質問者1

Q12017年3月期上期実績について、営業利益が対前期比で142億円増と非常に大きい数値となっているが、要因を教えてほしい。また、2017年3月期上期の収益性は下期も維持できるのか。

増益要因として一番大きかったのは、不採算案件の減少である。2016年3月期上期においては、不採算による損失が107億円発生したが、不採算案件を発生させないようコントロールすることで、2017年3月期上期においては33億円程度の損失に抑えられた。
また、増収による増益に加え、各種案件の利益率改善等も営業利益を押し上げる要因となった。他にも、欧州子会社の決算期統一による連結期間増など、複数の要因が重なった。
2017年3月期下期の見通しについては、例えば、電力の自由化によるユーティリティ業界向けの制度対応等の大規模なIT投資が一段落することから、減収となる見込みである。このように、いくつかのマイナス要素があるため、営業利益は期初の設定どおり1,050億円で据え置いているとご理解いただきたい。
なお、不採算案件について、年間80億円程度を経営のリスクバッファとして織り込んでいたが、2017年3月期上期で33億円程度に抑えられたということを踏まえ、20億円程度減額し、年間60億円程度には抑えられるのではないかと見ている。ただし、今後工程が進むことで新たに発生するリスクはいまだ残っているため、予断を許さず全力を挙げて対応していく。

Q2Dell Services部門買収について、2017年3月期において、PLへ連結する期間はどの程度か。

Dell services部門は1月決算であり、11月・12月・1月の3カ月分を当社の2017年3月期に連結する見込みである。

Q3Dell Services部門買収について、売上高営業利益率が7%とのことなので、営業利益は200億円程度だと考えてよいのか。

当社グループ傘下となることで発生しなくなる費用もあることから、おそらく7%程度の営業利益をあげる実力があると見込んでいる。

Q41. Dell Services部門買収について、アドバイザリー費用等が年間20億円とのことだが、四半期毎でどの程度の影響か。

アドバイザリー費用等は、2017年3月期上期に10億円程度発生しており、下期で残り10億円程度を見込んでいる。

2. 2017年3月期第1四半期にも10億円程度発生していたと記憶しているがどうか。

2017年3月期第1四半期では、いろいろな費用をまとめて把握して10億円とお伝えしていた。今回改めて、営業費用として見るべきもの、特別損失として見るべきもの、に分類し再整理をした。その結果、2017年3月期上期では、営業費用として見るべきものが10億円程度、特別損失として見るべきものが20億円程度となった。2017年3月期通期では、営業費用で見るべきものが20億円程度、特別損失として見るべきものが140億円程度となる見込みである。

Q51. Dell Services部門買収について、2017年3月期ののれん・PPA償却費が3ヶ月で50億円程度とすると、年間200億円程度だと考えてよいのか。また、のれん償却費とPPA償却費とに分けるとそれぞれどの程度か。2019年3月期からのIFRS適用以降も償却が必要な資産がどの程度残るのか教えてほしい。

Dell services部門買収にあたり、一番不確定要素が多いのが、のれんとPPAの金額及び配分である。これはかなりの期間をかけて手続きを行い、第三者の評価を受けて決まるものであるため、現時点で確定していない中での見込みであり、若干ぶれる可能性がある。現時点の前提では、2017年3月期において、合わせて50億円程度と見込んでおり、このうち、のれん償却費が20億円、PPA償却費が30億円程度と見込んでいる。

2. 全体で無形資産というのはどのくらい発生するのか。

まさにその部分がPPA償却費確定の手続きの中で決まるものである。現時点でDell services部門が持っている無形資産や、買収後の開始BSを確定する手続きの中で決まる無形資産もあるため、そこも含めてこれから算定をしていく。

3. PPA償却について、例えば5年の級数法など、いろいろな方法があるが、どういった考え方で今回の数値を算出しているのか。

そちらについてもPPA償却費確定の手続きで決まるものである。まず、のれんと無形資産への配分というのが大きな要素であり、それから無形資産の種類毎の償却年数を決める。これがまさにPPA償却費確定の手続きであり、算定には時間がかかるとご理解いただきたい。
また、無形資産の種類も、例えば顧客基盤といったユーザーとの関係や、受注残高、それ以外にも資産として見るべきものがあるかもしれない。そういった資産の種類毎に適切な償却年数を決めるということを、これから実施していく。多少ぶれていく可能性があるが、2017年3月期への連結影響は3カ月分だけであり、それほど大きく上下することはないだろうと考えている。

Q61. Dell Services部門買収に伴う社内ITシステム整備費用として、100億円程度発生するとのことだが、2017年3月期・2018年3月期にそれぞれどの程度PL影響があるのか。資産計上するものもあるのか。

