2013年6月6日

イマ旬キーワード

スマートデバイス

スマートフォン(スマホ)で利用するアプリケーションのテストでは、多種多様な実機を使った動作保証が課題です。実機検証するためのクラウドサービスなど、徐々にスマホ向けのテスティングソリューションが出始めています。

技術開発本部 町田 欣史

スマホでのアプリケーション利用が広まる

スマホの普及は私たちの日常生活を大きく変えています。携帯性や即時性を求められるネットサービスなどはスマホの普及とともに成長を見せています。そんな中、一般ユーザ向けのアプリケーションだけでなく、企業で使われる業務アプリケーションもスマホで利用したいというニーズが増えてきました。オフィス文書などの作成にはパソコン(PC)が必要ですが、画面操作と簡単な文字入力だけで済むような作業であればスマホでも十分に対応できるため、スマホでいつでもどこでも作業が可能になれば業務効率の向上につながります。

スマホで利用するアプリケーションには2つの種類があります。1つはスマホにインストールして使用するネイティブアプリと呼ばれるもの、もう1つはWebブラウザ上で使用するWebアプリケーションです。またWebアプリケーションにも、スマホ用に作られたものを使う場合と、PC用のものをスマホでも使う場合とがあります。いずれにしても、スマホで利用するこれらのアプリケーションを開発する際には、スマホでの動作を確認するためのテストが必要になります。基本的な動作の確認であればエミュレータでできますが、最終的にはスマホの実際の端末(実機)を使わなければ動作を保証できません。

実機による動作検証の課題

そこで問題になるのが、スマホの機種による動作の違いです。スマホはキャリア、メーカー、OSの種類やバージョンなどが異なる数多くの機種があります。アプリケーションの利用対象機種を制限できる場合もありますが、特に制限を設けない場合は、新旧の様々な機種での動作を保証しなければなりません。そのためには、利用される可能性のあるすべての機種を買い揃え、新機種が出るたびに購入し続けなければなりません。テストのためだけに膨大な数のスマホを保有し続けることは、コストや保守の面で非常に非効率と言えます。

スマホ向けのテスティングソリューション

こうした問題に対する1つの解決策が、スマホの実機検証のためのクラウドサービスです。サービス提供会社が所有するスマホの実機をクラウドに接続しておき、クラウドにアクセスした利用者がPC上から実機を操作できる、というものです。日本ではSonix社のScirocco Cloud参考1やNTTレゾナント社のDevelopers AppKitBox参考2といったサービスがあります。NTTデータでは、これらのサービスをスマートフォン関連部門横断組織「スマートフォンラボ」が検証・評価しています。こうしたサービスを利用すれば、対応している機種は自ら実機を購入しなくてもテストができます。低価格のメニューもありますので、個人でスマホのアプリを作っている方も手軽に利用することができるでしょう。

ただし、このサービスには利用期間や同時利用人数などの制限がありますので、いつでも自由に使えるというわけではない点には注意が必要です。また、実際には"すべて"の機種が使えるわけではないため、各社が対応している機種を事前に確認し、対応していない機種については実機の購入やレンタルといった別の対処を考える必要があります。

スマホ用のアプリケーションの開発やテストの技術はまだ成熟しているとは言えませんが、今回取り上げたサービスをはじめとして、"スマート"なテスティングソリューションが今後も登場すると考えられます。

【図】

参考文献

著者プロフィール

【写真】

技術開発本部 町田 欣史

テストプロセス改善やテスト自動化の研究開発、技術支援に従事。社外での講演、記事執筆実績多数。JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)、NPO法人ASTERテストツールWG等、業界団体での活動も精力的に行う。

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