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ビジネス×AI ~○○ってAIでできるの?~

株式会社NTTデータ 技術革新統括本部 システム技術本部 生産技術部 Agileプロフェッショナルセンタ

佐々木 克浩

2018.09.25

昨今の技術革新により、画像、言語、音声など様々な分野でAIが台頭してきました。これにより、お客様からも、「AIで○○ができないか?」と持ち掛けられるケースが増えています。そこで本稿では、その“答え”をお伝えできればと思います。

AIって何ができるの?

「AIで○○ができないか?」、その問いに対する答えはYESでもNOでもありません。「やってみなければわからない」です。このような書き方をすると、本稿を読んで頂いている方には、「“答え”なんか無いじゃないか」と文句を言われそうですが、“答え”としてまず理解して頂きたいのは「どんなサービスでもAIでの実現可能性はある」ということです。

どんなサービスでもAIで実現できるの?

サービスをどうAIで実現するかの話をする前に、まずはAIの2つの特性(精度の種類)についてご紹介します。

1.再現率重視特性

再現率(Recall)とは、見逃さない確率のことを指します。例えば写真から犬と猫を判別するAIがあったとします。これに対して、70枚の犬の写真と30枚の猫の写真、計100枚の写真を入力した際に、AIが「これは犬だ」と判別したものを実際に見てみると、猫の写真がいくつか混ざっている一方、70枚の犬の写真は一応全てピックアップできているのが、再現率重視AIです。

再現率重視AIの例

再現率重視AIの例

2.適合率重視特性

適合率(Precision)とは、判別したものが実際にあっている確率のことを指します。先例と同様に犬猫判別器に100枚の写真を入力したとして、AIが「これは犬だ」と判別したものを実際に見てみると、60枚しか写真をピックアップできていない一方、ピックアップした60枚は全て犬である、というのが適合率重視AIです。

適合率重視AIの例

適合率重視AIの例

NTTデータグループでは、ECサイト等のB2C向けのサービスを提供するシステムから、CAFIS(※1)等のミッションクリティカルなサービスを提供するシステムまで、幅広く存在します。
前者の例として、ECサイトのレコメンドサービスを挙げます。レコメンドサービスでは、AIが候補をたくさん挙げてくれること自体に価値があるのであって、これが正しい正しくないはそこまで問題にはなりません。よって、再現率重視のAIを活用すべきです。
一方、後者の例として、空港の入国審査を挙げます。もし入国審査にAIでの顔認証を用いるとすると、もし間違いが発生したら大問題となり得るので、いかに間違えないかが重要となります。ここで、例えば適合率重視AIを活用すれば、確実に正解である場合(先の例で言う犬と判別された場合)はAIに代替し、AIでわからなかったところは人間が補完する、というアプローチが可能となります。

結局は「やってみなければわからない」

話は戻りますが、「やってみなければわからない」は、この再現率重視特性と適合率重視特性をどのレベルで実現できるかがわからない、という意味にもなります。これは、適合率と再現率はトレードオフの関係にあるがゆえ、例えば適合率重視AIとしてチューニングしても、100枚中1枚の犬しかピックアップできず、使い物にならない場合があるからです。

じゃあ「どうやるの?」

サービス企画時には、上記トレードオフをどのレベルで必要かを議論した後、それを実現できるかどうかの検証を素早く行うことが、サービスの目的を達成できるかの見極めに必要です。
よくある検証方法として、期間を分けて段階的にAIの精度を検証するというやり方があります。まずは1か月程度の期間とし、お客様から一部の実データを提供して頂くか、あるいはダミーデータを使って、AIそのものの実用性の目途が立つかどうかを判断します。この短期間の検証で実用性の目途が立つならば、次にお客様からより多くの実データを頂いて、本格的に精度向上を実施します。
上記方法だと、AI検証が思うように進まないというリスクを回避できるので、メリットがあります。

NTTデータにおける取り組み

NTTデータでは、本稿でご紹介したAIをビジネスに仕立てるための考え方とその方法を活かしつつ、AIを素早くビジネスに適用するための仕組み「Altemista® Cloud AI Connector」(※2)などを用いて、お客様と共に新たなビジネスやサービスの創出を実現させていきたいと考えています。

  1. ※1 CAFIS(Credit And Finance Information System)
    NTTデータが提供する日本を代表する国内最大のキャッシュレス決済総合プラットフォームです。全国の加盟店(店舗・企業)とクレジットカード会社や金融機関をネットワークで結び、各種カードでの取引や決済を迅速かつ確実に処理します。
    https://solution.cafis.jp/(外部リンク)
  2. ※2 Altemista CloudとAltemista Cloud AI Connector
    NTTデータが提供するクラウド提供型統合オープンサービス開発プラットフォームです。
    Altemista Cloudは市場へサービス価値を高速に提供するためのクラウド提供型オープンサービス開発プラットフォームです。
    Altemista Cloud AI Connector はAIを利用したサービス開発のサービスの価値創出に専念させることを目的としたプラットフォームです。
  1. ・「Altemista」は株式会社NTTデータの登録商標です。

Profile

佐々木 克浩
株式会社NTTデータ 技術革新統括本部 システム技術本部 生産技術部 Agileプロフェッショナルセンタ
佐々木 克浩

NTTデータ入社後、AIを活用した新規サービス開発案件に参画。主に言語や画像、音声を利用した案件に、企画から開発まで一気通貫で従事。