2014年6月19日

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インフラパッケージング

より最適なクラウドへ移行する際に有用となる、マルチプラットフォーム対応のインフラパッケージング技術をご紹介します。

基盤システム事業本部 柿沼 基樹

難しいクラウド選定

2014年3月末、大手クラウドベンダー各社が価格引き下げを発表し、クラウドの価格競争がますます熾烈となってきました参考1。クラウド利用者にとっては朗報である一方、長期的に見てどのクラウドが最もコストメリットがあるのか、判断が難しくなってきています。そのため、クラウド利用の目的のひとつであるコストメリットを長期的に得るためには、ある一定の時期で見直しを行い、よりコスト最適なクラウドへ移行、もしくはさまざまなクラウドをハイブリッドに活用していくこと参考2が理想的です。

移行の障壁

しかし、クラウドの移行には障壁があります。移行を難しくしている問題のひとつはインフラのポータビリティ(移行しやすさ)です。例えば、仮想化した「マシンイメージ」を扱う場合、異なるクラウド間(仮想化環境間)での移行が難しい場合があります。マシンイメージを異なるクラウド間で利用するための変換ツール(コンバーター)もありますが、対応できるクラウド環境が限られているなど、網羅性が問題となります。また、マシンイメージを移行後の環境で新規構築するにしても、移行前後の同一性を確保することがとても難しいです。Chef参考3やPuppet参考4などのプロビジョニングツールを利用して同一性を確保する方法もありますが、プロビジョニングをする対象の初期イメージ作成を手動で行わなければならず、コストがかかってしまいます。

マルチプラットフォーム対応のインフラパッケージング技術

そこで、『マルチプラットフォーム対応のインフラパッケージング技術参考5』を利用すると、前述したポータビリティの課題を解決することができます。本技術により、単一のインフラ定義ファイルを元に、複数のプラットフォームに対応したマシンイメージを並行でビルドすることができます。また、プロビジョニングツールと連携することで、OSイメージの初期作成からプロビジョニングまでを一括で行うことができます。これを利用することで、さまざまなクラウド環境に対応したマシンイメージを、同一性を確保しつつ迅速に構築することができます。

【図】

さらに、開発者が検証目的に利用する机上環境や開発環境の構築にも応用することができるため、検証環境と本番環境の同一性を確保することができ、検証環境と本番環境の環境差異に起因するトラブル等を防ぐことができます。

【図】

NTTデータでは、インフラパッケージング技術をベースとして、長期的にクラウドを利用するために必要な仕組み(クラウド移行の円滑化やDevOpsの最適化)を研究開発しています。

まとめ

クラウドへサービスを構築する時点で移行を見据え、インフラのポータビリティを意識し、マルチプラットフォーム対応の作り込みを行っておくと、長期的にコストメリットの恩恵を受けることができます。同一クラウドでインフラを長期的に管理するのではなく、その都度コストメリットのあるクラウドを選択し、インフラを使い捨てながらサービスを提供していく流れが加速しつつあります。

著者プロフィール

【写真】

基盤システム事業本部 柿沼 基樹

ITインフラ技術を専門とし、プラットフォーム・サービス基盤開発や、プライベート・オブジェクトストレージ開発に従事。近年は、『Immutable Infrastructure』をテーマとし、インフラのパッケージング、構築の自動化や、運用自動化に関する研究開発に主眼を置く。

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