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1000万ポンドの「イノベーション資金」によって支えられている「ロボット弁護士」

2018.12.03

英国政府は「倫理的なロボット弁護士はデザインできるか?」「空飛ぶタクシーにはどんなルールが必要か?」といった未来志向型プロジェクトに対し、1000万英ポンドの支援金を提供するプログラムを推進している。その中で、70万英ポンドの支援金が、ロボット弁護士の開発に充てられている。英国の取り組みから、国家がイノベーションを支えるためにできることが垣間見える。

どうすれば、倫理観を持ったロボット弁護士を設計できるでしょう。空飛ぶタクシーには、どのような規制が必要でしょうか。これらは、既存のルールや規制に挑戦状を突きつける未来的なプロジェクトに対して、英国政府が新たに1,000万ポンドの資金を拠出し、答えを見出そうとしている課題の一部です。

ビジネス大臣のグレッグ・クラーク(Greg Clark)氏によると、規制当局の先進事業向けファンドが15件のプロジェクトに給付され、この後押しにより、非効率なお役所仕事によって阻まれるおそれのあるイノベーションが「解き放たれる」とのことです。

英国が柔軟な規制環境を有し、テクノロジーの進化するスピードに追従できることが、この動きによって示されるだろうとクラーク大臣は言います。「英国の開発者、夢の実現を目指す人、世の中を根本的に変えようとする人たちが活躍し続けられるビジネス環境を、私たちは今、構築しているところです。」

給付の中から70万ポンドの助成金が事務弁護士規制局(Solicitors Regulation Authority)に拠出され、小規模企業向けのAI(人工知能)法務サービスである「ロボ弁護士」の開発をサポートします。

同局のチーフエグゼクティブであるポール・フィリップ(Paul Philip)氏は、AIサービスにより、法律相談の利用が拡がるのではないかと述べています。「多くの人にとって法律相談の利用は難しいという問題がありますが、この問題はテクノロジーの活用によって解決されるかもしれません。私たちが法務サービスの新しい提供方法の推進という私たちの仕事がさらに前進し、公的な事業と小規模事業の双方が恩恵を受けるでしょう。」

100万ポンドの給付は、英国民間航空局の「規制ラボ」に拠出され、空飛ぶタクシーなどに向けた、交通イノベーションに関するルール開発を支援します。

同局のポリシーディレクターであるティム・ジョンソン(Tim Johnson)氏は、同局はイノベーションの成功を阻むのではなく、推進したいと述べています。「航空宇宙分野の既存の事業者であれ、市場への新規参入者であれ、航空宇宙に関するグローバルなイノベーターの多くが、新しい製品とサービスの開発場所に英国を選ぶのを、私たちは目の当たりにしてきました。(このファンドの)サポートを得ることで、一部のイノベーターには提案に関する指針をより早期に提供できるようになり、新しい製品とサービスのテストはより安全になるでしょう。」

ビジネス・エネルギー・産業戦略省は、この資金を「大きな課題」とされる4つの分野のプロジェクトに給付しました。その課題とは、AI、クリーンな成長、モビリティの未来、そして高齢化社会への対処です。

その他にも、ブロックチェーンテクノロジー(仮想通貨を支える技術)を利用し英国の電話番号管理を改善するOfcomのプロジェクトへの70万ポンドや、患者をモニタリングAI医療機器開発を行う医薬品・医療製品規制庁にも資金が投入されています。

 

この記事はThe Guardianの政治担当記者Jessica Elgotが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。