2018年5月

タブレット端末+シンクライアント環境+LTE回線が
教育現場でのICT活用推進を力強くサポートする

東京都町田市。東西と南を神奈川県に囲まれ、島嶼部を除けば東京都の最も南に位置する同市は、いわゆるベッドタウンとしての性格を持ちながら、多くの私立大学がキャンパスを構える学園都市の顔も有している。その町田市で、教育現場におけるICT(情報通信技術)の活用が進められている。2017~21年度を対象とする5ヵ年計画の中で、学校現場におけるICT環境の整備を重点課題に挙げる同市は、NTTデータが提案するソリューションを導入。子どもへの教育効果だけでなく、教職員の働き方改革も視野に入れた取り組みを開始した。

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町田市立小山ヶ丘小学校

お客様の課題

  • ICT教育の重要性が高まり、市の計画でも主要事業に掲げていることから教育現場でのICT整備を進めること
  • PCとネットワークが老朽化していたため、端末と通信環境を併せ安価かつセキュリティに配慮して更新すること
  • テレワークができる環境を用意し、教職員の働き方改革を実現すること

導入効果

  • 意見がリアルタイムに反映され、子どもの主体的・対話的な学びが促進された
  • セキュリティを確保したシンクライアント環境の導入で教職員の働き方改革に向けた重要な一歩となった
  • モデル校への導入と今後の展開から経験と知見を集め、将来的な教育施策につなげられる手応えを得た

導入の背景と課題ICTを活用した教育の推進と
教員の働き方改革がテーマ

町田市ではこれまでにも、学校へのPCルーム設置、教室への無線ネットワーク配備、教職員向けPC導入といった取り組みは進めていたが、既存PCや学校内ネットワーク機器は老朽化が見られ、学校現場から改善の要望が届いていた。

2020年度にスタートする新学習指導要領では、小学校でプログラミング教育が必修化される。いまやICTは重要な教育テーマのひとつとなっており、学校にも効果的なICT教育を実践できる施設・設備を備えることが急務だ。一方、いま世間では働き方改革が話題だが、町田市も教職員のワークライフバランスについて改善の必要性を感じていた。現在、教職員が成績処理などの校務を行うには授業がない日にも学校まで来なければならないこともあり、遠方に住む教職員には負担が大きい。ICT導入によりテレワークが可能な環境を整備できれば、教職員の働き方改革にもつながると同市では考えた。

そこで町田市は、市内の公立小中学校全62校にタブレット端末とモバイルネットワーク、およびシンクライアント環境の新規導入を決定。2017年度は小学校・中学校各1校のICTモデル校に先行展開し、翌年度以降、市内全域に順次展開していく方針を打ち出した。

選定ポイント機能・安定性とコストのバランスに加え
セキュリティも重要な要素に

「ICTは日々進化している分野。導入を考えるとつい最先端技術に目が向きがちですが、新しいものは当然ながらコストが高くなります。また、不具合があった場合は現場である程度対処することが望ましいのですが、最先端機器では対応に苦慮することもあるでしょう。必要十分な機能を持ちながら、安定的な稼動を期待でき、セキュリティも担保する安価なソリューションを求めて検討を開始しました」。そう語るのは、同市教育委員会学校教育部教育センターで担当課長を務める林啓氏だ。

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町田市教育委員会
学校教育部
教育センター
担当課長
林 啓 氏

検討の結果選ばれたのが、NTTデータのシンクライアント環境とGoogleのChromebook、NTTドコモのLTE回線を組み合わせたソリューションである。

Chromebookは携帯性にすぐれ、どこにでも軽々と持ち運びできる。ここにLTE回線が加わることで、校舎内だけでなく体育館や校庭、さらには社会科見学といった校外学習でも利用できるのが大きなアドバンテージだ。

教職員の利用を考えた場合も、職員室から教室へ、あるいは必要があれば家庭でも仕事ができるようにすることを想定すれば、Chromebookにはメリットがある。起動が高速、タブレット/ノートPCスタイルを簡単に切り替えて使える、価格が安いなどといった点もポイントとなる。

一方、個人情報を扱うことを考えると、セキュリティは最重要テーマだ。

LTE回線と組み合わせることで全校の無線ネットワーク更新に比べて安価に済む反面、インターネットを経由して個人情報にアクセスを行う可能性がある。その点、端末にデータを残さないシンクライント環境は、LTE回線を経由して個人情報にアクセスした場合でも、通信データは画面情報と端末操作情報のみであり、端末内にデータが保存されることはない。シンクライアントについてはすでに町田市の行政ネットワークでNTTデータの技術を採用しており、両者の間で信頼が醸成されていた点も本ソリューション選定の大きな決め手となった。

導入の流れ子ども向けとして各校に40台ずつ配布
教員用は従来環境の継続利用にも配慮

児童・生徒向けのChromebookは、まずICTモデル校2校(小山ヶ丘小学校、堺中学校)に各校40台ずつを提供。アカウントについては1人1つずつ設定する形を取っている。充電可能な保管庫に収納し、使用する際は保管庫ごと教室などに移動することもできる。

実際の活用においては、Chromebookとインターネットを活用して自ら調べたり意見を書き込んだりできるようにするのに加えて、教材資料や子どもの意見などを表示するために大型提示装置も併用している。ICTモデル校ではこれら機器を活用した授業への取り組みを行っている。

