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2012年6月28日技術ブログ

タブレットOSとしてのWindows 8とは

これまでの弱点を克服する2つの新機能で革新を図ったWindows 8。その概要と展望を解説します。

登場が近いWindows 8

MicrosoftのWindows 8は着々と開発が進められている。2011年9月には開発者限定の評価版であるDP (Developer Preview) が、2012年2月には利用者向け評価版のCP (Consumer Preview) が、そして6月1日には最後の評価版となるRP (Release Preview) が公開されている。新しいインターネット用プロトコルであるIP v6への対応や、複数のPC間でのファイル・設定の共有等の機能拡張、そしてMicrosoftのクラウドサービスであるWindows Liveとの連携が強化されている。

タブレット端末用OSとしてのWindows 8

Windows 8はタブレット端末用OSとしての顔も持つ。Microsoftのタブレット端末への最初の挑戦は、1992年に発売されたWindows for pen computingであり、二度目は2002年に開発されたWindows XP Tablet PC Editionであるが、いずれも成功とは程遠いものであった。その理由は2つある。ひとつはマウスを前提としたユーザインタフェースをそのままタブレットで使っていたための使い勝手の悪さであり、もうひとつがハードウェアである。Windowsは高速なCPU、大容量なメモリーとハードディスクを必要とし、それらはバッテリーを消費する。要するに、重く、動作が遅く、すぐ電池が切れる、の三重苦だったのだ。Windows 8はこれらの失敗を踏まえて、Metro(メトロ)と、Windows RTという2つの新機能で革新を図った。

Metro

Metroはタッチ操作に最適化された、新しいユーザインタフェースである。すでにWindows Phoneで利用されているものをPC、タブレットなどの大画面に適用したもので、タッチ(触って、すぐに離す)、ピンチ(二本指でつまむ)、スワイプ(画面に触れ、動かす)といった操作のみで快適に利用することができる。画面からはメニューバー、アイコン等が除かれ、コンテンツのみがシンプルにレイアウトされており、利用者は目的とする情報そのものに集中することができる。

一方、これまでのWindows用アプリケーションはデスクトップアプリと呼ばれ、従来通りマウスでの利用を想定し、多数のアイコンが配置されたマルチウィンドウ環境で動作するため、操作感の違いには多くの利用者が戸惑いを感じるかもしれない。

【図】

図:Metroのスタート画面。Desktopで使う場合もスタートはこの画面を使うことになる。

Windows RT

多くのスマートフォンに搭載されているARMと呼ばれるCPU(安価で、小さく、バッテリー消費が少ない)上で動作する、Windows 8と同等の機能を持つOSがWindows RTである。Windows RTを搭載したタブレットは、iPadやAndroidを搭載したタブレット端末と同等の大きさ、重さ、バッテリー寿命を実現できると考えられる。CPUが異なるため、従来のWindows向けのアプリケーションを利用することはできないが、Windowsが持つ堅牢なセキュリティ、標準搭載されるMicrosoftオフィスなど企業内システムとの親和性は高い。

展望

既存システムとの互換性やセキュリティなどが問題となり、タブレット端末の導入を躊躇していた企業にとっては、Windows 8が魅力的な製品となることは間違いない。期待と不安がいりまじる状況ではあるが、SIの選択肢が増える観点から、NTTデータとしてもWindows 8には大いに期待するものである。破竹の勢いを持つiPadの競合となることができるのか、もしくはごく一部のシェアを奪うにとどまるのか、目が離せない。

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