2014年1月16日

イマ旬キーワード

IoT

"イマ旬!"の記念すべき第100回は、北米シリコンバレーエリアから、グローバル視点でのトレンド情報をお届けします。ここ1年ほどでようやく形になりつつある、「IoT(Internet of Things)」にスポットを当ててみます。

NTT DATA, Inc. 武田 健太郎

スマートフォンやタブレット、ウェアラブル端末など、私たちの生活の中で常にそばにいるデバイスが増え続け、かつ、各デバイスも進歩を続けています。2017年までには、利用者の趣味嗜好を学習し、周囲の状況を認識、解釈して、先回りして行動してくれるようになる、というレポートをガートナーが出しています参考1。スマートデバイスはもはやPCの延長や代替品ではなく、スマートに人の挙動・業務をサポートしていく存在になり、あらゆる業態にインパクトを持つようになると予想されます。

一方、ひと目でそれと認識できるスマートデバイス以外にも、ありとあらゆる場所にコネクティビティを持ったデバイスが増えてきています。IoTのトレンドはこういう事象を指しており、NTT DATA, Inc.のオフィスがあるシリコンバレーエリアでも、2013年ごろからこの系統のスタートアップ企業や新規サービスが数多く出てきています。

さて、

  1. 1.どんどん賢くなっていくスマートなデバイス
  2. 2.偏在するコネクティビティ付きのモノたち
  3. 3.バックエンドは事実上無限のコンピューティングリソースを持つクラウド

これら3つを組み合わせることで、これからどのような革新的なサービスが出てくると予想されるでしょうか。

ひとつのアイディアとして、「アクションなしに、シームレスに物事が起こる」ようなサービスが当たり前になってくる、というものがあります。

例えば、PayPal Beacon参考2は小売店舗で能動的な支払い操作をせずにPayPalでの支払いを実施する「ペイレスペイメント」サービスです。店舗側はBluetooth Low Energy信号を発信するビーコン親機を設置しておき、利用者側のスマートデバイスと近接通信することで、明示的なアクションなしに支払いを完了させることができます。

スマートホームなどと呼ばれる、賢い住宅の制御のためのデバイスは既に数多くが市販されています。Philips hue参考3は明るさや色をIPネットワーク経由で制御できる電灯、Nest参考4は空調の制御と快適な温度の学習。これらをIFTTT参考5で組み合わせて、人の動きに合わせて住宅側が自動的に動く、というのもの面白い使い方です。単なる制御に留まらず、近接通信により自律制御・自動化、コンテキストを学習、といった付加価値をつけるのがトレンドのひとつといえます。

このトレンドを実現するためのプラットフォーム技術も徐々に整備されていくことでしょう。例えば、The Linux Foundationが2013年12月10日に立ち上げたThe AllSeen Alliance参考6というコンソーシアムは、AllJoyn参考7というIoTプラットフォームとなるオープンソースソフトウェアを公開・管理しています。AllJoynを核としてIoTのエコシステムの実現を目指しており、クアルコム・パナソニック・シャープ・LGなどがメンバーとして名前を連ねています。また、NewAer参考8という米国西海岸の企業は、汎用的に使える近接通信プラットフォームを公開しており、アプリケーション開発のためのSDKを配布しています。NewAer社の実現する世界を示したYouTube動画参考9は、前述の「アクションなしに、シームレスに物事が起こる」状況をイメージしやすいものになっています。

プラットフォーム技術に先んじて、デバイス側の進化は留まることを知らず、2014年1月6日には、自動車へのAndroid搭載を促進するOpen Automotive Alliance参考10をGoogle・ホンダ・GM・アウディ・ヒュンダイ・NVIDIAが立ち上げています。これまでスマートデバイスでなかったものが、どんどん「スマート化」されていくことになります。

2014年は、これまでぼんやりしていたIoTと呼ばれる動きが現実になり、世界がスマートになっていく年と予想されます。ありとあらゆる「モノ」を組み合わせ、現実の価値を出すための発想力が重要になってくる時代といえるでしょう。

【写真】

図:利用者の趣味嗜好や状況に合わせたレコメンドのイメージ

著者プロフィール

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NTT DATA, Inc. 武田 健太郎

オープンソースソフトウェアを活用したITインフラ技術を専門とする。特にOS・クラウド・ストレージといった技術分野での経験が豊富。近年はシリコンバレーエリアで技術の目利きを実施している。

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