極めて急速に技術が進化するIT業界では、イノベーション・マネジメント及び知的財産(知財)の保護は、競争力を維持する上で重要な課題です。特にネットワーク効果による寡占化が短期間で起こりやすいサービス領域では、自社の競争環境を有利に導く目的で知財が使われるため、戦略的な活用が重要になります。

基本的な考え方

NTTデータでは、お客様の視点に立ち、社会とビジネスの課題に基づき、中長期的にお客様のビジネスに大きなインパクトを与えるであろう「近未来の展望=情報社会トレンド」と、それを裏打ちする「技術トレンド」の調査検討を行い、毎年「NTT DATA Technology Foresight」として公表しています。NTT DATA Technology Foresightを経営戦略に組み込み、将来に向けた技術開発やお客様とのビジネス共創につなげています。

具体的には、政治、経済、社会、技術の動向分析を行います。加えて、国内・海外におけるNTTデータグループ、NTTの研究所、さらにさまざまな分野の専門家にインタビューを行い、幅広い情報収集・議論を実施しています。

これらをもとに、社会・ビジネスの領域において特に着目されている58の重要課題や、進歩・浸透が目覚ましい237の革新技術を抽出し、さらに収れんすることで、4つの「情報社会トレンド」と8つの「技術トレンド」を策定、発信しています。

重点分野1-ソフトウエア工学

ソフトウエア開発自動化ツール(TERASOLUNA)を適用可能案件にはすべて適用するという方針を推進するため、普及展開のための専門の支援組織を倍増。既存システムの仕様解析を自動化する「TERASOLUNA Reengineering」は、約30のプロジェクトに適用。開発自動化ツール「TERASOLUNA ViSC v1.6」については、80以上のプロジェクトに適用を拡大しました。

また、TERASOLUNAの自動化ツール群を連動させる「TERASOLUNA Suite」は200以上のプロジェクトに適用し、高品質かつ高速なシステム開発を実現しました。

重点分野2-先進技術

機械翻訳エンジン「多言語統計翻訳プラットフォーム」(日本電信電話株式会社が開発)を採用した技術文書の翻訳サービスを実用化。また、社会福祉法人東京聖新会、一般社団法人ユニバーサルアクセシビリティ評価機構と連携し、高齢者施設でコミュニケーションロボットによる介護支援サービスの実証を開始しました。

重点分野3-IT基盤技術

オープンソースソフトウエア(OSS)の活用を加速するため、主導的立場でOSS開発コミュニティの活動を推進。企業の大量データ処理のニーズに応えるため、ミッションクリティカルなシステム向け機能を自主開発し、OSSのソースコードに反映。Hadoopプロジェクトで国内初のコミッタ(主要開発者)を輩出しました。

また、これまで集積したOSS活用ノウハウを動員し、大規模システムへのOSSデータベースの適用実績を拡大。Post-greSQLデータベースの大規模システムへの適用事例を「PostgreSQLカンファレンス2014」にて発表しました。

また、「NTT DATA Technology Foresight」の講演や展示を、ITpro EXPO等の国内イベントに加え、全英オープンゴルフやGartner Symposium等、海外イベントで実施しました。さらに、トレンド情報を用いてお客様とともに新たなビジネス創出を目指す新施策「共創ワークショップ」を6件、「お客様向けプライベートセミナー」を67件実施するとともに、最新版のトレンド「NTT DATA Technology Foresight 2015」を公開しました。加えて、海外拠点におけるR&D強化の一環として、ドイツ政府が産学連携で推進するIndustrie 4.0コンセプト実現に向けたプロジェクトの一つであるAIMEに参画し、先進技術活用による製造ラインの効率化に向けた研究開発を開始しました。