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2014年7月17日技術ブログ

リスクを可視化するプロマネ技術「CCPM」の適用効果を高めるポイント

CCPM(Critical Chain Project Management)の適用効果をより高めるためのポイントを解説します。

CCPM適用における課題

CCPM(Critical Chain Project Management)は、近年システム開発プロジェクトへの適用が進んだ革新的なプロジェクトマネジメント手法で、プロジェクト中に発生する変化や不確実性に応じた対処を可能とするものです参考1。実際のシステム開発プロジェクトへの適用を通じ、一定の工期短縮の効果を得られることが確認されています参考2、3。しかし、この一定の工期短縮効果は、単にCCPMを適用すれば得られるわけではありません。そこで、今回はNTTデータで70以上のプロジェクトにCCPMを適用して得られた知見を基に、CCPMの適用効果をより高めるためのポイントを解説します。

予定は変わるものと考えて、残りの期間を意識する

CCPMの導入に成功するプロジェクトに共通している特徴が、可視化した情報を基にきちんと進捗状況を把握し、アクションにつなげている点です。何を当たり前のことを言っているのか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、CCPMはタスク期間をギリギリに見積もっているため、個々のタスク自体は遅延する可能性があることを前提としたマネジメント手法(注 タスク遅延の場合は、プロジェクトのバッファーで守る)です。可視化のポイントは、予定は変わるものと考えて、作業担当者は残りの作業とその期間を意識する点です。通常、遅れ自体が悪いと捉えられがちですが、CCPMでは遅延の兆候が見えないことの方が悪いと考えます。CCPMで遅延の兆候を見る際は、バッファー消費グラフで黄色や赤色のゾーンに突入したり、クリティカルチェーン進捗率がほとんど進まずバッファーだけが消費される推移(垂直に近い動きを示す)を探します。

実行中のコントロールが大事

CCPMの進捗確認で、プロジェクトマネージャーが着目するのは個々のタスクではなくプロジェクトの最長パス『クリティカルチェーンの短縮』です。なぜなら、それが短縮されない限り、「工期短縮」は望めないからです。CCPMの適用により工期短縮を実行できたプロジェクトは、クリティカルチェーン作業をできる限り早く終わるように、実行中のコントロールを明瞭に実施しています。バッファー消費グラフの色だけでなく、推移からも状況を予測して、問題が発生していればその原因分析と対策を実施しています。例えばサンプルの図で、Aは急激にバッファーを消費した際、特定の担当者に業務が集中している状況を発見し、担当者間の負荷を平準化するという対策を取っています。また、Bはこれまでよりもレビューを入念に実施することで、手戻りを防止しバッファーを回復させています。

【図】

図:CCPM適用により工期短縮したプロジェクトのバッファー消費グラフの推移と対策の例

NTTデータグループでは、CCPM適用と定着化を進めることで、システム開発の工期短縮の実現を推進しています。

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