質問者1

Q1海外事業について確認したい。
上期のEMEA・中南米分野における受注高、売上高、利益が対前期比で伸びているのは欧州が好調であるとの事だが、特にどの領域が伸びているのか。
一方で北米分野は、まだあまり伸びが見られない状況である。受注のパイプラインは増加しているとのことだが、業績に表れてくるのはいつ頃なのか教えてほしい。

EMEA・中南米分野については、営業力強化を継続して進めており、everis、EMEA、 Business Solutionsの3社とも増収である。欧州を中心に、例えばイタリアのテレコム領域やスペインのバンキング領域等が大きく伸びている。
北米分野については、業績回復の兆しが出てきている。第2四半期においてはヘルスケア領域の新規のお客様から3桁億円規模の案件を受注しており、今期受注高の実績を四半期単位で比較すると、第1四半期(3カ月)の695億円から第2四半期(3カ月)の879億円へと184億円増加している。下期以降に、これまで実施してきたイノベーション投資や営業力強化等の施策の効果が本格的に出てくると考えている。

Q2公共・社会基盤分野の不採算案件について、前期の引き当て時には、大変難易度が高い案件だが今期中にはある程度目処が立つとの説明があったが、その状況に変化はないか。最終的なサービス開始時期はいつ頃なのか。

本案件は今期及び来期以降にかけて段階的にサービス開始をする案件である。前期も不採算案件として引当金を計上しているが、前期の発生要因は性能問題であり、今期の発生要因は品質問題である。
当該システムは、複数システムとの接続が必要かつ、データバリエーションが非常に複雑という特徴があり、アプリケーション、システム基盤とも非常に高難易度のプロジェクトである。今回、不採算額を計上したが、現在、体制も強化した上で、全社を挙げて対応しており、可能な限り不採算額の最小化、拡大抑止に取り組んでいく。

Q3前期の引き当ての要因となった性能問題は解決したのか。
また本案件は今後段階的にサービス開始するとのことだが、今回引き当ての要因となった品質問題を含む部分のサービス開始はいつ頃か。今回の部分が解決すれば、今後ある程度の追加引き当てのリスクが無くなるという理解でよいか。

性能問題については現時点で分かっているものは洗い出して解決をしている。品質問題については、今期サービス開始する部分について、現在最終的な確認を行っているところである。
今期以降、段階的にサービスを開始していく中で、まだ開発が必要な部分も残っているが、データバリエーションの特殊性等に起因する課題の基本的な部分については、今回きちんと確認、解決をしていくことで、今後の不採算額の発生リスクを最小限に抑止していくよう、しっかりと取り組んでいきたい。

Q4上期の業績は、不採算の影響を除くと全体としては好調であり、不採算による利益への影響を吸収できていると思う。まだ不透明な部分もあるとは思うが、通期業績予想の達成に向けて、不採算は下期以降も全社の利益の中で吸収できる範囲という理解でよいか。

そのように考えている。

Q511月6日にNTTからNTTグループの次期中期経営戦略が発表されると思うが、NTT東日本、NTT西日本は構造改革が一巡しており、NTTコミュニケーションズは固定電話のIP化に伴いその役割が小さくなると考えている。また、NTTドコモは今後減益が見込まれている。
このような状況を踏まえると、NTTグループが成長する上で、NTTデータが担う役割は大変大きいと考えており、これまで以上にNTTグループとの密接な連携が必要になると思う。
これからNTTデータはNTTグループの中においてどういう協力体制でシナジーを発揮していくのか。

グローバル持株会社創設後の新しい組織体制や戦略は、11月6日にNTTから発表があると思うが、我々としては現時点で大きく4つのことを考えている。
まず、来年、NTTコミュニケーションズとDimension Dataが統合され、両社がそれぞれ展開しているデータセンタ・クラウド・ネットワーク等のサービスブランドが徐々に統合されることで、統合後の事業がグローバルで大きく強くなる。一方当社は、アプリケーションや基盤を含めたシステムインテグレーションを営んでいるが、これからデジタル化が加速していく中で、IoT(Internet of Things)、IoE(Internet of Everything)によって全てがつながるようになることを踏まえると、これまで以上にNTTグループの連携を強化することで、我々のつなぐ力が高まることは大きなメリットとなる。日本や世界で戦っていく上で、トータルサービスのビジネスを拡大していくために、これまで以上に連携を強くしていくことで、NTTグループとしてのビジネスも拡大させていきたい。
2つ目は、各事業会社それぞれにお客様がおり、そのお客様へNTTグループ全体でサービスを提供するクロスセルを従来以上に加速していくことで、それぞれのビジネスを拡大させることができると考えている。
3つ目は、デジタル化が加速している中で、新しい技術を活用したソリューションやサービスをNTTグループとしてグローバルに作り込んでいく動きが加速していくことは、当社にとってもメリットであると考えている。
4つ目は、グローバル調達会社を通じて、今後、一部の機器が低価格で購入可能になるため、この点でもメリットが出てくると考えている。
今後はこれらの4点について、メリットを具現化させていくことを考えている。

