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2014年8月28日技術ブログ

次世代ビジネスの中核を担う3Dセンシング技術

ウェアラブル、IoT(Internet of things)の陰で着実に注目度を向上させている3Dセンシング技術について紹介します。

3Dセンシング技術がモバイルに搭載される

2014年6月に米Amazon.comはFire Phone参考1と呼ばれる独自スマートフォンを販売しました。特徴的な点は4つのカメラにより「デバイスと顔の角度」や「ユーザの端末の持ち方」などを推定するDynamic Perspectiveと呼ばれるインターフェースです。本インターフェースによりデバイスを傾けるだけで画面を自動スクロールさせる機能やディスプレイを横から覗き込むと画面に映し出されている商品も横から見た映像になる機能を簡単に実現できます。

また、GoogleはProject Tango参考2と呼ばれる3Dセンサを搭載したAndroidベースのスマートフォン(プロトタイプ)と開発キットを発表しています。Project Tangoは車の自動運転技術と似たような技術を搭載しており、モーショントラッキングや周囲環境の3Dスキャンができます。応用としては盲導犬ロボット、ドローン(ラジコンヘリ)の自律飛行などのナビゲーション分野があり、製品版は2015年に韓国LG Electronicsから販売される予定です。

ビジネスに質的変化をもたらす3Dセンシング

現行の顔認識技術は、「顔の角度」や「カメラと顔の距離」など条件を満たせば高い精度を発揮できますが、これに3Dセンシングを組み合わせれば、正確な顔の輪郭を基に認識処理を実行できるため、さらなる性能向上が期待できます。また、夜間でも使えるレーザを用いてセンシングを行えば暗闇の中で顔認証を行うことも可能になります。将来的にコンピューターは顔認識の精度で人間を超えると思われますが、顔認識に限らず、あらゆる物体の認識率が向上していくと考えるのが自然です。物体を認識してECサイトに誘導するなど、3Dセンシングはリアル世界とネットをシームレスに接続する中核技術になると考えられます。また、3Dセンシング技術を応用すれば、モーションキャプチャも可能になります。手の動きを検知してジェスチャーで機器を操作する技術はテレビやパソコンに搭載され始めています。3Dセンシングでリアル空間をセンシング(コピー)し、Oculus Rift参考3等の没入型と呼ばれるメガネ型コンピューターでバーチャルリアリティーを楽しむ新しい娯楽も生まれるかもしれません。空間情報をもとに高精度の模型を作るサービスも既に提供されています。

3Dセンシングに関連するサービスとして、NTTデータとリモート・センシング技術センターは、全世界デジタル3D地図の提供を開始しています参考4。これは、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち(ALOS、読み:エイロス)」によって撮影された約300万枚の衛星画像を用いて、全世界の陸域をカバーする世界最高精度のデジタル3D地図を提供するサービスです。3D地図はインフラ整備、防災、交通などさまざまな分野で応用できると考えられます。

一方で、3Dセンシングには課題もあります。例えば、公共の場所に設置された監視カメラ映像から犯人を特定するなどさまざまな応用が考えられる反面、プライバシー侵害の可能性が指摘されています。銃などの違法物を3Dセンシングで完全コピーするなど、今後顕在化する問題に対して迅速に対応する仕組みの整備が求められています。

【図】

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