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2015年3月19日技術ブログ

進化するビジネスインテリジェンス&アナリティクス~ディスカバリBI~

20年以上前に提唱され、形を変えながら進化してきたビジネスインテリジェンス(BI)は、本来の狙いである業務現場での活用が近年になって進んできています。その背景にある技術動向をご紹介します。

従来のビジネスインテリジェンス(BI)の課題

ビジネスインテリジェンス(BI)は、企業に蓄積される情報を分析・活用して組織業績を上げるための技術や方法論の総称です。従来は、表計算ソフトなどの上で手作業により作成していた定型レポート(帳票)の作成を自動化し、作業を効率化することに貢献してきました。

その後、BIの本来の狙いである意思決定の最適化を目指し、経営層に企業業績の俯瞰的情報をグラフィカルに提供する「経営ダッシュボード」が流行しました。

しかし、結局経営層も現場においても、従来のBIは固定的な数値情報を提供するという性格が強く、業務ユーザー自らデータを活用するというプロセスの変革には至らず、導入はしたが使われないという例も多く見られました。

ディスカバリBIの登場

このような中、近年「ディスカバリBI」(「セルフサービスBI」や「データ探索(Exploration)」とも呼ぶ)と呼ばれるBIツールが注目されています。ディスカバリBIツールは、従来、IT部門による統制とシステム開発を必要としたBIツールに対して、営業、マーケティング、財務などの各業務部門の利用者が自らデータを分析し、新たな知見を「発見」できるようにすることを志向したもので、これまでBI市場の主役であった大手ベンダーとは異なる新興のプレーヤーが急成長しています。中でも、米リサーチ会社のGartner Inc.が毎年発行するリポート「マジッククアドラント参考1」で高く評価を受けているのが、米国に本社を置きNTTデータともパートナーシップを結んでいるTableau参考2です。

ディスカバリBIは、インメモリー技術や各製品独自のデータ圧縮技術に支えられた高速性と、ドラッグ&ドロップを中心とした直観的な操作性が特徴です。従来のBIで必要であった、事前のデータ構造の定義作業もほとんど不要で、利用者が簡単な操作でデータを取り込んだあとは「思考の流れを止めずに」データを多角的に分析することを可能とし、支持を受けています。

ディスカバリBIは、財務・販売・在庫など従来型BIが適用されてきた領域以外に、個人・部門独自に表計算ソフトで実施していたような分析の置き換えにも活用されています。また、大量データを多角的な視点で見る必要のあるマーケティング業務との親和性は高く、大規模に活用されている事例もあります。

従来型BIディスカバリBI
導入主体
  • IT部門が全社情報基盤として導入
  • 業務部門が自ら導入
アプローチ
  • トップダウン、ビッグバン導入(全社標準化)
  • 事前に設計されたデータモデル
  • 全社DWHと直結
  • ボトムアップ、スモールスタート
  • アドホックなデータモデル(事前定義しない)
  • データソースの柔軟な組み合わせ
ユーザーインターフェース
  • 定型レポート
  • 静的ダッシュボード
  • データビジュアライゼーション
  • インタラクティブなダッシュボード
主な用途
  • レポーティング
  • 組織業績指標のモニタリング
  • 発見的なデータ分析
  • データからの示唆・施策の検討、アクションと評価
開発主体
  • IT部門やITベンダー
  • 業務担当者やコンサルタント

これまでBI市場の中心であった大手ベンダー製品群も、さまざまなニーズに応えることで肥大化しつつあった製品ラインアップを見直し、ディスカバリBIの特徴を取り入れた機能強化を急いでいます。

真の情報活用へ

ディスカバリBIの進化により、業務担当者が自らデータを分析する環境が整った今、これからは現場での分析スキル・文化の醸成、そして個々バラバラな分析ではなく組織としてのノウハウを蓄積していくために、BIの統制(ガバナンス)が重要になってくるものと考えます。

NTTデータでは、ディスカバリBIの導入はもちろん、BIを効果的に導入するための計画策定(BIロードマップ)や情報活用を推進する組織の設立のサポート、情報活用するためのデータ統合基盤などのコンサルティングサービスもご提供しています。

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