教職員向けChromebookは1人1台ずつ、従来のWindowsPCに置き換える形で導入した。ChromebookのみではこれまでWindows環境で作成した教材データや利用していたアプリケーションを使えなくなるが、シンクライアント環境の導入でそれを解決。

同様に、LTE回線を利用した場合においても、個人情報保護や情報セキュリティを重視しつつ校務を行う必要があるが、シンクライアント環境を利用することで、「データを手元に残さないセキュアな環境」を実現した。

導入効果と今後の展望リアルタイムの視覚的変化が子どもに訴える
教員に働き方の選択肢が生まれたことも評価

3月1日、小山ヶ丘小学校でICTを活用した公開授業が実施された。

6年の片山拓朗先生のクラスでは「資料の調べ方」をテーマに授業が行われた。子どもたちは保管庫からChromebookを取り出し、席に座る。片山先生の脇には先生用のChromebook、背後にはChromebookで共有した画面を表示する大型提示装置のスクリーンが用意されている。

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お互いの姿と先生の動きをつねにキャッチできるよう、机はコの字型にレイアウトされている

この日の課題は「紙飛行機投げ大会の代表選手に誰を選ぶか」。3人の候補選手に関する様々なデータをもとに子どもたちが自分の意見を考え、議論し、グループで発表。選びたい選手に各々投票した結果がスクリーンに円グラフで表示される。他グループの意見を見てまた議論を行い、Chromebookで意見を書き込むと、その意見はリアルタイムで共有される。最終投票を行った結果、中間段階では1票も入っていなかった選手への投票が1位となった円グラフを見て、子どもたちからどよめきが上がった。

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思い思いにChromebookを操り、積極的に授業に参加する子どもたち

片山先生は、Chromebookを駆使した授業を行ううえで「簡単、手軽」を最も大事にしているという。この日の授業を振り返り、「投票の集計結果がすぐに反映され、グラフが変化したのが、子どもたちにとってはヒットだったと思います。紙やペンとは違ってリアルタイムの変化を視覚に訴えられるのが、タブレット学習ならではの瞬発力ですね」と語った。

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町田市立小山ヶ丘小学校
教諭
片山 拓朗 氏

一方、前日に公開授業を行った並木優先生は、担当が2年生ということもあり「とにかく子どもたちが楽しければいいと考えて授業をしています」と言う。ICT導入で学習環境が急速に変化する中、「私たちも勉強していかなければと思っています」と気を引き締める。

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町田市立小山ヶ丘小学校
教諭
並木 優 氏

子どもへの教育効果はもちろんのこと、教職員の働き方改革も目的とするところ。小山ヶ丘小学校の佐野友隆校長は、管理職の立場から「ワークライフバランスが問われる時代に、こうしたICTソリューションによって、教員に働き方の選択肢が生まれたことが画期的だと考えています」と指摘した。

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町田市立小山ヶ丘小学校
校長
佐野 友隆 氏

今回の導入について、町田市教育委員会学校教育部の金木圭一指導室長は次のように語る。

「ICT機器はあくまでツールであり、その活用能力を高めることが主目的ではありません。大切なことは、子どもの学力向上にいかにつなげるか。授業における教員の資料提示、子ども同士の考えの共有などに活用していただくのはもちろんのこと、子どもたちの反応を見ながら、クリエイティブな授業を創りあげてほしいと期待しています。将来は、子どもたちの学習履歴と学習データを連動させることで、一人ひとりに必要な学習情報のおすすめを提供できる環境の構築につなげていきたいですね」

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町田市教育委員会
学校教育部
指導課
指導室長 兼 指導課長
金木 圭一 氏

自治体の全公立学校に対する「シンクライアント環境」「Chromebook」「LTE回線」のパッケージ提供は、全国でも初となる取り組みだ。最後に町田市教育委員会の林課長は、ソリューションを提案したNTTデータに対してこのように期待感を示した。

「今回の導入を通じていろいろな課題を共有し、仕組みをブラッシュアップしていただきたいと思います。将来的にはこのソリューションが全国の自治体で導入されれば、町田市に先見の明があったと確信できるでしょう」

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ICTモデル校の堺中学校で行われたChromebookを活用した授業の様子

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町田第五小学校のChromebookを活用した研究発表会の様子

お客様プロフィール

【図】
お客様名

町田市

市役所所在地

東京都町田市森野2-2-22

市制施行

1958年2月1日

概要

東京都の南端に位置し、細長い市域全体が半島のように神奈川県側に突出している。多摩丘陵の西部から中央部を占める位置に立地しており、東西22.3キロメートル、南北13.2キロメートル、面積は71.80平方キロメートル。市制は1958年2月1日に施行され、東京都で9番目に生まれた都市。古くから横浜に向かう街道は「絹の道」とも呼ばれ、交通の要衝、商都として繁栄してきた。近隣からも多くの人たちが集まり、商圏人口200万人の一大商業都市へと発展している。

ウェブサイト

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【写真】町田市様

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本稿に登場したサービス

学校ICTソリューション

児童・生徒向けには主体的で対話的な深い学びを実現する教育効果、教員向けには教材データ作成・共有や校務処理に役立てる目的で、タブレット/ノートPCスタイルを簡単に切り替えて使える端末を導入。さらにはシンクライアントとLTE回線により、セキュリティを担保しつつ場所を選ばない働き方の実現も目指します。

【図】

学校ICTソリューション

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業種

子どもの安全や親の安心をサポート、 教育現場に先進のITを提供