質問者1

Q12018年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益590億円について、過去2期分の実績と比較した場合、大きな変動要因がない限り、親会社株主に帰属する当期純利益は650億円から700億円程度になると見ているが、それよりも低い予想額となっている理由を教えて欲しい。

2018年3月期予想の経常利益以下の項目においては、2017年3月期に引き続き旧Dell Servicesに係る関係会社再編損の発生を予想しており、特別損失として150億円を見込んでいるためである。なお、特別利益については見込んでいない。
また、2017年3月期は一部において繰延税金資産の計上に関する見直しを行ったことにより、一時的に税金費用が減っているが、2018年3月期はその反動があるため、対前期比で税金費用の増を見込んでいる。

Q22017年3月期の営業利益について、公共・社会基盤分野と金融分野でそれぞれ対前期比32%程度の増益となっているが、一過性の案件や高収益案件があったのかどうか、また増収及び不採算案件の減少の内訳について教えて欲しい。

不採算案件の減少に伴う増益額については、公共・社会基盤分野が40億円程度、金融分野が50億円程度となっている。それ以外は実力値での改善となっている。
案件によって利益率は異なるが、2017年3月期の印象としては、特に公共・社会基盤分野で高利益率の案件が比較的多い傾向にあったと思う。これは一時的というよりも、年度によって多少波があるという範囲の変動だと理解している。

Q3営業利益(のれん償却前)について、セグメント別の増減要因の「その他」について増減額が示されていないが、逆算すると、2017年3月期が20億円程度の損失、2018年3月期が110億円程度の損失を織り込んでおり、その内訳を教えて欲しい。

「その他」については、他の4つのセグメントに分類されていない部分が計上されるが、2018年3月期においては、新規領域への投資として70億円程度を予算枠として計画に反映している。

Q4新規領域への投資は各セグメントに配賦しないのか。

予算としては本社で確保しているが、実績は、各セグメントで生じてくると考えている。

Q5新規領域への投資の計画は、予算バッファ的な性格があるのか。

新規領域への投資の計画は、予算バッファではなくWillである。中期経営計画の発表時にも申し上げたが、2019年3月期に連結売上高2兆円超及び2016年3月期比で調整後連結営業利益額50%増を目標としている。2016年3月期の営業利益は1,008億円のため、2019年3月期に1,500億円という目標になるが、新規領域に対して100億円程度は研究開発等の投資をしたいとも申し上げた。その位置づけとして、2018年3月期は70億円程度を予算化している。

質問者2

Q12018年3月期予想の旧Dell Services等の決算期間統一の影響について、売上高は900億円程度の増収予想とのことだが、その利益影響についても教えて欲しい。

2018年3月期の決算期間統一の影響については、売上高が900億円程度、営業利益(のれん償却前)としては30億円程度を見込んでいる。

Q22017年3月期について、業績予想に対して実績の上振れが大きかったが、その理由を教えて欲しい。国内は全分野で上振れたが、グローバル分野は少し下振れたと思う。得意分野の売上高が想定よりも上振れたことで増益したのか。また、現在、国内のITサービス市場の受注環境は良いと思うが、2018年3月期においても受注環境が変わらなければ、得意分野の売上高が計画より上振れるなど、似たような事象が期待できるか教えて欲しい。

2017年3月期については受注環境が大変良いこともあり、全体的に売上高が伸びた。また、案件によって利益率は異なるものの、不採算案件のコントロールをしっかり実施しており、プロジェクトごとに利益を生み出す体制が整ってきているため、想定以上の増益となったものと理解している。

Q32018年3月期の事業環境も、2017年3月期と同様の状況という理解でよいか。

現時点では、環境的に大きな変化はないと考えている。なお、不採算案件について、2017年3月期は年度初めに80億円程度の損失を見込み、実績としては74億円になった、というような管理だった。以前より申し上げている通り、不採算を連結売上高比0.3%未満とすることがベスト、0.5%であれば経営としてリスクコントロールできている状態であり、悪くても1%程度であれば売上増や管理費削減等でリカバリ可能な範囲であると考えている。2018年3月期であれば、連結売上高が2兆円程度なので、その0.3%は60億円程度になる。
しかし、プロジェクト審査委員会の取組継続もさることながら、根本である各セグメント内部の管理をしっかり行うことが特に重要であるため、それぞれのセグメントにおいて、仮に不採算案件が出ても他の要素でカバーすることにより利益目標を達成する、というマネジメントを目指そうと考えている。よって、2018年3月期においては、不採算案件の損失見込み額をいくら織り込む、というような利益目標設定はしていない。

Q4旧Dell Servicesの状況について、2018年3月期は連結による効果が本格的に出てくる段階だと思うが、アメリカの大統領がトランプ氏に代わり、オバマケアの縮小や「H-1B」ビザの制度変更など、買収を決めた時と比べるとビジネス環境が変化している。ビジネス上の懸念がないのか教えて欲しい。