質問者2

Q1北米分野の受注高について確認したい。
ヘルスケア領域において3桁億円規模の大型案件が獲得できたとのことだが、それでも第2四半期(3カ月)の受注高は対前期比で10%以上減少している。これは、複数の大型案件や新規案件を獲得していかないと対前期比で増加しない状況だということなのか。

北米分野の受注高について、通期業績予想が対前期比534億円の増加に対して、上期実績が対前期比360億円の減少となっていることが質問の背景にあると思うが、当初より上期の受注高は厳しいと見ていた。
ただし第1四半期と第2四半期の3カ月毎の受注高の実績を比較すると、180億円程度増加しており、良い兆候が出てきた。また、受注に向けたパイプラインの量や進捗状況を含めた質は、この3カ月でも着実によい傾向になってきている手ごたえを感じている。
パイプラインが実際に受注高として表れるのは下期以降になると見ており、我々としては下期にどれだけ受注獲得ができて、通期業績予想に近づけることができるのか注視している。
また、全体の傾向としては、これはアメリカだけではなく全世界で起きていることだが、顧客にはIT投資を可能な限りデジタル領域に使う傾向があり、そういった領域や柔軟性・スピードが必要となる攻めの領域は内製化する傾向がある。加えて既存システム領域では可能な限りコストダウンしたいという傾向が以前から出てきている。既存システム領域のコストダウンについては、例えば自動化等の技術強化に向けてイノベーション投資を行い、競争力を強化する取り組みを進めてきた。また営業力の強化も行ってきており、その成果として先ほど紹介したヘルスケア領域の大型案件が獲得できている。当該案件は旧NTT DATA, Inc.のアプリケーション領域の強みと、旧Dell Services部門のITアウトソーシング領域の強みの両方が掛け合わさって受注できたものであり、当社にとって非常に価値があるものである。
第3四半期以降も引き続きイノベーション投資や営業力強化を推進し、このような効果が発揮できるようにしっかりと取り組んでいきたい。

Q2上期の北米分野における利益率は、PMI及びリストラ費用の影響を除いて見ても、営業利益率で1%程度、EBITAマージンで4%程度という状況である。
今後パイプライン上にある最新技術を使った様々な案件が獲得できてくると、利益率は相当改善する余地があると考えてよいか。

海外事業は営業利益率よりもEBITAマージンで評価いただきたい。
ご認識のとおり、第1四半期まではある程度PMI及びリストラ費用が発生していたことにより、EBITAマージンが若干低くなっているが、下期はPMI及びリストラ費用が対前期比で100億円程度減少するので、この分については確実に改善する。
また、受注高、売上高の拡大による利益改善については若干時間を要すると思うが、確実に回復の兆しが出てきている。
加えて、第1四半期にPMIが完了し、間接部門の効率化等の取り組みを始めているが、第2四半期でもすでに販管費の減少効果が出始めており、この取り組みは下期のコスト改善にも貢献してくる。
北米分野の利益はこのように短期的にも改善傾向にあると見ているので、次期中期経営計画においても相当な水準までの回復をめざす方向で今後検討していきたい。

Q3北米分野のEBITAマージンは自然体では4%程度という説明が以前あったが、その状況に変化はないか。

今期の通期業績予想は変更しておらず、北米分野の予想EBITAマージン3.1%からPMI及びリストラ費用を除けば4.4%程度で、この水準までは確実に上昇すると見ている。
加えて第2四半期から取り組んでいるコスト改善等の取り組みは、来期からは通期で利益貢献すること、PMI費用は来期以降無くなることから、EBITAマージン4%は自然に出せる水準であり、今後はそれ以上の水準に徐々に上げていきたい。

