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2014年6月5日技術ブログ

ネットワークを仮想的に実現するNFV

汎用サーバー上でファイアウォールやロードバランサー等のネットワーク機能を仮想的に実現する「NFV(Network Functions Virtualisation)」が注目されています。

ネットワーク機能を汎用サーバーで実現

ネットワーク装置は専用のハードウエアやソフトウエアを用いて垂直統合的にベンダーから提供されることが普通でした。これに対し、NFVはネットワーク機能をソフトウエアで実現し、汎用サーバー上に構築する取り組みです。欧州の電気通信産業の標準化団体である「ETSI(European Telecommunications Standards Institute)」配下の「NFV ISG(Network Functions Virtualisation Industry Specification Group)」を中心に議論が行われ、通信キャリアやネットワーク機器ベンダーなど300社を超える企業が参加して活動を行っております。

仮想化するネットワーク装置

ネットワーク装置の動作の基本は、入力されたパケットに対して予め定義されている情報処理を施し、その結果に応じてパケットの出力や破棄を繰り返すことです。これらの一連の処理は高速で動作する必要があるため、専用にカスタマイズされた集積回路ASIC(application specific integrated circuit)を使った専用ハードウエアが一般的でした。一方で、汎用サーバーは継続的な性能向上が図られてきたことで、汎用サーバー上にソフトウエアでネットワーク機能を実装しても専用ハードウエアと遜色のない処理性能が期待できるようになってきました。これらのソフトウエアを仮想化基盤上に実装することで、ネットワーク機能の動的な追加・削除を実現でき、ネットワークリソースの最適配置、柔軟なネットワーク構成の変更、迅速なサービス立ち上げなどが可能になります。NFVによって、クラウドコンピューティングがもつメリットをネットワーク領域で享受できることが期待されています。

NFVとSDN

ETSIでのNFVに関する議論では、技術仕様の策定などを行うのではなく、ネットワーク機能の仮想化にむけた要求条件を明確化することを目的としており、その具体的な実現方式は装置ベンダーや各標準化団体に委ねています。一方、OpenFlow参考をはじめとするSDNは、ネットワーク装置からコントロールプレーン(ネットワークの経路制御など複雑な計算を実施する部分)を分離して、データプレーン(フレーム転送など単純な処理を実施する部分)をプログラマブルに制御するアーキテクチャを意味しており、必ずしもネットワーク機能を仮想化するだけのためのものではありませんが、NFVを実現するための有効な手段となっています。

ソフトウエア化の潮流

このように、これまではベンダー製品のみで構築することが主流であったネットワークにおいても、ソフトウエアがもつ機能開発の柔軟性や迅速性が得られるようになりました。お客様に最良な情報システムやサービスの提供を目指す当社にとって、この潮流は新たな価値を生み出す可能性と考えています。

【図】

図:ネットワーク仮想化が新たな価値を生み出す

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