NTTデータでは機器遠隔監視・故障予兆分析や、橋梁センサー監視「Brimos」などさまざまな社会・企業インフラ領域においてIoTを推進してきた。拡大を続けるIoT市場の現状と、エッジセンシングへの取り組み事例を紹介する。

1.IoT市場で起きていること

IoTの急速な普及に伴い、IoT市場は拡大を続けている。IoT市場は、コネクティッドカーやファクトリーオートメーションに代表される機械制御の自動化・自立化、設備機器の予兆検知・予防保全、スマートシティなどの社会インフラシステム、ウエアラブルデバイスを用いたヒューマンアシストの4つに大きく分類され、それぞれの分野で標準化の検討が行われるなど、市場が活性化している。

IoT市場のプレイヤーは、2つに大別できる。ソフトウエア開発のノウハウやIT技術トレンドの知識を持つ「IT プレイヤー」、装置制御オペレーションや設備機器のノウハウを持つ「OT(Operation Technology)プレイヤー」である。IoT技術の展開にはIT・OT双方のノウハウが必要なため、両プレイヤーが活発にコラボレーションし、ITとOTを融合させていくことが重要だと考えている。

2.IoT時代に求められるエッジコンピューティング

IoTにより、ITにはさまざまな変化が求められる。例えば、ビッグデータの分類・分析では、従来よりも扱うデータが大きく増えるため、AI技術などを活用して効率的にデータの分類・分析を行う必要がある。また、IoTでは機器の制御などを行う特性から即時性が求められるため、エッジコンピューティングや、制御機器へのソフトウエアの組み込み技術が必要になる。

その中でもエッジコンピューティングが重要な要素となる。エッジコンピューティングとは、センサーの設置現場やユーザーの近くなどに設置したエッジ機器で演算処理(Edge)を実行し、データセンター側の演算処理(Cloud)と協調して制御することで、より低遅延で高度な処理を実現する技術である。例えば、エッジコンピューティングの技術が求められるケースとして、コネクティッドカーがある。自動車の制御など、より即時性が求められる処理には自動車内や自動車の近くの通信基地局等に設置されたエッジ機器で処理を行い、大量データを分析するような複雑な処理については、クラウド側で処理を実施することになる。

エッジコンピューティングは、大規模トランザクションが発生するIoT時代の「モノを動かすシステム」の実現に必要不可欠な技術である。

3.エッジコンピューティングとAIを組み合わせた応用例 ~音響解析による異音検知ソリューション「Monone」~

設備機器の保全・点検は、特定のベテラン技術者の勘や経験に頼っており、少子高齢化による労働人口の減少やベテラン技術者の大量退職によって、保守・保全ノウハウが継承されず、保全・点検業務の維持が困難になることが予想される。

設備機器の「稼動音」と「故障」には故障する前に異音がするなど相関関係がある。NTTデータが開発した設備機器の稼動音特性を可視化・解析し、適切な保全作業の実施、設備機器の故障頻度の削減や、稼動率の向上に貢献するソリューション「Monone」を利用することで、属人化している保全ノウハウの継承や、業務効率化・高度化を可能とする。

IoTでは、このようなアナログな情報をデジタル化することで新しいバリューを出すことが期待できる。

著者プロフィール

株式会社NTTデータ ビジネスソリューション事業本部 次世代技術戦略室 IoTビジネス担当 部長 北村 唯夫

1998年NTTデータ入社。法人分野のシステム開発を経験後、国内外の新規事業創出やM&A案件に従事。現在は、法人分野の次世代事業創出をミッションにIoTビジネスを推進中。

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