当社が取り扱っているEOSINT・FORMIGAについて、そのコンシューマー3Dプリンターとは異なる本格的な製造装置としての位置付け、用途や実績について簡単に紹介する。

1.はじめに

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EOSINTと周辺機器が並ぶ当社AMデザインラボ

3Dプリンターの元祖となるものは1970年代後半に生まれ、1980年代後半に製品として市場に登場した。その後、技術は進化を遂げ、多くの種類が登場した。それらは大きく「パーソナル3Dプリンター」と「エンタープライズ3Dプリンター」の2つに分類できる。

前者は個人向けの安価なもの。後者は主に企業が使用するハイエンド機を指す。両方とも3Dプリンターとも呼ばれているが、異なるものである。当社が取り扱っているEOS社のEOSINT・FORMIGAは後者に該当する。それらがどのような分野で活用されているのか、簡単に紹介する。

2.AM(Additive Manufacturing)

EOSINT・FORMIGAなどのハイエンド機は、従来の製品や金型と同等のものが作れるという点で他と差別化される。生産に使われるハイエンド3Dプリンターの技術はグローバルな用語としては「AM=Additive Manufacturing」と定義されている。

3.AMの使いどころ

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複雑な内部構造による高度な生体親和性を持つ脊椎固定用インプラント

AMは万能の新技術ではない。装置は高額で、材料も特殊である為、製品製造に用いることが、必ずしもコスト削減や工期短縮に直結しない。しかし、一方でこれでしか出来ないことがある。それは「従来の工法では不可能な形を製作できること」、「非常に複雑な形を容易に製作できること」である。

例えば患者個人の事情に合わせてオーダーメイドのインプラントや歯を作ることは、既に世界規模で普及が進んでいる。CTのデータを3D化するソフトウェアなどの3Dデジタル技術の進化もこれを後押ししている。

CO2削減の為の軽量化が重要課題となっている航空宇宙機産業では、AMを活用した部品軽量化が進んでいる。AMの形状再現限界の高さが、可能性を拡げ続けている。生産数が少ない航空機に比べ、自動車や家電のような大量生産品をAMを使って作ることは、現実的ではないが、それらの製造に使用される金型を造形することができる。すでに日本の自動車部品にもAM金型で生産された部品が搭載されている。

最近の興味深い試みとしては、保守部品をデジタルアーカイブ化し、ストックを持たずに部品をオンデマンド供給するというものがある。また、世界に分散するプラントにAM装置を配備し、国を跨ぐ物流はデジタルデータだけといった仕組みの確立に取り組む企業も登場している。

4.これから

欧米ではAMが学校のカリキュラムにも組み込まれ、従来のものづくりに加え、AMの活用方法を学んだ技術者が巣立ち始めている。技術は進化し、AM産業が出来上がったといえる。しかし、まだ進化の途上である。AM用の設計を支援するツールやAM生産の為の情報管理など、ICTソリューションニーズが潜在している。これからを的確に捉え、NTTデータグループのシナジーを生む事業につなげたいと考えている。

著者プロフィール

株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズ 営業本部 AMビジネスユニット 営業部 営業部長
橋爪 康晃

物流企業の情報システムプログラマとしてキャリアをスタート。システム開発での東南アジア駐在など経験。NDES入社後営業職として9年以上AM事業に携わっている。

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