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技術トレンド「超融合インタフェース」 NTT DATA Technology Foresight 2018シリーズ~Vol.5

株式会社NTTデータ 技術革新統括本部 技術開発本部 企画部 VISTECH推進室

シニアエキスパート 関本 佳之

2018.05.30 Update !

NTTデータが導出した2018年の情報社会や技術のトレンド「NTT DATA Technology Foresight(※1)」を全10回で紹介。第5回は技術トレンド「超融合インタフェース」。

革新的インタフェースの普及

人と機械をつなぐインタフェース技術の革新が続いています。代表例として、音声によるIT機器とのやりとりを可能にしたクラウド提供の音声ユーザインタフェース(UI)サービスと、XR(※2)と総称される人を仮想現実に接続するUI機器があげられます。

音声UIサービスは、当初、音楽サービスを利用するスマートスピーカーに搭載されて普及し、現在では家電製品にも多数搭載されています。音声UIサービスは、大手クラウドベンダからインターネット経由で提供する人工知能、いわゆるクラウドAIが実現します。インターネット検索を始めとする各種サービス、eコマース、旅行、カーシェアリングなど万を超えるサービスと連携します。また各国語対応が進み、世界的な普及も実現しつつあります。

XRの中でも仮想世界への強い没入体験を提供するUI機器であるVR-HMD(ヘッドマウントディスプレイ)はエンタテイメントを中心に普及が進んでいます。VR-HMD機器の仕様が一部で標準化されたこともあり、PCベンダ各社から次々に新製品が発売されています。そして、ビジネス利用も進展しています。VR-HMDを活用した3D共働設計システムは、強力なコンピュータグラフィックで構築した3Dの仮想空間での共働作業を可能にします。3Dの仮想空間の中で、設計、デザイン、シミュレーションを行い、さらには複数人での共働を可能にしました。

またARは手軽なスマートフォンでの利用が拡大しています。アプリケーション開発者にとっては、年間数億台が販売されるスマートフォンが多くの潜在ユーザになる価値は大きいため、多数のアプリケーションソフトウェアが発売され、市場が拡大する、という好循環が生まれています。

透明なUIへの課題

UI開発の究極の目標は、相手がIT機器であることを意識せず、ただ自然に人と接するように利用できることです。IT機器への「働きかけ」と、IT機器から「受け取る」双方において、人と接する場合と差分が無くなること、すなわちUIの透明化です。

人からIT機器への「働きかけ」については解決策が見えてきています。人の音声による呼びかけ、ジェスチャーなどの動き、表情を用いたIT機器への働きかけは、高精度なセンサやAIが支援する音声認識や画像認識技術により現実的になり、今後の精度向上も期待できます。一方でIT機器側から「受け取る」、すなわち人がIT機器の情報を自然に検知する技術は未完成な部分があります。視覚と聴覚の再現技術の進化は著しいですが、味覚や嗅覚、特に大きな役割を果たす触覚については未だ不十分です。

そこで、触覚や味覚を直接再現するのではなく、例えばVR-HMDを活用して視覚から触覚を誘発する研究があります。コントローラを握って手を動かすとその動きに合わせて仮想空間の手が動き、何かを持つと対象の物体が変化する様を体験し続けます。すると人は擬似的に何かを持った感触を持ち、重さまで感じます。このように今あるインタフェースによる感覚操作が、人間感覚の研究により加速すれば、近未来の透明なUIを実現する近道になるかもしれません。

超融合インタフェースの世界

透明なUIを統合した超融合インタフェースを実現した時、課題となるのはUX(User eXperience)の最適化です。そこでは透明UIが追求してきた感覚の完全な再現ではなく、個々人にとっての最適な作業のしやすさを実現するための、最適化された環境が提供されるでしょう。超融合インタフェースの世界では、人々は自分専用の空間でリラックスを得ながら、ITの強力な能力をそうとは知らずに利用して、高い生産性を実現するでしょう。

技術トレンド「超融合インタフェース」

図:技術トレンド「超融合インタフェース」

  1. ※1 「NTT DATA Technology Foresight」特設サイト
    http://www.nttdata.com/jp/ja/insights/foresight/sp
  2. ※2 Virtual Reality、Augmented Reality、Mixed Realityの総称

Profile

関本 佳之
株式会社NTTデータ 技術革新統括本部 技術開発本部 企画部 VISTECH推進室
シニアエキスパート 関本 佳之

大規模金融系システムの開発を担当後、基盤系アーキテクトとして初期提案から開発運用まで大小さまざまなプロジェクトを支援。2016年よりNTT DATA Technology Foresightに参画。