、プロジェクト・マネジメント力、業務を理解して優先的に実現しようという"Clients First"の精神などを高く評価していたからである。
さらに中国展開に際しては、ハードウェア/ミドルウェアの現地調達、データセンターでのインフラ構築まで、NTTデータ1社でまとめて請け負うことになった。これにも、現地法人のNTTデータチャイナが動いて、最適な形で現地調達を行うことができた。
NTTデータは、グローバル・カバレッジと、システム構築にまつわる幅広い業務を一貫して実現できる人材の力を発揮して、ユーキャンの期待に応えたのである。

導入の流れ考え方、方法論を中国現地に合わせ、柔軟に課題を乗り越え

中国システムの開発にあたり、画面やコンテンツの中国語化は、成都ウィナーソフトが担当した。単なる日本語から中国語への置き換えではなく、中国の習慣に合わせた言葉の使い方を工夫して「現地仕様化」を行った。
それでも、距離と言語という2つの壁は予想以上に大きく、さまざまな苦労を乗り越えなければならなかった。
そのひとつ。オンライン課金システムは、中国で最も汎用的な決済システム「アリペイ」と連携させる必要があった。アリペイが提供するインターフェース仕様書は中国語のみであったため、急いで翻訳するなどの対応を行った。連携試験でも、提供される環境条件が日本とは異なるため、考え方、しくみ、方法論を現地に合わせる必要が生じた。NTTデータは、いずれも人間系の工夫によって柔軟に対応したのである。
また、現地での作業を効率化するため、開発の大半は日本からのリモートで行った。
それだけに、日本と中国間のネットワークが遅延すると、開発スケジュールが遅れてしまう。解決策としては、日中間の接続にはターミナルサービスを用いて、ターミナル端末を一時的に増設したり、ネットワークが遅延しやすい時間帯を避けて、早朝・深夜に作業したり、複数の開発者が各種試験をパラレルに実施できるように緻密にスケジューリングするなどの方策を組み合わせた。

導入効果と今後の展望独自の教育メソッドとシステム安定稼働に高い評価

2013年4月、U-CAN CHINAは、IT系5講座のeラーニングサービスを開始した。
同社のシステムは、安定稼働、スマートフォン対応、独自性の高いU-CAN学習法の3点で、他のeラーニングサービスとの明確な差別化に成功した。すでに、中国商務部をはじめ、複数の中央官庁が、同システムを社会人教育のプラットフォームとして採用する方針を決めた。大規模な国有企業や中央官庁も、社内教育用システムとしての導入を検討している。
今後は、IT系5講座に続く形で、書道、デジタルカメラ、メイクアップ、そして、実用中国語などの講座開発および提供を準備している。
「ユーキャンと成都ウィナーソフトは協業を深めて、実用中国語などの付加価値の高いコンテンツを積極的に開発し、中国国内のみならず、グローバルに発信していきたい」と中村氏と周氏は口々に語る。
2014年度には北米進出の計画もあり、今後の各国へのeラーニングシステム展開も、NTTデータが開発を担い、継続した保守・メンテナンスについても着実に支援していく。ユーキャンと成都ウィナーソフト、そしてNTTデータによるビジネス・パートナーシップの輪も、大きな拡大の途上にあるのだ。

【図】システム概要イメージ

お客様プロフィール

株式会社ユーキャン

お客様名

株式会社ユーキャン

本社所在地

東京都新宿区高田馬場4-2-38

創立

1954年6月

資本金

9,000万円

従業員

600人

主な事業内容

「生涯学習のユーキャン」ブランドで、通信教育講座、出版物、音楽・映像ソフトの通信販売を展開。通信教育事業では、資格・技能・趣味・教養など幅広いニーズに応じた約120の講座が、年間約80万人に利用されている。2006年、株式会社日本通信教育連盟から社名変更。

成都ウィナーソフト有限公司

お客様名

成都ウィナーソフト有限公司

本社所在地

成都市天府大道南延線 高新区天府ソフトウェアパークB3座2F

設立

2007年2月

資本金

3000万人民元

従業員

530名

主な事業内容

成都市のサービス・アウトソーシングの総合窓口会社。国際型IT人材育成、ソフトウェアのオフショアおよび開発、システムインテグレーションで、高い品質とサービスを誇る。教育トレーニング事業を中国全土に浸透させ、サービス・アウトソーシング事業の普及により「世界の500強企業」に躍進するのが目標。

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