Dell Services部門買収に伴う社内ITシステム関連費用は、大きく3種類に分けることができる。一つ目は、Dell社本体からシステムを買い取る費用であり、これは既に買収費用に含まれている。二つ目は、Dell社の社内システムを、引き続きNTT DATA Servicesが使わせてもらう利用料である。これについては、PL影響があるが、現在の収支の中に織り込んで考えている。したがって、先ほどお伝えした営業利益率7%程度は、当該費用を含んだ上で算定している。
三つ目は、Dell社の社内システムを使わせていただく期間が限定されているため、その間に当社グループのシステムへと移行するための費用であり、これは一時費用として特別損失として計上される。先ほどの100億円程度というのは三つ目の費用に該当する。

2. 三つ目の費用については、特別損失として計上されるため、営業利益への影響はないという理解でよいか。

そのとおりである。

Q7中期経営計画の営業利益目標値について、仮に2017年3月期が1,050億円だとすると、2019年3月期で1,500億円と、450億円伸びることになるが、その増加要因を教えてほしい。

まず、2019年3月期よりIFRSへ移行することにより、のれん償却費の負担がなくなることが営業利益増加要因の一つとして挙げられる。現時点で正確な数値はお伝えできないが、2017年3月期ののれん償却費は、Dell services部門ののれん償却費(連結期間3ヶ月分)込みで年間170億円程度を見込んでおり、この分ののれん償却費負担がなくなる。
加えて、2017年3月期より減価償却方法を定率法から定額法へ変更していることによるプラス影響が出てくることが挙げられる。一度償却負担が減った後、その影響は逓減していくため、あくまで一時的なものであるが、2019年3月期において、数十億円程度のプラス影響があると見込んでいる。
また、のれん償却費及びPPA償却費によって変わってくるものの、Dell services部門買収により営業利益(のれん・PPA償却前)で200億円程度を見込んでおり、そこからPPA償却費を差し引いた利益がプラス要素である。それ以外については、国内及び海外でのオーガニックグロースをどれだけ伸ばせるかというところで埋めていく。なお、500億円から1,000億円規模のM&Aも可能だと考えており、総合的な判断をして見極めていく。

Q8研究開発投資増として100億円程度予定しているとのことだが、今後3年間のNTTデータの稼働率はかなり高いと想定されるため、研究開発活動を大幅に増やすことは難しいと考えている。研究開発投資増を100億円規模で実施することは可能なのか。また、具体的にはどのようなものに使う予定なのか。

当社は、NTTのような純粋な研究開発も一部あるものの、ほとんどが応用開発に近いものである。
研究開発投資を大きく分けると二つあり、一つ目は、ソフトウェア開発手法のディベロップメントである。日本、アメリカ、ヨーロッパが、それぞれの開発方法論を持っているが、今年度から当社のグローバル標準の開発方法論の整備を進めている。
二つ目は、お客様と先行的に新しいビジネスモデルを実現するようなプルーフ・オブ・コンセプト(PoC)などであり、これらが100億円程度の増額分の内訳である。例えば、クラウドサービスの強化などpivotalやVirtustream等とアライアンスを組んでいる。なお、AIのディープラーニングのように、大学などの学術機関と共同で実施する純粋な研究ももちろん含まれている。
私の個人的見解としては、もっと増やしたい。現在の3倍、あるいは5倍ぐらい研究開発投資に使ってもよいと考えているが、キャッシュ・アロケーションのバランスを考えた結果、今の計画を立てたとご理解いただきたい。

質問者2

Q12017年3月期上期実績について、セグメント毎の利益増要因、不採算案件減少によるものや利益率改善といった理由について教えてほしい。また、それらの案件構成や今後の見込みについても教えてほしい。

不採算案件の減少について、不採算による損失は、2016年3月期上期107億円に対し、2017年3月期上期が33億円程度なので、大幅に減少している。2016年3月期上期は公共・社会基盤分野での発生額が大きかった。2017年3月期上期の不採算による損失も、比較的この分野が大きいため、70億円強の減少がすべて公共・社会基盤分野に入っているわけではない。
利益率改善については、採算性の比較的良い案件が2017年3月期上期にいくつかあったためである。なお、そのような案件は、2017年3月期下期は無くなる見込みである。

Q21. 受注について、国内は好調、海外も為替の影響があっても非常に好調だが、お客様側の足元のIT投資に対する考え方についてはどのように見ているか。また、これだけ受注残高が積み上がってくると、来期以降の見通しも上がってきているかと思うので、お客様側の発注の動向と、来期以降のNTTデータの売上の見通しについて、どのように見ているのか教えてほしい。