質問者3

Q1上期の北米分野における受注高について、社内の計画と比較して想定通りなのか、それとも下回っているのか。下回っている場合は、その理由を教えてほしい。
また、パイプラインが増加していて、かつ質も改善していると説明があったことから、通期業績予想を上回る可能性もあるという見方もできると思うが、達成のためには下期は対前期比で大幅増とする必要があることから、通期業績予想を下回るリスクを考えておいたほうがよいのか教えてほしい。

上期の北米分野の受注高については、社内の想定と比較しても下回った実績であった。
第1四半期の決算説明会で4件の大型案件の受注時期が第2四半期以降にずれ込んだと説明したことについて補足すると、1件は第2四半期で受注できている。残り3件について、1件は第1四半期の時点で下期に受注時期がずれ込んでいたので想定どおりであるが、他の2件は、第2四半期において受注時期が下期にずれ込むこととなった。ただし受注に向けたステータスとしては、それぞれ良い状況にある。
通期業績予想を達成するためには、確かに相当のリカバリーが必要であり、厳しい状況にあるのは事実である。
ただし第2四半期における新規のお客様からの大型案件の受注等、良い兆候も出始めていること、長期に渡る受注活動が必要な大型案件もあることから、パイプラインの量やステータスをしっかりと管理することが大事であると考えており、ある程度長期的に見ていただければと考えている。
なお、売上高の上期実績は社内の想定と比較して、予定通りの進捗である。

質問者4

Q1北米分野の受注計上のタイミングが想定よりも遅れているとの説明だが、何か特定の構造的要因はあるのか。例えば、貿易戦争等で北米企業の収益が悪化しており、受注サイクルが長くなるケースが多いというような、事業環境のリスクはあるか。またその対策について教えてほしい。

足元の北米の経済状況は非常に堅調だと認識している。我々は数多くのパイプラインを抱えているが、その中には非常にコストに敏感なお客様との契約交渉が大きく長引くような案件など、様々なケースがある。
当社としては、大型案件を中心に1つ1つの案件やお客様の特性を考慮しながら適切に対処をするといった、きめ細かいマネジメントを行っていく。

Q2決算説明会資料17ページにある地域別、国別のシェアについて、NTTデータは新興国市場で比較的大きなシェアを持っている。現在アメリカを中心とした金利上昇等もあり、新興国市場の為替は大きく動いているが、新興国市場の受注環境について、どう見ているか。

案件1つ1つを見ても利益率が低くなっているということは感じておらず、特にEMEA・中南米分野の3社は、前期に引き続き好調である。特にスペインの会社等は、お客様との長期的な関係を維持しており、取引規模も拡大している。今のところ市場環境が当社ビジネスに悪影響を及ぼしているとは感じておらず、現時点では心配していない。
EMEA・中南米分野は非常に高い水準で成長しているため、この水準の伸びを長い期間継続させるのは難しいかもしれないが、少なくとも今期の受注高及び売上高は増加の傾向を継続できると考えている。
中南米は前期から進出を本格化したところであり、現時点では欧州の割合が大きいが、中南米でも今期から着実に案件が獲れてきている。利益率は、中南米と欧州を比較してもあまり差がない印象であり、極端に悪い案件を受注している状況ではない。全体としては欧州、中南米のどちらも良い案件が獲れている。

Q3海外ビジネスで更にシェアを獲得するためにM&Aを引き続き行っていく考えだと思うが、
M&Aの対象が成長市場の企業であれば、当然バリュエーションは高めになると思う。この点はNTTデータの過去の経験からすると課題の1つでもあるため、現時点の状況、考え方を教えてほしい。

我々の強みをより強くしていくという観点で今後もM&Aを検討していくが、基本的にフリーキャッシュフローの範囲内でM&Aを行うという従来からの方針を大きく変えることは、現時点で考えていない。
対象としては、例えば我々が強みを持つヘルスケア・金融・自動車・ユーティリティ・テレコムといった領域を強化できる企業や、上流工程やデジタル領域の対応力、ソリューションサービスを生み出すためのインテグレーション力を持つ企業等が挙げられる。これらを総合的に勘案して、M&Aを推進していきたい。

