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2015年3月5日技術ブログ

NTT DATA Technology Foresight 2015シリーズ~Vol.4技術トレンド「3D文化の拡大」「クラウド超競争時代」

NTT DATA Technology Foresight 2015特集。NTTデータが導出した2015年の情報社会や技術のトレンドを5回にわたりご紹介します。第4回目は技術トレンド「3D文化の拡大」「クラウド超競争時代」の2種類です。

3D文化の拡大

2010年にマイクロソフトから発売されたゲーム機用センサーデバイスであるKinect(キネクト)参考1は3Dセンサーの利用を圧倒的に低価格化しました。2013年にはLeap Motion参考2と呼ばれる両手の指の動きをミリ単位で解析できるデバイスが低価格で発売され、2014年にはグーグルが推進するProject Tango参考3から3D空間把握能力を持つスマートフォンのプロトタイプが発表されています。Leap MotionやProject Tangoのような3D把握機能だけでなく、樹脂などを加工して簡単にモノ造りができる3Dプリンターや3Dバーチャル空間をブラウザーやスマートフォンで軽快に動かすことが可能なUnity参考4と呼ばれるゲーム用技術も普及していくでしょう。個人による3D技術の利用が進めば、さまざまな活用法が生み出され、今までにない新しい文化が創り出されていくと考えられます。

3Dセンサーの活用法は多岐に渡ります。例えば、3Dセンサーを搭載するカメラを利用すれば通常の写真データに加え、カメラと物体間の距離を表す奥行データを収集できるようになります。奥行データを利用すれば、カメラから近い位置にいる人物のみを写真データから切り出すことも簡単に実現できます。もちろん、背景のみを異なる画像に差し替えることも簡単です。ビジネスにおいては全世界のデジタル3D地図を提供するサービスが開始されています参考5。3Dプリンターの利用としては、個人にフィットしたイヤホンを作るサービスが登場してきています参考6。今後、3Dプリンターは高性能化し造形速度が向上していくでしょう。また、ハードウエアの高速化により3Dバーチャル空間を軽快に動かせるようにもなります。ここ数年では大きな動きを感じないかもしれませんが、10年単位でみるとエコシステムが確立されるなど大きな変化が生じるはずです。

クラウド超競争時代

2014年3月に開催されたGoogle Cloud Platform Liveイベントでグーグルのウルス・ヘルツル上級副社長は、「ムーアの法則に従いクラウドの値下げを行う」と発言しました。ヘルツル氏が言及するクラウドは分かりやすく言うと「クレジット決済を行えば数分後にサーバーや市販ソフトウエアが使えるようになるサービス」です。ムーアの法則は「半導体の集積度が18か月で2倍になる」ことを示していますが、逆の見方をすれば「同性能であればハードウエアの価格は18か月で2分の1に低下する」とも言えます。クラウドの原価は電力費や施設費が含まれるため必ずしも18か月で半額になるわけではないですが、グーグルは恐るべきスピードでクラウドの価格を破壊する意向を表明したことになります。

この背景には巨人アマゾンの存在があります。アマゾンは2006年のクラウドサービス開始以来、40回以上の価格引き下げを実施してきました。米調査会社のSynergy Research Groupによれば参考7、アマゾンが提供するクラウドサービスは2013年に市場平均の47%を超える52%の成長をみせています。マイクロソフト、IBM、グーグルも2013年に2倍近い成長をみせ、アマゾンを猛追しています。クラウドの覇権争いは、今後も激化していくと考えられます。

クラウド関連では、非常に多くの技術革新が生まれています。1台のサーバーを複数のユーザーで共用可能にする仮想化技術では、Docker参考8と呼ばれるコンテナ型の仮想化が、アプリケーションを効率的に実行できるなどの理由で注目されています。他にも実際にサービスを実行するサーバーに自社開発したアプリケーションを配備する方法を改善する「不変インフラ」やビッグデータへのリアルタイムアクセスを実現する米クラウデラ社が開発するImpala参考9、Apache Software Foundationが開発するSpark参考10など、注目の技術が登場しています。Sparkについては、NTTデータも積極的に情報を発信しています参考11。ハードウエア面では、FPGAと呼ばれる特定の処理を高速に実行できる特殊なプロセッサを導入する動きもあります。

最先端の技術がクラウド上で安価に提供される時代では、技術を企業戦略に結びつける戦略的思考や人の心を引き付けるコンセプト作りが今以上に重要になります。今後の企業経営では、どのように作るかではなく、何をするかが重要になり、個人やベンチャーがかつてない競争力を保持する超競争時代が到来するでしょう。

【図】

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