2013年5月23日

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ソフトウェア生産技術革新

NTT DATA Technology Foresight 2013特集。技術トレンドの一つである"デリバリー短縮を実現する超高速開発"について解説します。

技術開発本部 吉田 英嗣

変化するITシステムの役割

過去ITシステムは「既存業務を効率化するツール」の役割を担ってきましたが、現在はこれまでにない価値やビジネスを創出する「イノベーション創造ツール」としての役割が期待されています。つまり、ITシステムを駆使したイノベーションを生み出せるかどうかが企業の行く末を左右するようになってきています。同時にこの変化は、開発技術(ソフトウェア生産技術)に求められる能力にも影響をもたらしています(図)。様々な新しいビジネスモデル創出を成功させるための多様性や、デリバリーを短縮し素早くシステムを提供するスピード、ビジネス継続を保障する高品質など、多くの面で高い要求を実現する開発技術が必要となってきます。こうした背景から、開発技術は「変化する要求への柔軟な対応」と「開発速度と品質の両立」の2軸で進化すると考えています。

【図】

デリバリー短縮を実現する超高速開発について

業務効率化のためのITシステムは何を要件とすべきかが比較的明確でしたが、イノベーションのためのITシステムはその要件自体が不明確で、また変化するものです。つまり、実現したい要件を模索しながら開発を行う手法や、要件の変化に素早く対応できる手法が開発技術として求められます。これに対応する手法として、部分的な開発を反復しながら機能や品質を洗練していくScrumに代表される「Agile開発手法」や、開発と運用の距離を縮め、運用で発見される新しいニーズを素早く開発にフィードバックし、短い周期で改善版リリースを行う「DevOps」、仮説検証を高速に回しながら真に要求されるシステム開発(ビジネス創出)を行う「リーンスタートアップ」、同じ目的の異なるWebページを複数用意し、それらを実際にユーザーに利用してもらい効果を比較することでシステム最適化を行う「A/Bテスト」等が考案されています。

また、ビジネス環境の変化に合わせてITシステムを次々に生み出し、変化させる必要があることから、デリバリスピードがより重要視されます。尚且つ、早く作れたとしても品質が悪ければビジネス継続に支障があります。開発の短期化も高品質の実現も、現状は人海戦術に頼っていると言わざるを得ませんが、最近はシステム開発作業にコンピュータを最大限に活用することにより、開発速度と品質を両立させる開発技術が実用化されつつあります。開発自動化技術はその1つですが、例えば設計情報などからソースコードを自動生成する「プログラム自動生成」技術の実用化が急速に進んでいます。さらに古いシステムを再生するモダナイゼーション需要の高まりに応じて、システムのソースコードを自動解析して設計情報を復元する「リエンジニアリング」技術の利用も拡大しています。また、「クラウド型開発環境」を導入するベンダも増え、システム開発に必要な開発環境を迅速に整える手立てが豊富になっています。

【図】

デリバリー短縮を実現する超高速開発にまつわる将来像

今後はこれらの技術が進展するにつれ、多様なニーズに対応したITシステムを高速に創出できる開発基盤が実現されるでしょう。それを持つか持たないかが企業競争力に大きく影響すると考えています。

著者プロフィール

【写真】

技術開発本部 吉田 英嗣

開発自動化技術を中心としたソフトウエア生産技術に関する技術開発に従事。NTTデータにおける「自動化」の推進役。最近は大量の開発資産を活用した新しい開発手法について研究中。Java等に関する書籍・記事執筆も行う。

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