2016年3月3日

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予見力

NTT DATA Technology Foresight 2016特集。NTTデータが導出した2016年の情報社会や技術のトレンドを6回にわたりご紹介します。第4回目は技術トレンド「人工頭脳との共生」です。

技術開発本部 野村 雄司

ディープラーニングの躍進

人間の脳神経細胞を模倣した人工知能技術であるディープラーニングは、近年急速に研究が進み、あらゆる分野でビジネス活用が始まっています。特に画像認識の性能向上は著しく、物体の名前を言い当てる物体認識の正解率は95%以上にまで達しており、既に人間の標準的な正解率を上回っています。自動運転における歩行者の検出や、医療におけるCTスキャン画像からの悪性腫瘍の検出参考1、マーケティングにおける来店客の特徴分析など、幅広く活用されています。

時間の概念を持ち自ら学習する人工知能

時系列に沿った動作の理解や短期記憶の保持が可能となった人工知能は、人間の行動を予測したり、会話の流れに沿った自然な対話ができます。工業分野では、人間が教えずともロボットが自らトライ&エラーで自己学習し、作業内容を習得できる参考2時代になりました。ロボットと人間がそれぞれ得意な作業を分担し、協調作業を行う方式が徐々に広まりを見せています。また、先日、人工知能が囲碁でプロ棋士に勝利したニュース参考3は多くの人を驚かせたことでしょう。この時人工知能は、全ての手を読み切るアプローチを取ったのではありません。学習の繰り返しにより、局面状況を見極めた手を打てるような「知恵」を備えていたのです。今後、意思決定などの知的な判断や、状況に応じた行動のような、"人間にしかできない"と考えられていた領域へ人工知能は進出していきます。

人工知能の課題

人間が担っていた行為を人工知能が代替するようになってくると、倫理的な課題は避けて通れません。例えば自動運転車で回避できない状況になった場合、子ども、お年寄り、妊婦、犬や猫などで何を優先するべきか、といった判断基準の問題が出てきます。人間が運転していた場合には、厳密に答えを持たなくても社会は成り立っていました。これは責任が運転者にあることと、人間には一瞬で正確に判断し制御することができなかったため、事前に解をもつ必要性が生まれなかったからだと考えられます。今後、人間と人工知能が共生していくには、倫理的な問題への対応だけでなく、どこまでを人工知能に任せる範囲にするか、といった役割分担の見直しや再定義も大きな課題となるでしょう。

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著者プロフィール

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技術開発本部 野村 雄司

情報抽出技術を中心としたテキスト処理技術に関する研究開発に従事。2015年よりNTT DATA Technology Foresight策定を担当。

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