M2Mにおける標準化の流れ~oneM2M発足
M2Mの標準化は、世界的にもスマートビジネスやIoT(Internet Of Things)の流れを受け、ここ1、2年で、特に欧州で標準化推進の動きが活発となっています。
ESTI(欧州電気通信標準化協会)、3GPP(3G移動体標準化プロジェクト)、NIST(米国立標準技術研究所)、IETF(インターネット技術タスクフォース)、ITU-T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)をはじめ、日本では、TTC(情報通信技術委員会)とARIB(電場産業会)が関連する取り組みになってきています。
今年からは、各標準化団体同士でリエゾンを組み、お互い協力しながら標準化を策定しようとしており、「oneM2M」として、各団体の専門委員会が連携して動いています。日本からも前述団体などがoneM2Mに参画し、関連する標準化団体が集った形で活動がまさに開始しようとしています。
oneM2Mでは、ユースケース、要求仕様、アーキテクチャ、インターフェース仕様などをスコープとして検討する予定になっています(図)。

図:ESTIにおけるアーキテクチャ及びインタフェース仕様の検討例
今後の展望
一方で、現状のM2M標準化に関しては課題認識もあります。
M2Mの標準化をけん引している団体は主に通信事業者を主体とするものであり、いわゆるM2Mの"2"にあたるメンバが主となっています。マシン、デバイスの世界においては、それぞれ業界特有のインタフェースや要件が存在しているため、これらがどう融合していくか、という点に注目する必要があります。
また、oneM2Mは現在ようやく検討体制が整ってきた段階であるため、具体的な技術の議論は早くて秋口位から、アウトプットが出てくるのはその後さらに半年から1年単位でのタイムラインになると推察します。
こうした課題はありますが、グローバル化や国際調達の観点等において、避けては通れない動きです。当社としてもM2M標準化の動きを継続的にウォッチするとともに、M2Mマーケットの活性化を推進する技術開発を通じ、情報発信を行っていきます。
- GSCL
Gateway Service Capabilities Layerの略。集約装置、コンセントレータ機能群。
- DSCL
Device Service Capabilities Layerの略。デバイス、センサー機能群。
- NSCL
Network Service Capabilities Layerの略。ネットワーク及びセンタ側機能群。
- dIa
M2M App.(デバイス)やM2M App.(ゲートウェイ)、M2M Device内にあるM2M App.(デバイス)とDSGLの間、M2M Gateway内にあるM2M App.(ゲートウェイ)とGSCLの間、それぞれの参照ポイント。
- mId
NSCLにあるM2M App.(デバイス)や M2M App.(ゲートウェイ)の参照ポイント。
- mIa
NSCLにあるM2MのApplication(サーバ)の参照ポイント。
- 注参照ポイント
通信時のインタフェース仕様を意味し、簡単に表現するならば「通信プロトコル」「通信データフォーマット」等のこと。
参考文献
- oneM2M(外部リンク)
- 注現状コンテンツ準備中、順次公開予定
- ESTI(European Telecommunications Standards Institute):欧州電気通信標準化協会(外部リンク)
- 3GPP(3rd Generation Partnership Project):3G移動体標準化プロジェクト
- NIST(National Institute of Standards and Technology):米国立標準技術研究所(外部リンク)
- IETF(The Internet Engineering Task Force):インターネット技術タスクフォース(外部リンク)
- ITU-T(International Telecommunication Union - Telecommunication Standardization Sector):国際電気通信連合 電気通信標準化部門(外部リンク)
- TTC(Telecommunication Technology Committee):情報通信技術委員会(外部リンク)
- ARIB(Association of Radio Industries and Businesses):電場産業会(外部リンク)
- 次世代社会インフラサービスの実現に向けたM2M クラウドの取組み(PDF:1ページ, 195KB)
- 注現状コンテンツ準備中、順次公開予定