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2013年1月24日技術ブログ

リスクを可視化するプロマネ技術「CCPM」適用のポイント

CCPM(Critical Chain Project Management)を定着化させ、継続していくために必要なポイントについて解説します。

CCPM適用における課題

CCPMは、近年システム開発プロジェクトへの導入が進んだ革新的なプロジェクトマネジメント手法で、プロジェクト中に発生する変化や不確実性に応じた対処を可能とするものです参考1。実際のシステム開発プロジェクトへの適用を通じ、一定の工期短縮効果を得られることが確認されています参考2、3。しかし、従来からのプロジェクトマネジメント手法とは異なる概念を持ち、見積もり等の管理のやり方が大きく変わるなどの理由により、定着化が難しい場合もあります。そこで、今回はCCPMを継続していくためのポイントを、いくつかピックアップして解説します。

CCPMを継続するためのポイント

適用範囲を広げすぎない

CCPMは工期短縮に有効な手法ですが、何にでも適用できる万能な手法というわけではありません。向いているものと向きにくいものがあります。例えば、システム開発の内部設計・コーディング・テスト工程には適用しやすいですが、要件定義工程や運用・保守への適用は難しくなっています。CCPMによる効果を最大に享受するには、CCPMが持つ特徴・仕組みをよく理解し、広範囲の適用を目指すのではなく、どの範囲に適合するかをしっかり見極めることが欠かせないと言えます。

スモールスタート&クイックサクセスを忘れない

プロジェクトへのCCPM定着に向けて大事なことは、「これなら続けられる」という実感を最初に持てるかどうかです。特に大規模プロジェクトにおいては、最初から適用範囲の全体を対象とするのではなく、トライアルプロジェクトを選定して、小さくても走りきることを重視します。また、最初から大きな効果を狙わないというのも一つの手です。従来とは違うやり方を導入するわけですから、いくら範囲を見極めたとしても、何らかの潜在的な問題・課題が表面化すると考えられます。最初のトライアルでは効果があまり出ないこともありますが、課題を出し尽くし、次回以降に効果が出せるように準備することに主眼を置くと、定着しやすくなります。

プロジェクトバッファーは削らない

計画作成フェーズにおいて、実際のプロジェクトでよくある間違いの一つに「プロジェクトバッファーを削る」ことが挙げられます。図aのように、作成したスケジュールが予定している開発期間を超えてしまい、スケジュールを見直さなければならない時に、図bのように、確保していたプロジェクトバッファーを削ることで対処しようとするわけですが、この方法はおすすめできません。プロジェクトバッファーはプロジェクトを遅延から守るために一定量必要なものだからです。望ましい対処は、プロジェクトバッファーを「削る」のではなく、図cのように、プロジェクト開始時点から「消費」した状態にすることです。前者(図b)はプロジェクトバッファーの消費がなく「安全」に進捗しているように見えてしまいますが、後者(図c)は消費した日数が大きい場合はプロジェクトバッファーの色が黄や赤となり、「注意」または「危険」な状況であることが可視化され、遅延のリスクが認識されます。プロジェクト計画・実行を通して、正しく状況を可視化し、全員で危機意識を共有することが大事です。

【図】

図:予定している開発期間を超えた場合の対処方法

NTTデータでは、グループ内のプロジェクトにCCPM適用と定着化を積極的に進めることで、システム開発の工期短縮に挑戦しています。

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