2013年12月5日

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マルチメディア放送

V-Lowマルチメディア放送は、2014年夏から始まる新しい放送サービスです。「地域限定」と「IPデータキャスト」で新たな放送サービスが始まります。

技術開発本部 鈴木 賢一郎

V-Lowマルチメディア放送とは

地上アナログ放送の終了後の空き電波帯域を使った新しい放送サービスが始まっています。207.5MHz帯~222MHzを使ったV-Highマルチメディア放送は、2012年4月からNOTTVとして日本初のスマートフォン向け全国放送サービスが始まりました。

NTTデータはNOTTVのシフトタイム放送サービスを実現するために、IPデータキャストと呼ばれる放送波にIPパケットを載せて一斉同報で送る技術を開発しました参考1、2

一方、2014年夏ごろのサービス開始が予定されているのが「V-Lowマルチメディア放送」です参考3。こちらは99~108MHz帯を使い全国を7つの地方ブロックに分けて放送サービスが行われます。

現在、エフエム東京グループが中心のマルチメディア放送ビジネスフォーラム参考4にてサービス開始に向けたさまざまな検討や実証実験が進んでいます。ラジオ音声放送に加えて、IPデータキャストを使ったラジオ番組連動コンテンツの配信や交通情報の配信、広告や電子書籍のコンテンツ配信などのサービスを地域限定で提供することが検討されています。

NTTデータの取り組み

V-Lowマルチメディア放送に対して、NTTデータでは2012年度にIPデータキャストを使った災害情報伝達の実証実験を宮城県内で行い、その有効性を検証してきました参考5。2013年度はその成果を活かして、マルチメディア放送ビジネスフォーラムの活動に参画し、放送仕様の標準化や、自治体向けのサービスと実現方法の検討に取り組んでいます。

V-Lowマルチメディア放送は自治体広報用のメディアとしての利用も想定しているのがこれまでの放送との大きな違いです。自治体広報といえば防災行政無線やウェブサイト、広報誌などが一般的ですが、いずれも災害時の避難勧告などの配信用メディアとしては一長一短があり、特にインターネットなど情報・通信技術の利用が困難な人たちは人手に頼らざるを得ないのが実状です。

これに対して、V-Lowマルチメディア放送のIPデータキャストでは、地域限定で一斉同報かつ個別端末への情報配信が可能であるため、平常時は自治体の広報や観光情報の配信、災害時は緊急情報や避難情報の配信ができるようにいくつかの自治体と連携して検討を進めています。

既に、自治体によってはV-Lowマルチメディア放送受信機を安心安全端末として市内の全戸に配布することも検討しているようです。

【図】

今後について

V-Lowマルチメディア放送の受信機はスマートフォンやタブレット、カーナビが中心となりますが、これに加えて普及を早めるために、受信チューナーを内蔵したWi-Fiルーター型の受信機の無料配布も検討されています。Wi-Fiを経由することでチューナーを持たない端末でも放送の視聴が可能になります。移動体向けの放送に加えてWi-Fiを利用することから、誤り耐性に強いIPデータキャストの伝送方法の検討が必要です。

また、これまではBML(Broadcast Markup Language)と呼ばれる言語で行われていたデータ放送が、日本のデジタル放送では初めてHTML5を使って行われる予定です。これによりHTML5を活用したサービスの高度化が期待できます。NTT研究所ではスマートテレビ関係でHTML5を使った先進的な取り組みをしていますので、NTTデータではこれらを取り込んだ新しいサービスの開発にも貢献していく予定です。

著者プロフィール

【写真】

技術開発本部 鈴木 賢一郎

1999年NTTデータに入社。7年間、映像からのメタデータハンドリング技術の開発や、デジタル放送のシステム・規格検討に従事。近年はIPデータキャストの技術開発と商用サービスに向けた技術検証を担当。

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