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2015年4月28日技術ブログ

イノベーションを生み出す「共創」の仕組み

「共創」という言葉は近年多くの場所で目にするようになりました。今回は共創の代表的な事例や、何故共創が叫ばれるようになったのかについて、独自の視点で解説します。

共創とイノベーションの関係

ビジネスの競争激化に伴い、一つの大きな成功だけで競争優位性を長年持続させるのは困難な時代になりました。ハイパーコンペティション時代において競争優位性を維持し続けるには、一時的な成功を短い期間で繰り返し生み出し、途切れることなく連鎖させることが求められます。これを一人や一企業で成し遂げるのは容易ではないため、解決策として期待が高まっているのが「共創」によるイノベーション創出です。

共創の形態

共創の形態はさまざまですが、わかりやすい形のひとつは、製品の提供側と顧客が共に新製品のアイデアを出し合う、といった双方向的な活動です。顧客からユーザー目線でのリアルな意見や要望を集め、場合によっては開発メンバーに参画して貰うことで、提供側の視点だけでは見えなかった特徴を持つ新製品が生まれる可能性があります。また、クラウドソーシングや企業買収も共創のひとつの形と言えるでしょう。企業の既存内部リソースには限りがあり、特に専門知識や特殊な能力を持つ人材が一握りしかいない場合、外部リソースをうまく活用することが重要です。Googleがロボット技術を持つ会社を次々と買収したり、Appleがストリーミングやカメラのテクノロジーを持つ会社を買収する行動は、従来に無い新しい製品やサービスをイノベーションで作るために外部リソースを活用した一例と言えるでしょう。そして、「オープンイノベーション」も共創の代表的な形態です。共同検討会を立ち上げ、業界全体の課題解決に向けて技術や知識を結集したり、イベントやコンテスト形式で参加者を広く集め、集まった人で特定のテーマに対する解決策を考えるような取り組みが各所で行われています。

【図】

図:共創の形態

共創の事例

わかりやすい事例をいくつかご紹介します。少し古い事例ですがローソンでアイデアソン&ハッカソンのイベント参考1がありました。これはローソンが提供する位置情報やPOS情報などのデータを活用して新しいサービスを考える取り組みで、アイデア出しとシステムのプロトタイプ実装を行う参加者を一般募集して実施しました。出たアイデアで良い物があればローソンが実際に採用を検討する、というものです。最近の事例としては、福島県浪江町のきずな再生・強化事業参考2が参考になります。これは原発事故で避難生活を続ける町民にタブレット端末を配り活用してもらうことでコミュニティーの再生・強化を目指す取り組みです。既存のタブレットでも可能な「単なる情報入手・閲覧」だけに留まらず、町民が新たなつながりを構築していけるような「本当に使えってもらえるタブレットシステム」を作る、というイノベーションにチャレンジしています。町民自身へのヒアリング実施はもちろんのこと、町民ではない外部のエンジニアやデザイナーも巻き込み、ペルソナ手法などを用いてアイデアを共に考えることでシステム仕様を具体化しました。

NTT DATA Technology Foresightを用いた共創ワークショップ

NTTデータでも共創の取り組み参考3を進めています。例えば、10年後の将来を考えた時に会社としてあるべき姿は何か、新しく登場する技術によって現在のビジネスにどのような影響があるのか、といった将来に向けた方針を考えるにあたり、NTTデータが発信しているトレンド情報「NTT DATA Technology Foresight」を羅針盤としてアイデアを生み出すお客様参加型のワークショップを開催しています。3Dプリンターや人工知能やロボットなど、従来のビジネスを大きく変革する可能性を持つIT技術が次々と登場してくる中、企業として持続的な成長を続けるには積極的に新たなイノベーションに挑戦していくことが求められます。そのための手段のひとつとして、共創が今後ますます重要になると考えています。

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