国・地域を超えたデータスペース協調と新ビジネス創出に向け、グローバルチームを発足

トピックス

2025年3月10日

株式会社NTTデータグループ

株式会社NTTデータグループ、株式会社NTTデータ、および株式会社NTT DATA, Inc.(以下:NTTデータグループと総称)は2025年3月10日、企業・業界間のデータ連携を支えるデータスペースの発展と社会実装の推進を目的とした、グローバル全体でデータスペースのワンチーム(以下、本チーム)を結成しました。これまで日本、スペイン、ルーマニア、ドイツ、ルクセンブルク、イタリア、ラテン諸国、英国などを含む国際チームが各拠点で培ってきたデータスペースの構築実績や関連する技術・ノウハウを連携・集約し、グローバルレベルで活動を強化します。
今後は、本チームが中心となって、2026年までにデータスペースの専門家200名体制で取り組み、企業・業界間データ連携を加速します。さらに、本チームを通じて得られた相互運用性に関する知見や、パートナーシップを活用し、さまざまな企業や業界とともにビジネス市場を共創し、2030年までに500億円規模の売り上げを目指します。

背景

持続可能な社会を実現していくために、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなどの社会課題の解決が広く求められています。これらの解決のためには、複数の企業や組織が互いに信頼しながら自由かつ安全にデータを共有できる基盤が必要です。このような背景から、日本では産業界を中心とした「DATA-EXプラットフォーム」の提供が開始され、経済産業省を中心とした「ウラノス・エコシステム」イニシアチブのもとでサービスがスタートしました。欧州では自動車製造業を中心としたデータスペースである「Catena-X」など注1が始動しています。商用サービスが各地域で提供されると同時に、異なるサービスや仕様の間における相互運用性や国際協調が重要になってきています。

概要

NTTデータグループは、企業に対して新しい価値とデータ活用における新しいビジネスの創出を支えるデータスペースの社会実装の実現のため、グローバル全体でデータスペースのワンチームを結成しました。これまで国・地域ごとに推進してきた企業間データ連携に関する活動を一元的に管理・推進することができるようになり、ノウハウや開発技術を最大限活用し、相互運用性を考慮したデータスペースの社会実装と、企業へのビジネス価値創出を加速させることができます。
本チームの具体的な取り組みとして、異なる企業や業界でデータ連携をするにあたり相互運用性などの確保に必要な商用サービス向けのソフトウエアコンポーネントの提供拡大、国内イニシアチブや欧州におけるIDSA(International Data Spaces Association)注2、Gaia-X注3などとの連携による国際協調への貢献を通じて、さまざまな企業や業界が新ビジネスを共創するイノベーションを推進します。

また、NTTデータグループは、従前よりデータスペースの社会実装に向け、各企業や業界との共創活動を通じたユースケースの創出や企業間データ連携を実現する技術開発を推進しています。さらに、制度や技術等異なる基盤との相互運用性実現に向けた連携活動にも継続して取り組んでいます。

図:データスペースの社会実装に向けたNTTデータグループの活動

これまでのNTTデータグループのデータスペースに関する活動事例

  • 電動車向け蓄電池バッテリーに関する「バッテリートレーサビリティプラットフォーム」の開発・サービス提供開始注4
  • 東京大学と連携した国際テストベッドを利用した国際間接続を含む実証注5
  • モビリティやサステナビリティに関するデータスペースの実現
  • 欧州における公共調達データスペース(Public Procurement Data Space注6)の推進

今後について

NTTデータグループは、2026年までにデータスペースに関する知見を持つ専門家200名体制で、電力、ヘルスケア、金融・保険業界などをはじめとした、企業や業界間でデータ連携が求められるユースケースの適用に向けてデータスペースの社会実装を推進していきます。また、本チームを通じて得られた相互運用性に関する知見や、パートナーシップを活用し、さまざまな企業や業界とともにビジネス市場を共創し、2030年までに500億円規模の売り上げを目指します。

関連リンク

NTTデータグループのデータスペースに関する取り組み
https://www.nttdata.com/jp/ja/services/dataspace/

注釈

  • 注1 「Catena-X」(Association Catena-X Automotive Network e.V.)はベルリンを拠点として2021年に設立され、国際的な拠点やグローバルな分散型コミュニティの形成に尽力しています。創設者は、BMW AG、Deutsche Telekom AG、Robert Bosch GmbH、SAP SE、Siemens AG、ZF Friedrichshafen AGなどです。Mercedes-Benz AG、Volkswagen、Ford、Denso、Magna、Valeo、IBM、google、Azure、AWS、BASF SE、Henkel AG&Co.なども参加して、自動車のバリューチェーンの企業が平等に参加でき素早く拡張できるエコシステムを形成するために、自動車のグローバルバリューチェーン全体にわたるエンドツーエンドのデータチェーンの構築、運用、共同利用のための環境を提供することをめざしています。Catena-Xは、ISO/IEC/ITUおよびCEN-CENELC/ETSIといった国際標準化団体に従っています。
  • 注2 IDSA(International Data Spaces Association)は、データスペースの確立や標準化などを推進する非営利団体です。
  • 注3 「Gaia-X」とは、2019年10月にドイツ政府・フランス政府が発表した、セキュリティとデータ主権を保護しつつ、データ流通を支援するためのデータ流通構想です。
  • 注4 産業データの安全な流通を実現する連携プラットフォームの提供開始
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2024/051600/
  • 注5 国内初、東京大学と共同でGaia-Xのデジタルクリアリングハウスをテスト環境へ実装
    https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2024/111900/
  • 注6 The Power of Data Spaces for the Future of Digital Public Services(英語サイトへ遷移)
    https://benelux.nttdata.com/insights/whitepapers/the-power-of-data-spaces
  • 文章中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータグループ
技術革新統括本部
Innovation技術部
IOWN推進室
金子、土橋、菅野
E-mail:trusted-ds@kits.nttdata.co.jp