製造業におけるIoTの活用や金融サービス業におけるFintechの拡大、流通・小売・EC等の企業におけるオムニチャネル化といったITを活用した新規ビジネス・サービス創出の潮流が盛んになってきた。アジャイル開発は新規サービス創出において、大きな武器となり得るのだろうか。

1.新規サービス創出の難しさとは

現代において、新規ビジネス・サービスの最も根本的な難しさは、「プロダクトアウト」、「マーケットイン」のどちらのアプローチも必ず上手く行く時代ではなくなってきたことにある。老若男女を問わずさまざまな年代や性別、価値観を持ったユーザーがITを利用するのが当たり前となっており、スマートフォンを使えば、生活をより便利にさせてくれる世の中にある数多なサービスが享受できる時代である。つまり価値観が多様化した不特定多数のユーザーの求めるもの(=サービス)を知ること自体が難しくなっているということである。しかし、本当に難しいのは、ITがコモディティ化し、サービスがあふれた現在は、「ユーザーが本当に欲しいものに気付いていない」ことにある。

2.アジャイル開発の真骨頂は"仮説検証"

では、「ユーザーが本当に欲しいものに気付いていない」中において、どのように新規サービスを作っていけばよいのだろうか。その答えのキーは"仮説検証"であろう。つまり、新規サービスの仮説を立て、その仮説を検証するための簡単なプロトタイプを作り、プロトタイプを実際のユーザーに使ってもらうことで仮説が正しかったかどうか検証しつつ、実際に使ったユーザーから潜在的なニーズを探る、というアプローチである。

アジャイル開発は、変化するビジネスやユーザーニーズに柔軟に対応することができる開発手法であり、少しずつ小さく繰り返しながらサービスを開発、提供していくアプローチと言われる。つまり、従来よりも、サービス開発とユーザーのサービス利用のサイクルを速くすることで、最適なサービスを作るアプローチということになる。

なぜアジャイル開発がこのサイクルを速くする必要があったのだろうか。それこそが、実は、「ユーザーが本当に欲しいものに気付いていない」からであり、実際にユーザーがサービスを利用することで本当の潜在ニーズが見えてくる、という考え方に基づいているからである。まさに、アジャイル開発の本質は、本節の冒頭で述べた"仮説検証"アプローチそのものなのである。

3.仮説検証に注力することができる次世代アジャイル開発プラットフォーム

IoTやFintechなど、新規サービス分野では、POC(Proof Of Concept)という名のもとサービスの実証実験が行われる事が多くなってきた。POCとは、まさに新規サービスの"仮説検証"そのものである。今後、より一層、さまざまな分野において、新規サービスを創出するためのPOCの取り組みは加速していくことだろう。

NTTデータでは、このPOCの"仮説検証"を強力にサポートするため、アジャイル開発そのものは当然として、次世代アジャイル開発プラットフォームを提供している。本プラットフォームは、図の通り、3つのレイヤーから構成されている。

  1. 1.柔軟なクラウドシステム環境を提供するシステム運用基盤レイヤー
  2. 2.迅速なサービス開発環境を提供するサービス開発基盤レイヤー
  3. 3.新規サービスの仮説検証ツールを提供するPOC基盤レイヤー
【図】

ITサービスである以上、POCの仮説検証を行うためにシステム基盤や環境が必要となるが、本プラットフォームはシステム運用やサービス開発に必要となる基盤がすべて提供されているため、新規サービスを創出する際に、"仮説検証だけ"にフォーカスすることが可能である。もちろん、仮説検証ツールも提供されているため、仮説検証も素早く開始することが可能となっている。

今後、NTTデータでは、さらに本プラットフォームの仮説検証ツールやサービスを拡充し、顧客企業の新規サービス創出を強力にサポートしていく。

著者プロフィール

株式会社NTTデータ 技術開発本部 アジャイルプロフェッショナル担当 課長 柴山 洋徳

アジャイル開発の研究開発、および推進に従事。さまざまな分野の顧客企業へのアジャイル開発の導入コンサルティングから、アジャイル開発におけるプロジェクトマネジメント、新規サービスの創出支援など、アジャイルをテーマに幅広いサービスの提供を行っている。

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