2014年11月27日

イマ旬キーワード

予見力

NTT DATA Technology Foresightの策定にあたり、NTTデータでは専門チームが継続的に技術調査を実施しています。今回は最近の調査結果から、今後のトレンドを考える一要素として旬な物をピックアップしてお届けします。

技術開発本部 松下 正樹

人工知能とロボットソーシング

ハードウエア/ソフトウエア両面の進化から人工知能の精度が高まっており、2025年には人間の脳を完全にコンピューター上で再現できるようになる参考1と言われています。先日お台場で開催されたGartner Symposium 2014参考2でも、スマートマシン(=人工知能)がもたらすインパクトについて多くのセミナー講演が行われました。特に知的活動に焦点を当てると、今後は以下のような場面で人工知能が活躍すると考えています。

人工知能が今後活躍する場面の例

  • スケジュール調整など、秘書業務
  • 投資先や合弁企業の選定など、経営判断の支援
  • 図表作成や文章執筆など、ビジネスドキュメント作り
  • 新薬や新素材の開発など、研究開発

現時点で既に実用化されている物もあります。例えばAutomated Insights社参考3では、人工知能が自動的に情報を収集し、記者に代わって記事を作成しています。このような人工知能による知的処理をサービス化したものが「ロボットソーシング」です。直接雇用関係の無い人間にWeb経由で仕事を依頼するスタイルをクラウドソーシングと呼びますが、ロボットソーシングは依頼先が人間ではなくロボット(人工知能)になったイメージです。既にサービス化されている事例としては、条件をインプットすればロゴをデザインしてくれる「Tailor参考4」や、画像ファイルとコンセプトテキストを元にWebページを作ってくれる「The Grid参考5」などがあります。

人工知能は学習機能を備えた物が多く、利用者が増えて使われるほど精度が向上していきます。精度が高まればさらに利用者が増え利用料が安くなる、というサイクルが回るため、大企業が採用するなどを契機として、ロボットソーシングは爆発的に普及が進むと見ています。もし普及してしまえば、同じことを人間が行っても費用対効果の面で人工知能への対抗は難しいでしょう。人間でなければ生み出せないオンリーワンの付加価値(例えば、合理的な考えからは生まれない独自色を貫いたWebページデザインなど)を追求する必要があります。

ドローン活用

人工知能は知的活動のロボットソーシング化に留まらず、センサーやロボット技術と組み合わせた物理世界での活用バリエーションも多く登場し始めています。例えば自動運転技術を用いたGoogle Carは市街地を問題無く走行できる程度まで技術レベルが高まってきています。そしてこの分野で最近話題になっているのがドローン(無人航空機)です。人工知能で飛行状況や飛行経路を考え、センサーで周囲を見渡して飛来物を避けるなど、自律的に動くことができます。

ドローン用途の例

  • 噴火口や海上ブイや橋梁等を対象とした、空撮による状況把握や異常点検参考6
  • 荷物を空から届ける自動輸送参考7
  • 農薬散布などの自動化

電池の性能がネックになっており、ドローンの飛行時間は通常の物では30分持続すれば良い方であるため、長距離長時間の用途にはなかなか繋がっていませんが、即時に動ける機動性が強みです。直近の実用面では、救急車より早く現場へ救護資材や医薬品を届けたり、気軽に近づけない場所の点検や監視を行うような使い方が有望でしょう。しかし、ドローン技術は元々軍事用に研究開発されてきた経緯があり、使い方によっては危険を伴う場合もあります。既にさまざまな活用事例が出始めている現状、商用で使われるにあたっての法整備、安全確保について早急な対応が求められています。NTTデータでもドローンを使った新しいビジネス検討を開始しています。

ドローンの種類例(2014年11月時点の情報)

名称 開発会社 用途 備考
AR.Drone Parrot Hobby空撮 誰でも購入可能
Phantom DJI Hobby空撮 火山での撮影実績有
Dragonflyer Dragonfly 空撮 ホビー向けも存在
HX3 KMel Robotics 空撮 LexusのCMに登場
SkyRanger Aeryon Labs Inc 空撮 雨天や強風下でも飛行
MiniSurveyor - 多目的 農薬散布や運搬も可
千葉大のベンチャー
Parcelcopter DHL 運搬 欧州初の自動運搬機
Prime Air Amazon 運搬 2015年実用化予定

著者プロフィール

【写真】

技術開発本部 松下 正樹

技術の社内流通と事業活用に関するエキスパート。発注者ビューガイドライン製作など、他社と連携した業界活動に実績がある。「イマ旬!」の企画仕掛け人でもある。

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