質問者5

Q1NTTデータはCAFIS(Credit And Finance Information Switching system)という既存の重厚かつ磐石なキャッシュレス決済のインフラを持っているが、他事業者の中にはCAFISを迂回した決済システムを構築したいと考えている事業者もいると思う。今後の決済ビジネスにおける考え方を教えてほしい。

年々CAFISのトランザクション数は伸びている。クレジットカード決済、デビットカード決済等が非常に伸びていて、月間トランザクション数が7億件を突破している。
その上で、更にCAFISをご利用いただくために、我々は大きく2つの施策、戦略を考えている。
1つ目は、我々が相互連携と呼んでいるものである。現在、LINE Payや日本以外でもAliPay、WeChat Pay等、多様で高度な決済事業者が出てきている。我々のCAFISは、すでにカード会社約120社、加盟店約2,000社、金融機関約1,500拠点とつながっているので、これを新しい事業者の方々にご利用いただくことを推進している。その結果、加盟店にとっても様々な決済手段が利用可能となることで利便性が高まり、新しい事業者にとっても容易にサービス提供が可能となる。
2つ目は、CAFISをよりご利用いただくために、CAFIS自体も変わらなければいけないと考えており、新しい様々なサービス追加を行っている。クレジットカード決済、デビットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済、スマートフォン決済等の様々な決済に対応しており、またポイント管理も可能である。このような新しいサービスをいち早く提供してご利用いただき、トランザクション数を伸ばしていきたい。
日本のキャッシュレス決済比率は20%未満であり、韓国の89%等、諸外国と比較すると遅れているのが現状である。2018年10月に一般社団法人キャッシュレス推進協議会の創立大会が行われたが、政府としては早く40%に上昇させ、将来的には80%に持っていきたいと考えている。このようにキャッシュレス決済比率を高めようという動きがあるが、そのためには少額のキャッシュレス決済に対してどのような仕組みで加盟店が対応できるようにするのかを考える必要がある。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、訪日観光客も増加する中で、少額決済をどうやって増やしていくのかが最大の課題だと思う。我々もCAFISのビジネス拡大だけではなく、日本のキャッシュレス決済比率を高めていくために、色々と貢献をしていきたいと考えている。

質問者6

Q1北米分野の受注について、期ずれが発生している案件は、今期中に受注できる予定だと考えてよいか。

その予定である。

Q2決算説明会資料6ページの受注高の説明において、北米分野は「金融向けサービス等での一過性の減」と記載があるが、これは前期に大型案件を受注したことによる反動減という理解でよいか。

そのとおりである。

Q3北米分野における前期の大型案件の反動減影響はどの程度か。この大型案件の反動減影響を除くと、受注高は対前期比で増加しているのか。

北米分野の事業は大きく、多種多様なお客様、事業分野があることから、1つの要因で状況を説明するのは非常に難しい。
前期の上期は、金融分野において更改案件の受注が多かったことから、結果として反動減となったということである。
また確かに前期の上期においても200億円程度の大型受注はあったが、他にもプラスの要素、マイナスの要素が色々あるので、一部の事象だけでなく、全体を見る必要がある。
上期の受注高は対前期比で減少となっているものの、パイプラインは拡大しており、かつ質も高まっていることから、今期中にはかなり回復した実績をお見せできるのではないかと考えている。

Q4上期の北米分野における利益率を踏まえると、下期の利益率をかなり改善させないと、通期業績予想達成は難しいと思うが、下期以降に受注時期がずれ込んでいる案件は、利益率が高い案件なのか。

北米分野の利益率という観点では、受注済みの案件と今後受注見込の案件で、全体の傾向として大きな差はなく、利益が確実に確保できる案件を受注しているというのが前提としてある。
一般的な傾向としてはインフラ系のITアウトソーシング案件だと若干利益率は下がり、コンサルティング要素が高い案件だと利益率が高いといった傾向はあるが、案件によって異なり、全体的にもばらつきがあるので、一概には言えない。ただし、例えば販管費込みで採算が取れないような案件はほとんど獲得していないので、安定的に利益を確保できると見ている。
またEBITAの通期業績予想は130億円で、マージンとしては3%程度である。上期の実績はPMI及びリストラ費用含みで2%程度であり、今後、年間では3%程度に戻していく。