AIエージェントを活用した新たなカスタマーサポート業務変革サービスを提供開始

背景

顧客エンゲージメントや顧客生涯価値（LTV）の最大化が企業競争力の中核となる中、カスタマーサポート業務を担うコンタクトセンターには「問題解決の窓口」から「顧客関係を育む戦略拠点」への進化が求められています。
しかし、現場では慢性的な人材不足や業務の複雑化による負荷増大など、構造的な問題が顕在化しています。これを解決する手段としてAIに対する期待が非常に高まっていますが、多くの企業がPoCや部分導入に留まり、大きな成果創出に至っていないという課題を抱えています。
NTTデータは、コンサルティングやシステム開発・提供等を通して、業界業種問わずお客さまのカスタマーサポート業務変革を支援してきました。2024年からはAI活用によるビジネス変革を推進するSmart AI Agent^®の実現に向けて取り組んでいます。
NTTデータがカスタマーサポート業務変革において目指す姿は、企業の持続的成長への貢献とコスト削減・安定運営を両立する「カスタマーエンゲージメントセンター」です。これは、AIエージェントをオペレーションの中核として人的コストを抑制しながら顧客体験の質と接点量を拡充するとともに、限られた人的資源をより戦略的な領域に集中し、顧客の顕在的・潜在的な声を深く収集し企業全体に向けた顧客エンゲージメント向上アクションを展開するというものです。

図1：カスタマーエンゲージメントセンターへの変革イメージ

概要

NTTデータは、AIエージェントを活用した新たなカスタマーサポート業務変革サービス「LITRON Customer Engagement」の提供を2025年12月より開始します。本サービスは、戦略策定から業務実行まで一気通貫でお客さまと伴走し、現行業務の生産性を最大3.5倍に向上させ、創出したリソース余力の高付加価値業務への活用により、企業の顧客エンゲージメント・LTV最大化と、コンタクトセンターのコスト最適化・安定運営の両立を実現します。
AIエージェントの適用においては、AIが自律的に判断・実行できる範囲と顧客が求めるサービスレベルに応じて人の関与を適切に設計することで、信頼性を確保します。業務実行の過程で獲得するデータと人からのフィードバックをAIへ学習させ、最新技術の組み込みを継続的に行い、AIエージェントの業務実行能力を高めつつ、その適用範囲を拡大していきます。同時に、組織体制やオペレーションの見直し、従業員のスキルシフトなど組織的な変革を並行して実行することで、PoCや部分導入に留まらない業務変革をオールインワンで遂行します。
これまで多くの生成AI関連サービスを提供し、海外調査会社が実施した生成AI関連企業の評価でリーダーポジションを獲得したNTTデータの変革コンサルティング力・実装力・AIガバナンス／セキュリティ知見と、全国39拠点・約7,000席の大規模なコンタクトセンターBPO事業を展開しCX変革推進に強みを持つNTTマーケティングアクトProCXの業務知見や実行力を融合した連携により、実運用で成果を創出する国内トップクラスのカスタマーサポート業務変革サービスを実現していきます。

図2：「LITRON Customer Engagement」の全体像

サービス内容

本サービスは、組織戦略の立案から実業務に応じたAIエージェントの開発、AIエージェント活用を前提とした最適な組織・体制の構築、オペレーションの実行など幅広くお客さまを支援します。
提供を予定しているサービス群は下記です^注3。

図3：LITRON Customer Engagementのサービス群

今後について

今後、NTTデータとNTTマーケティングアクトProCXは共同で「LITRON Customer Engagement Lab」を設立し、カスタマーサポート業務向けAIエージェントや業務変革メソッドの検証・開発を実施し、サービスの更なる高度化を継続的に実行します。
NTTデータはグループ各社とも連携しながら、LITRONシリーズはじめあらゆるAI関連サービスと連動し企業活動全体の変革を支援し、人とAIが協調するよりよい社会の実現に貢献していきます。

NTTデータグループが描く生成AI活用の未来

NTTデータグループは、積極的なAI活用の推進とガバナンスの両輪でお客さまのビジネス、当社のビジネスの変革を推進します。お客さまのビジネスでは、AIエージェントが指示に応じ自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する「Smart AI Agent」の実現をめざします。当社のビジネスでは、ソフトウェア開発の大幅な生産性向上や実践的生成AI人財の育成を加速します。これにより、人手不足等の社会課題解決に貢献するとともに、人が付加価値の高い業務領域に注力できる世界を実現していきます。

参考：ユースケース実装例「AIによる自動応答チャットのイメージ」