2013年9月26日

イマ旬キーワード

機械学習

2014年に向けた注目トピックとして、「コンピューターによる知的処理」と「ウェアラブルデバイスの登場」があります。これらは将来ビジネスにインパクトを与える技術だと考えています。

技術開発本部 木谷 強

考えるコンピューターの進化

コンピューターの要素技術であるCPU、ストレージ、ネットワークは指数関数的に性能が向上しています。これに伴い、コンピューターはより複雑で膨大な計算処理が可能となりました。IBMの質問応答システム「Watson」がクイズ番組で活躍した話参考1はとても有名ですが、近年ではコンピューターに学習をさせることで知識を蓄え、人間の脳と同じような判断や理解を行うプログラムが登場し始めています。Deep Learning参考2と呼ばれる手法を用いることで、コンピュータが自ら学習して概念を自己構築することも可能となってきました。また、機械的に膨大なデータを学習させて答えを導くアプローチにより、コンピューターが囲碁や将棋のプロ棋士に勝利したことがニュースになりました。

今後このような「考えるコンピューター」の性能がさらに向上し、人工知能として適切な判断を促すようになると、ビジネスのさまざまな場面で変化が起きると考えられます。例えばコールセンターの応答でマニュアル通りの対応を行う場合はコンピューターが自動的に回答処理し、特殊な対応が必要なケースのみを人が応答するようになったり、コンピューターによる自動翻訳の精度が飛躍的に向上したり、あるいは難しい病気の診断や裁判の判決で、過去の事例を元に判断を助けるサポーターとしてコンピューターが採用される日が訪れるかもしれません。

ウェアラブルデバイスの登場と人間拡張

コンピューターパワーの増大を人間自身の能力拡大や機能向上に活かそう、という動きが出始めています。典型的な例が、身に着けるタイプのコンピューター「ウェアラブルデバイス」の開発活発化です。Google Glassなどのヘッドマウントタイプから、iWatchなどの腕時計タイプ、そしてロボットスーツHAL参考3、など、さまざまなタイプが考案されています。コンピューターの機能を身にまとうことで、遠隔地と感覚を共有したり、フィールドサービスでの作業をメガネを介した情報提供で支援したり、従来以上の身体能力を発揮したり、失われた機能をコンピューターに代替してもらうようなことを、人間拡張(Human Augmentation)と呼びます。

今後はコンピューターを体に埋め込む、あるいは体内に取り込むケースも考えられます。人体センシングに基づく病気の予防検知や、情報を自分の視界だけに表示させるなど、よりパーソナライズされた機能、サービスが生まれるかもしれません。

ITの将来を予見する NTT DATA Technology Foresight

NTTデータでは、NTT DATA Technology Foresight参考4という名称で、ITの将来を予見する活動を行っています。今回注目した2つのトピックの他にも、世の中の課題、動向、技術をウォッチし未来の姿を描くことで、ビジネスへのインパクトを事前に把握しようと試みています。ITpro EXPO 2013参考5では、NTT DATA Technology Foresightの内容と絡め、本コラムで扱った2つのトピックについて、より深く事例をご紹介しながら解説いたします。

著者プロフィール

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技術開発本部 木谷 強

1999年~2002年に激動のアメリカ・シリコンバレーでベンチャー企業と交流。帰国後はソフトウェア開発の技術革新プロジェクトに携わり、現在は技術開発部門全体をマネジメントしている。

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