セグメントによってかなり異なるが、公共・社会基盤分野は2016年3月期において、システムの更改受注の時期が重なったが、我々は確実に獲るべき案件を獲ってきた。2017年3月期は、その反動減でかなり落ちるであろうと思っていたが、案外好調である。新しい案件を獲れているのも、公共・社会基盤分野である。ただ、公共・社会基盤分野全体の総量的な予算は変わらないので、公共・社会基盤分野だけで急成長するということはなく、限られたマーケットサイズの中で案件を確実に獲っていくことが必要である。特に我々は、過去から長く公共・社会基盤分野の案件を手がけているので、継続的な案件を確実に獲りつつ、例えばマイナンバーのような新しい案件が出てきたときにも獲得できるよう動いており、その結果2017年3月期は順調に成果があがっている。
金融分野は、個別金融機関の共同センタなどの強みを持っているので、今後も受注は見込めると思っている。しかし、2017年3月期の受注増の主な要因は、2018年3月期に受注するだろうと思っていた大規模な案件が前倒しで契約できた、というものであり、受注環境自体が良くなったとは捉えていない。ただ、金融分野で1つ特徴的なのは、Fintechがものすごい勢いで来ていることである。それ程、規模は大きくはならないものの、全ての金融機関と言ってよいくらい、Fintechあるいは保険業界ではInsTechを推進していこうとしているので、新しい芽が出てくることは事実である。
法人・ソリューション分野は、決済インフラ領域において、グローバルでかなり大きな変化が起き始めている。例えば、Fintech関連企業トップ5のうち4つ程度はAlipayなどの中国企業である。決済インフラ領域は当社の強みがある領域であるため、こういった企業との連携を日本のマーケットでも進めていきたいと考えている。
また、特に製造業を中心として、従来のSAPが、例えばオンプレミスからクラウドに移行することや、従来個別に作っていたシステムをSAPに乗りかえるといった、第2のSAPブームとも呼べる動きが顕著になっている。人手不足により全部お受けできないような状況すらあるが、当社としても法人・ソリューション分野をもっと強くしたいというのがかねてからの願いであるため、特に注力していきたい。
グローバル分野は、特にヨーロッパ・アメリカにおいて、順調に受注・売上が伸びてきている。everisについては、おそらくスペイン経済の回復が寄与していると考える。また、イギリスは、Brexitの影響に注視する必要があるが、少なくとも足元を見る限りでは順調に推移しているため、しばらくは今の状態が続くと考えている。ただし、ラテンアメリカと東南アジアについては、いろいろな動きがあり、注視していく必要があるマーケットであると認識している。

2. 製造業の投資について、為替影響等で非常に厳しい状況になっていると思うが、製造業全体としてIT投資の中身はどういった動向になってきているのか。レガシーであるメインフレームシステムの更改なのか、それともデジタル案件が積みあがってきているのか。

製造業といってもいろいろであり、投資の中身は様々であるが、取り組みに対する意欲は感じている。やはりデジタルの時代になり、新たなIT投資を打っていかないと取り残されてしまうということがわかっている企業はよく考えておられる。あとは円高を含めた全体の影響とどうバランスをとるかの問題だと考える。

Q31. Dell Services部門買収について、シナジー効果は、中期経営計画の数値にどの程度含まれているのか。

当社として、北米をもっと強くしたいという思いがある。北米は非常に大きなマーケットであり、現在のNTT DATA, Inc.では、0.5%程度のマーケットシェア、売上高ランキングは40位程度となっているが、Dell Services部門を含めると、20位程度まで上がってくるレベルとなる。また、Dell Services部門の中核となっているのが北米でよく知られていた旧Perot Systemsであったことから、特に北米企業の人々に対して、"NTT DATA"というブランドをかなり大きく植えつけることができると考えている。加えて、我々が以前から伸ばしたかったヘルスケア業界向けビジネスが、Dell Services部門の最有力事業であるなど、現在のNTT DATA, Inc.と、Dell Services部門との間で、マーケットが重複しているところよりもむしろ補完する領域のほうがはるかに大きいことから、大いに期待している。

2. 今回はカーブアウトのM&Aであるが、オペレーションあるいはマネジメントをどう考えていくのか。どのようにアメリカ事業を統括していくのか。

今回はカーブアウトのM&Aであり、非常にマネジメントとしては難しい。ITシステムを含めて2年間程度の移行期間がかかると見ており、移行期間中は、現在のDell Services部門と同じ体制、つまりアメリカ以外も含めて、現在の北米のNTT DATA Servicesというエンティティの中でマネジメントしていく。また、ITシステム統合も含めた基本的なポストマージャーインテグレーション(PMI)のプランを作成し、それに基づいて着実に実行していく。こういった大規模なM&Aにおいては、従業員のリテンションと、お客様に対するいわゆるチェンジ・オブ・コントロール(資本拘束条項)に対しての理解を求めることが非常に重要だが、基本的にいずれも全く問題なく進んでいるためクロージングできた、と考えていただいてよい。今後2年程度かけてPMIを進める中でその先のマネジメント体制等を考えるが、当面はNTT DATA, Inc.でコントロールしていく。

