2013年9月12日

イマ旬キーワード

SDN

ネットワーク装置には設定が必要であり、これまでその機能を実現するソフトウェア/ファームウェアは機器ベンダーが提供するとされていたネットワーク業界において、機器ベンダー以外が「ネットワーク機能を創る」という新しい潮流が起きています。

基盤システム事業本部 永園 弘

SDNはアーキテクチャ

SDN(Software-Defined Networking)とは、ネットワーク装置をハードウェアとソフトウェアという2つの構成要素に分離して捉えて、このハードウェア上にネットワーク機能をソフトウェアで実装するというアーキテクチャを意味します。最近になって脚光を浴びているキーワードですが、このアーキテクチャ自体は決して新しいものではなく、今あるほとんどのネットワーク装置が、SDNのアーキテクチャで実現されています。

アーキテクチャのオープン化

かつてのサーバーは、ハードウェアとソフトウェアの関係をブラックボックス化したメインフレームと呼ばれるベンダー固有のアーキテクチャで構成され、システムに新たに機能追加できるのはメインフレームを提供するベンダーのみに限られていました。これを長い年月をかけてハードウェア・OS・アプリケーションにオープンに水平分離したアーキテクチャへと変遷させることでベンダーロックインが解消され、標準仕様を採用する汎用サーバー上では、誰でも自由にソフトウェアによるシステム開発をすることが可能になりました。

翻ってネットワークの世界では、SDNアーキテクチャもハードウェアとソフトウェアで構成されるものの、依然としてユーザーにはブラックボックスであり、ソフトウェアの開発はベンダーのみが実施するというクローズな状況が続いていましたが、最近になりベンダー以外が独自に経路計算機能やフォワーディング機能等のネットワーク機能を開発する環境が整いつつあり、まさにSDNアーキテクチャのオープン化が始まりつつあります。

【図】

図:アーキテクチャのオープン化

なぜ、いまSDNが注目されるのか?

近年、企業活動を支えるICTシステムへの要望が複雑化・高度化するなか、ネットワークがボトルネックで実現困難となるICTシステムを散見します。しかし、SDNがユーザーにとってオープンな構造となることで、企業やキャリアなどのユーザーは既存のネットワークアーキテクチャの制限を受けず、また求めるネットワーク機能をベンダーが実装するのを待つ必要がなくなり、ユーザーのビジネスニーズの変化に合わせてICTシステムを対応させることが可能になります。SDNは、「これまでベンダー主導であったネットワーキングがユーザー主導に代わることであり、これまでのネットワークビジネスのスキームを大きく変化させる」インパクトを与えています。

著者プロフィール

【写真】

基盤システム事業本部 永園 弘

最新の通信技術を活用したネットワークシステムの研究開発に従事。近年はOpenFlow/SDNを活用したキャリア・エンタープライズ・無線のネットワーク高度化に取り組む。学会発表、記事執筆、講演等においても精力的に活動している。

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