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2015年1月20日技術ブログ

[第34回]電力システム改革とICT

電力システム改革は、スマートメーターの導入をはじめとした、さまざまなICT需要を伴いながら、社会の要請に応えようとしつつある。NTTデータは、MDMSをはじめとするシステム構築を通して、電力システム改革に臨んでいる。

電力システム改革(2013年4月閣議決定)では、安定したエネルギー供給と、電気料金の低減を目的として、一般電気事業者が各地域で担っている発電・送配電・小売のうち、発電と小売を競争環境下におくことで多様な発電形態の実現や電力小売の新規参入を促しつつ、公共性の高い送配電ネットワークを社会インフラとして開放していく。広域系統運用の拡大(2014年)を皮切りに、小売参入の全面自由化(2016年目途)、送配電中立化・料金規制の撤廃(2018~20年目途)という工程が示されており、必要な措置を定めた電気事業法改正案が、国会で順次成立しつつある(図)。

図:電力システム改革の工程(出典:経済産業省)

電力システム改革では、さまざまなICTの需要が生じる。

まず、スマートメーターの導入がある。30分毎にメーター指示値をネットワーク経由でセンタに集約できるスマートメーターは、時間別料金などのさまざまな料金メニューの設定や、小売事業者間での契約切替、送配電ネットワークの託送料金の算定などに不可欠だ。スマートメーターの導入には、新たなネットワークインフラの構築・運用や、スマートメーターやメーター指示値のマネジメントシステム(MDMS:Meter Data Management System)などが必要となる。一般電気事業者は、電力システム改革の工程を見据えたスマートメーターの導入計画を立てた上で、2013年から2014年にかけて、RFP形式で一斉にスマートメーターインフラとMDMSの調達に動いた。その中で、NTTデータは、先行した通信自由化の中で手掛けたシステム構築実績や技術面を評価いただき、東京電力やその他の電力会社においてMDMSの構築を担うことができている。

次なる送配電の公共化・小売自由化・発電自由化という動きもICT需要を伴う。新旧の小売事業者と送配電事業者の間で契約切替を実現するための広域的運営推進機関のスイッチング支援システムもその一つだ。また、小売の自由化による異業種参入は、競争環境における電力小売事業を実施するための各種システム需要を伴うし、電力需要のピークカットを目的としたデマンドレスポンス、HEMSやBEMS、CEMSなどの各種エネルギーマネジメント、電力需要のアグリゲーション、利用者に対する小売業や流通業のクロスセルや囲い込みといったエンドユーザーの周辺で生じる新サービス創出の動きにも、ICTは幅広く必要とされることとなる。

電力を取り巻く社会環境は劇的な変化を見せつつあるが、NTTグループは、その持ち味を生かした取り組みで、多方面での貢献の可能性を有している。その中で、NTTデータは、金融や通信などの他業界で培った実績や、ビッグデータ分析などの研究開発成果を活用して、システム構築の需要に応えていく。

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