質問者3

Q1プレゼン資料24ページの中期経営計画目標値について、「調整後連結営業利益額の50%増」というのは、どこをスタートラインとしてなのか。

2016年3月期の営業利益1,008億円をベースとして、50%増を目標としている。ただし、この1,008億円にはのれん償却費が入っているが、2019年3月期はIFRSに移行しているため、のれん償却費は発生しない。のれん償却費がなくなる影響も含めて、2016年3月期実績比で50%増を目指している。

Q22016年3月期実績比50%増の営業利益額は約1,500億円、新規領域への投資増を100億円強目指すとなっている。ここまでの説明で、のれん償却費がなくなる影響で150億円程度、Dell Services部門買収影響で200億円程度となるとのことだが、仮に2017年3月期予想の営業利益1,050億円から計算すると、1,050億円に350億円を足して1,400億円になるので、達成は容易だと思うが、どうか。

2016年3月期実績がスタートラインなので、1,008億円に既存ののれん償却費がなくなる影響150億円、Dell Services部門買収影響(営業利益寄与)が200億円、ただしPPA償却費がそれなりの額になると見ており100億円強を考えると、今見えているものだけだと1,250億円程度となり、200億円以上はオーガニックグロースを含めた利益成長がないと1,500億円は達成できない。もちろん、オーガニックグロースだけではなくM&Aも考えていく。

Q3前の質疑応答で、法人・ソリューション分野の受注がSAP等で増えているとのことだが、他企業の話を聞くと「今まで個別最適でやってきたものが全体最適になってきている」という話を聞く場合が多い。NTTデータはSAP専業の海外企業を買収してきているので、そのシナジー効果によって"全体最適"案件を受注できているということか、それとも個別に各国で、製造業の受注が増えているのか、どちらなのか教えてほしい。

法人・ソリューション分野は確かに受注が増えているが、SAPだけに限った話ではない。また、我々はお客様のニーズ全部を拾いきれていない。拾いきれたらもっと受注は増えていると私は思っているが、弊社もリソースには限りがあるので全部を拾いきることは難しい状況である。
我々はSAPビジネスについてはワールドワイドでソリューション部隊を有しているので、そのシナジーというのはある。ただ、日本のマーケットでそのシナジーがすごく効くかというと、それほどでもない。むしろ、グローバルカンパニーにおいて世界中でSAPシステムを統一化していく、というような案件ではシナジー効果が大きく出ている。また、東南アジアでもシナジー効果が出てきている。

Q4SAPビジネスのシナジー効果が出ているような案件は、日本から海外進出していったお客様からの受注ということか。

それもあるが、日本のお客様に限らず、海外のマルチナショナルカンパニーも多い。

質問者4

Q1Dell Services部門買収について、ヘルスケア業界が非常に強いとのことだが、売上全体の中でヘルスケア業界向けはどれくらいを占めているのか。また、具体的にはヘルスケア業界向けにどのような事業をやっているのか。また、そのビジネスは、日本など他の国のNTTデータの既存事業に横展開できるのかを教えてほしい。

病院や医療保険といった業界に大きいお客様がいる。横展開できるかといった点については、これから詳細な戦略検討を進めていくが、日本でもワールドワイドでも展開できるものはあると思っている。Dell Services部門の売上のうち、ヘルスケア業界向けが占める割合は、45%ぐらいである。

Q2Dell Services部門について、3月に開示された資料で、過去3年間の売上があまり伸びていないというか、若干減っているように見えるが、この辺をどう捉えているのか。また、NTTデータに移って、売上を伸ばしていくことは可能なのか、それとも利益率を高めていくことを当面重視するのかといった、目論見を教えてほしい。

過去3年間の当社グループに入る前の話についてだが、増収よりも利益率を上げることを重視してマネジメントしていたのではないかと想定している。現在は一定の利益が出るようになったことと、特に北米マーケットにおいて、NTT DATA, Inc.と顧客がバッティングしないこと、事業の柱がいくつもできること、ソリューションも補完関係にあることで、シナジーが見込めるため、今後はトップラインについても上げていけると考えている。

Q32017年3月期上期の既存のグローバルビジネスについて教えてほしい。10億円程の買収に係る費用を除くと、対前期比で20億円ぐらい利益が改善しているように見えるので、その改善要因を教えてほしい。

グローバル分野の2017年3月期上期業績について、まず受注は、電車・バスなどの電子乗車券のシステムといった非常に大きな案件をオーストラリアで獲得できた。売上と利益については、どの地域でどの案件といったように突出していたものがあるのではなく、北米もEMEAもeverisも、万遍なく順調に伸びてきている。