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英国でのAIとドローンの“就職先”は、電線にまつわるお仕事

The Guardian

2019.03.12

イギリスのエネルギー企業、National Grid社は、電力インフラの整備員としてAIとドローンを“採用”した。6つのドローンによって、過去2年間に点検が支援された架線(電線)は7,200マイルにおよぶ。

出典:The Guardian

発電所から英国中の家庭や企業に送電する、電線と鉄塔。それらの維持管理に役立てるため、National Grid社は人工知能に目を向けました。

この2年間、同社は6台のドローンを使い、イングランドとウェールズ全体の7,200マイルにおよぶ架線の点検を支援してきました。

そこでは、高解像度の写真・ビデオ撮影機能と赤外線カメラを備えるドローンを導入し、鉄骨の損耗と腐食や、損傷を受けた導線などの異常を見極めています。

これまでこのような点検などの業務は、エンジニアが鉄塔に登ったり、ヘリコプターを使ったりして行われてきました。

しかしNational Grid社の最高経営責任者であるジョン・ペティグルー(John Pettigrew)氏は、ドローンが撮影した画像を分析し、人間のオペレーターが見るのに必要なデータ量を削減するために、同社はさらなる一歩を踏み出し、機械学習の適用を開始していると述べています。

ペティグルー氏は次のように語りました。「AIが、資産の全体状況や交換・修理の必要性を判断することになります。現在プロトタイプとしてこのシステムを開発している最中です。私たちがデジタル化と言うとき、それは私たちが行っているような、真に実用的なエンジニアリングのことを指します。」

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十数人のスタッフがこのプロジェクトに携わっていますが、このAI業務はほんの数カ月前に始まったばかりです。

National Grid社は、このテクノロジーのために英国のスタートアップであるKeen Aiと提携し、現在問題をより適切に識別できるようシステムの完成度を上げることに努めています。「私たちがより多くの画像をアプリケーションに供給するにつれて、成果は大幅に向上します」と同社は述べています。

DJI社製のドローンは、ヘリコプターを利用すると家畜が動揺する可能性のある地域や、ヘリコプターを低空飛行させるのが困難な市街地での点検に、より適切な選択肢であると評価されています。

ペティグルー氏は、このようなイノベーションが将来極めて重要になると言います。

National Grid社は規制下にある独占企業として、Ofgemが設定する「価格統制」の下で、事業を運営する必要があります。エネルギーの規制当局であるOfgemは、最終的に消費者によって支払われる投資から企業が得られる収益の規模を規定しており、2021年に始まる一連の次期法規制はより厳格になると述べています

家庭のエネルギー料金に対しては吉報ですが、National Grid社にとってその改革は、収益の低下を意味します。

ペティグルー氏は、ガスおよび電気の一般的なセット料金のうち、同社の電力系統が占める割合はわずか約3%、すなわち35ポンドであるものの、消費者を保護することは重要であると言います。

しかし同氏は、新制度の下で収益の正当性を保証することが、投資家を引きつけるためのカギだと言います。「今や多くの投資家がグローバルに活動しており、英国、米国、またはヨーロッパから投資先を選択できるのです。」

またペティグルー氏は、この改革がNational Grid社の将来的な縮小につながる可能性を認め、「この変革により、一部の人員が削減されると考えられます」と述べています。

 

この記事はThe Guardianのアダム・ヴォーンが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願い致します。