買収後、旧Dell Servicesには複数回訪問し、幹部とも様々な議論や意見交換をしている。また、先月もワシントンの有識者との会談でオバマケアについてもヒアリングを行った。
オバマケアは、「メディケア(Medicare)」と「メディケイド(Medicaid)」の大きく2つに分かれている。メディケイドとは、アメリカの低所得者層に対する公的医療保険制度であり、加入者数は7,000万人から8,000万人程度もいる。よって、制度変更の影響が大きいため、先日、オバマケア修正法案は一旦取り下げられるなど、スムーズには進んでいない。今後どのような形になるかは分からないが、全くゼロの状態に戻るようなことはないと考えている。
一方、旧Dell Servicesの売上高3,000億円程度の約半分が、病院関係や医療保険関係向けビジネスではあるが、オバマケアの見直しは、これらのビジネスに対して影響を与えないと言っても過言ではない。むしろ、状況変化によって更なる機会が手に入る可能性があり、プラスにはなっても、マイナスにはならないと考えている。
また、旧Dell Servicesはお客様との契約が長期に渡るものが多く、短期的な変動に対して非常に強いビジネスモデルであるとご理解いただきたい。当社は旧Dell Servicesの買収を決める前に、当然デューディリジェンス(Due diligence)を実施しているが、その中で検討した様々なシナジーも、現在の環境変化が問題になることは特段ないと考えている。
さらに言えば、旧Dell Servicesとの重複事業の売却により、2017年3月期に「関係会社事業譲渡益」として27億円の利益を出した。これは、医療機関向けのソリューション事業であるが、旧Dell Servicesと既存のNTT DATA, Inc.が持つソリューションのうち、競争力が高い方のソリューションを残し、もう一方を売却したことによるもの。
このとおり、全て順調に進捗しており、現時点では特に旧Dell Servicesの買収に対する懸念はない。最も重要な課題は、現在Dell Inc.に利用料を支払い使用している社内ITシステムの一部を、約1年半のうちに4回程度に分けて当社サイドに移行することである。最大500人程度が関わる大きなプロジェクトとなっており、これを予定通りのスケジュールや予算で実施することが一番重要だと考えている。

質問者3

Q1グローバル分野について、営業利益が2017年3月期は33億円の赤字だったが、2018年3月期は50億円の黒字に転換する見通しとなっている。営業利益の増減分析について、売上高の地域別動向なども含めて教えて欲しい。

2018年3月期の営業利益の増益について、一番大きな要素は、2017年3月期に一過性の費用として発生していた旧Dell Servicesの買収に係るアドバイザリー費用等の43億円程度がなくなることである。また、旧NTT DATA, Inc.は売上高も営業利益も対前期比でほぼ横ばいの見込みだが、everisやBusiness Solutionsなどでは、売上高、営業利益ともに改善を見込んでおり、EMEAは一時期の業績悪化状態から、既に黒字化を達成するなど徐々に改善しており、それぞれの地域で良くなってきている。それぞれ少額ではあるが、それらの改善の積み上がりでグローバル分野全体の増益に繋がっている。

Q2旧Dell Servicesの買収に係るアドバイザリー費用について、買収後に関連する様々な費用が他にもあると思うが、2018年3月期は全く出ないという想定でよいか。

旧Dell Servicesの買収に係るアドバイザリー費用等は、2017年3月期第3四半期累計で35億円程度、通期でもほぼ変わらない見込みと申し上げたが、第4四半期に追加で費用計上している。よって、2018年3月期にアドバイザリー費用が全く出ないと断定することは難しいが、仮に計上するとしても数億円レベルに留まると見込んでおり、計画上の影響はないと考えている。

Q32018年3月期の旧Dell Services連結影響について、以前はのれん・PPA償却後の営業利益がほぼブレークイーブンという説明だったが、前提の変更はないか。

若干テクニカルな話も含まれるが、まず2017年3月期は、旧Dell Servicesを3カ月分連結しており、その金額は、売上高が700億円程度、のれん・PPA償却前の営業利益が50億円程度と、予定通りの実績となっている。なお、PPAの金額がまだ確定していないため、2017年3月期ののれん・PPAの償却は暫定の見積もりに基づき計上しているが、結果、旧Dell Servicesの連結影響としては、2017年3月期の営業利益として10億円程度の増益効果となった。2018年3月期は、その4倍程度の増益が見込めるという考え方もあるが、PPAの確定や費用増のリスクもあるため、連結通年化の影響としては10億円から20億円程度の増益効果と見ている。全体的には、買収当時の予定に沿った事業運営がなされていると考えている。

Q4連結で見た場合、2018年3月期の売上総利益率が対前期比で低下する見通しとなっている。旧Dell Services の連結影響もあると思うが、改めて利益率が低下する理由を教えて欲しい。

