増加する越境ECに迅速対応、第7次NACCS準拠のSimGate®新バージョンを提供開始

~海上小口貨物の簡易通関制度対応により通関業務のさらなる効率化を実現~

トピックス

2025年7月3日

株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ アイ

株式会社NTTデータ(東京都江東区、以下:NTTデータ)と株式会社NTTデータ アイ(東京都新宿区、以下:NTTデータ アイ)は、日本の通関システムである「NACCS」注1と企業システムを接続・連携して業務効率化を実現するゲートウェイソフトウエア「SimGate®(読み:シムゲート、以下:SimGate)」の新バージョンを提供開始します。今回の新バージョンは2025年10月に予定されているNACCSのシステム更改(第7次NACCS)に準拠しており、海上小口貨物に係る簡易通関制度注2など新制度に対応したものです。さらに、これまで海上貨物と航空貨物で分かれていた業務メニューの統合や、サーバー処理能力の向上、視認性・操作性の改善など、実務に即した複数の機能強化を実施しています。
新バージョンにより、越境EC事業者などが利用する海上小口貨物輸送においても、SimGateを通じて企業内システムの情報をNACCSへ直接連携できるため、重複入力が不要となり、事業者の利便性と業務効率化を実現できます。

背景

越境EC市場の急拡大、ロシア・ウクライナ紛争や米国の関税制度変更等に伴う地政学リスク対応やサプライチェーンの再構築など、国際貿易を取り巻くビジネス環境は近年激しく変化しています。輸出入企業においては、こうした大きな変化に対応可能な拡張性と柔軟性を備える物流インフラへのニーズが高まっています。NTTデータとNTTデータ アイは、NACCSと企業システムを接続するゲートウェイソフトウエア「SimGate」を2004年から国際物流事業者向けに提供しており、大手事業者を中心に数十社が導入しています。SimGateを導入することで、これまで社内システムとNACCSの双方にデータ入力をしていた手間が省けるなど、国際物流業務の作業効率を高めることができます。SimGateは、NACCSの海上貨物業務および航空貨物業務の両方に対応しており、社内システムと接続するためのインターフェースを複数備えています。
NTTデータとNTTデータ アイはこれまでも、NACCSの更改に合わせて新バージョンを提供しており、今回は2025年10月に予定されている第7次NACCSに対応しました。

概要

今回のSimGateでは、第7次NACCSへのシステム更改に合わせて新たに導入される制度対応や機能追加を実施しています。新バージョンの主な特長は以下の通りです。

1.海上小口貨物にかかる簡易通関制度への対応

海上小口貨物にかかる簡易通関制度とは海上貨物を取り扱う事業者が、一定の条件を満たす海上貨物について、輸入(納税)申告項目の一部を省略して申告できる輸入通関手続きです。越境ECにおける1件ごとの貨物量は小さい一方で、件数が膨大になる傾向があり、申告業務の負荷が非常に高いという課題があります。特にコンテナ船を用いる海上輸送では航空に比べて貨物件数がさらに増加することが想定され、これまで以上に手続きを効率的に処理する必要があります。SimGateの新バージョンを導入することにより、企業内システム上の受注・出荷等のデータをそのまま活用してNACCSへの申告することが可能となり、手入力やデータの二重管理を省略できることで、事業者の利便性と業務効率性を向上させることが可能となります。

2.航空貨物業務・海上貨物業務メニューの統合

サプライチェーンの見直しに伴う航空・海上複合輸送の導入など、輸送形態の多様化に対応し、これまで航空用、海上用で別に提供していた業務機能を統合し、輸送形態にかかわらずSimGateが利用可能となります。統合により異なる輸送手段を用いる業務でもSimGateにより処理できるようになり、担当者の操作負荷が軽減されるとともに、複合輸送時の手続き整合性も高まり、実務効率が向上します。

3.サーバー処理能力の向上とユーザーインターフェースの改善

近年の輸出入申告件数の大幅な増加を踏まえ、業務処理をより効率的に実施できるよう、サーバー処理能力を向上させるとともに、現行SimGateユーザーからのフィードバックも踏まえ画面の視認性や操作性を高めたインターフェースへ刷新します。

<SimGateの基本的な特長と導入メリット>

(1)NACCS情報の柔軟な活用が可能

受信電文のコピーや配信先のカスタマイズができ、社内の運用に合わせてNACCS情報を柔軟に再利用できます。

(2)クライアントソフトを標準搭載

クライアントソフトは、ライセンスフリーで全ユーザーにインストールが可能です。自社システムからNACCSへのデータ連携を手軽かつ低コストで実現します。

(3)バージョンアップへの迅速な対応

NACCSのバージョン更新に合わせ、SimGateもほぼ同時に最新版へ対応。業務継続を妨げません。

(4)専門スタッフによるサポート体制

NACCS接続に精通したヘルプデスクが、トラブル時も迅速かつ的確に対応し、業務の安定運用を支援します。

今後について

SimGateは、国際情勢の変化や制度改正にも迅速に対応し、企業の国際物流業務を支えるインフラとして進化を続けます。将来的には、SaaSによる従量課金型のNACCS接続サービス提供や、貿易プラットフォーム「TradeWaltz®注3との連携などを通じて、より柔軟で拡張性の高いサービスへと発展することにより、導入企業のさらなる拡大を目指します。
NTTデータとNTTデータアイは、これからも企業のグローバルビジネスを支えるパートナーとして、国際物流の最適化に貢献していきます。

注釈

  • 注1 NACCS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System):日本の輸出入手続きをデジタル化・効率化するためのシステム。貨物の通関手続きや港湾管理を一元的にサポートしています。
    https://www.naccs.jp/
  • 注2 海上小口貨物にかかる簡易通関制度:海外事業者からのインターネット通販(越境EC)を利用した日本への輸入手続きなどでは従来、主に航空輸送による簡易通関が利用されていました。昨今の越境ECの需要急増を受けて、海上輸送についても航空輸送同様の簡素かつ迅速な通関を認めることで、こうした需要増への対応を図る制度が導入されます。この制度は、第7次NACCSの更改サービス開始(2025年10月)に合わせて導入されます。
    財務省関税局 個別通達(財関第587号 令和6年6月11日):海上小口貨物に係る簡易通関について
    https://www.customs.go.jp/kaisei/zeikantsutatsu/kobetsu/TU-R6z0587.pdf
  • 注3 TradeWaltz:貿易業務のデジタル化を推進するプラットフォームで、輸出入に関わる情報共有や書類の電子保管を可能にし、貿易手続きの効率化と透明性の向上を図る目的で2020年に提供を開始しました。
    https://www.tradewaltz.com/
  • 「SimGate」は、株式会社NTTデータの日本国内における登録商標です。
  • 「TradeWaltz」は株式会社NTTデータの日本国内における登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第三公共事業本部
デジタルプラットフォーム事業部
第一システム統括部
第一営業担当
河田、吉村、石川、浦山
TEL:050-5546-2910
E-mail:trade_solution@kits.nttdata.co.jp

株式会社NTTデータ アイ
第一事業本部
第二事業部
営業担当
武藤、田島
TEL:03-6265-3321
E-mail:ndi-sales@nttd-i.co.jp