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2015年11月26日技術ブログ

ハイパー・コンバージド・インフラストラクチャーに期待される「インフラ単純化」

IT基盤をシンプル化するハイパー・コンバージド・インフラストラクチャーが注目されています。物理基盤と仮想基盤の両面から、従来のアーキテクチャーよりも高い効率性や拡張性が期待できます。

仮想化が実現した抽象化の価値

仮想化技術とは、物理IT基盤の上に仮想的なIT基盤を構築する技術です。これにより、サーバーコンピューティングやネットワーク、ストレージの世界は抽象化され、物理基盤と切り離してコントロールできるようになりました。物理基盤では物理的なケーブリングやパーツ構築など人手による作業が必要ですが、抽象化された仮想化基盤では全てソフトウエアで管理できます。その結果、自動化や高速化のメリットが得られるのです。

物理基盤構築をよりシンプルに

しかし、一方で物理的なIT基盤構築が全く無くなったかというとそのようなことはなく、仮想化基盤の裏側を支える物理IT基盤は従来のサーバー、ネットワーク、ストレージの世界の中で管理していく必要があります。また、サーバーとストレージの関係性は複雑になりがちで、特に複数台のサーバーで幾つかのストレージを共有する構成ではI/Oボトルネックの推測やスケール時の最適な動作などが難しくなっています。

この課題に対して、物理IT基盤をよりシンプル化し、スケールやメンテナンス作業を楽にする「ハイパー・コンバージド・インフラストラクチャー(Hyper-Converged Infrastructure 以下HCI))」と呼ばれるアーキテクチャーを持つ製品参考1が注目されています参考2

HCIとは

コンバージド・インフラと呼ばれる垂直統合型の製品が一般的に共有ストレージ型であるのに対して、HCIのアーキテクチャーでは各サーバーで保持したストレージをプール化し、ネットワークを介して利用できるようになっています。単一の共有ストレージが無いためボトルネックが集中しにくいことや、サーバーリソースの拡張に合わせてストレージの性能も拡張されていき、スケールが簡単であるという特徴があります。また、ストレージネットワークを介してアクセスさせるよりも、ローカルのストレージへアクセスさせた方が高い応答速度を得られやすいという利点もあります。

【図】

図1:Hyper-Converged Infrastructureとは

このようにサーバーとストレージプール化技術を組み合わせた物をHCIと呼びますが、ストレージのアーキテクチャーだけではない"シンプル性"の特徴も併せ持っています。現在市場に出ているHCIの多くは、数回の簡単な初期設定を済ませるだけでユーザーポータルを持つ仮想化基盤やクラウド基盤の構築などを自動的に完了することを実現しています。物理IT基盤構築や仮想化基盤構築をシンプルにし、抽象化された仮想化基盤上のITリソース管理に注力できるようにすることがHCIに期待されています。

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