売上総利益率の低下について、若干テクニカルな話になるが、旧Dell ServicesのPPA償却費は、かなりの部分が売上原価で計上されている。したがって、2018年3月期に14カ月分が連結されることにより、売上総利益率の低下という形で効いてくるとご理解いただきたい。なお、不採算案件など別の原価悪化要因は見込んでいない。
さらに、2018年3月期に見込んでいる新規領域への投資70億円程度については、主に販管費の増加として、営業利益率の下降要因となっている。
国内3分野については、2018年3月期も対前期並みの利益率を維持しており、基本的には新規領域への投資と旧Dell Servicesののれん・PPA償却費影響が、全体の利益率が下がる要因である。
なお、全てのプロジェクトにおいては、リスク費というものを必ず織り込んだ原価見通しをしている。一概にどのプロジェクトでリスク費が多い、少ないとは言えないが、そのプロジェクトが非常に順調に推移した場合は、リスク費部分が最終的に売上総利益の増益という形で出てくる。事業計画策定時点では堅めに算定している部分があるということも、利益率低下の要素としてある、とご理解いただきたい。

Q52018年3月期の不採算案件予想は60億円前後のイメージだと思うが、2017年3月期第4四半期に不採算がまた少し計上されていた。60億円レベルに抑制できるのか少し不安に感じるが、どうか。

2017年3月期の不採算額は74億円であった。2017年第2四半期決算発表で不採算額を60億円程度に抑えられる予想と説明していたが、2016年3月期以前に不採算化した案件の追加原価が2017年3月期第4四半期に発生したため、通期で74億円になった。
2018年3月期は、過去の不採算案件の追加原価リスクもほぼ無く、新たな案件に対してはプロジェクト審査委員会等による管理を適切に実行するので、不採算損失額を60億円以内にコントロールすることは可能であると考えている。

Q6旧Dell Servicesを含めた北米全体について、トランプ政権に変わり、外国人向けの「H-1B」ビザ審査が厳格化しており、技術者の派遣を含めてやや不透明感がある状況になっていると思う。どのような状況になっているのか追加で補足説明をお願いしたい。

当社もビザ審査の問題については非常に重要視しているが、アメリカの競合他社と比べて、当社はビザを必要とする人がそれほど多い訳ではない。今後の動向について不透明な部分もあるが、現実的には大きな問題が起こるとは考えていない。
もちろん、旧Dell Servicesを含めてインドに開発要員が2万人程度いるので、その中の何人かはアメリカへ来る際にビザ審査を受ける必要があり、全く影響がないとは言えないが、十分コントロールできる範囲だと見ている。

質問者4

Q12018年3月期の新規領域への投資70億円程度について、今後も引き続き投資していくということだが、ROIなど投資に対するリターンについてどう考えているのか説明して欲しい。

新規領域への投資はM&Aでの投資とは性格が異なるので、R&D経費と考えていただいた方が分かりやすいと思う。R&D経費は様々な使い方があるため、一律に議論ができる訳ではないが、当社は純粋に新しい技術を開発するというよりも、むしろアプリケーション開発によりソリューションを創出することを主目的としてR&Dを実施する。また、単なる投資という言い方では、短期的なROIの概念が重要なもの、という印象も強まるかもしれないので、広い意味での技術開発のための投資と考えていただきたい。
また、新規領域への投資の具体例として、新しいデジタル技術領域においてPoC(Proof of Concept)を実施する、というものが挙げられる。つまり実証実験的なものである。これらは、必ずしも当社が全ての費用負担をするということではなく、お客様にも費用負担して頂いて共同実施する場合や国の予算を使う場合もあるので、一概には言えないが、新しいソリューションを生み出し、それを基に営業戦略を立てて販売していくことを想定している。

Q2新規領域への投資を2018年3月期に70億円程度実施するのであれば、投資以上のリターンがなければ意味がない。それを目指しているという理解でよいか。

ご認識の通り。ただし、普通の投資であれば、例えば3年から5年で回収計画を立てて実施するが、R&D経費は必ずしもそうはならないケースもあることは、ご理解のことと思う。

Q3営業利益(のれん償却前)がかなりの高水準まで上がっており、IFRS導入後の2019年3月期にPPA償却が残るとしても、実態は2018年3月期の予想や中期経営計画の目標以上の状況となっていると考えている。しかし、2018年3月期の予想については、追加的な費用の計上により利益をあえて抑えている印象を受ける。追加的な費用があることをコメントしてまで利益を抑えようとしている背景を教えて欲しい。

当社が利益を意図的に下げようとしていることは全くない。2018年3月期の予想については、当社にとってチャレンジングな目標だと考えている。2018年3月期は旧Dell Servicesの連結影響等により売上高が900億円程度、営業利益(のれん償却前)が30億円程度伸びる予想のため、利益が出ている印象があるが、一過性の要素であると考えていただきたい。当社は中期経営計画として連結売上高2兆円超、2016年3月期比で調整後営業利益額50%増を2019年3月期の目標にしており、その達成のために努力している途中である。新規領域への投資についても2018年3月期は70億円程度を計画しているが、競合他社と比べてまだまだ足りないと考えている。
当社がGlobal 3rd Stageに到達した時にどのようなプレーヤが競争相手になっているのかはまだ分からないが、アメリカの競合他社は多額のR&D投資を実施している。そのレベルと比べると、当社は桁が1桁違うぐらいのR&D投資をしないといけないくらいだと考えており、利益を抑えるために計画している訳では決してないことをご理解いただきたい。