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2016年3月10日技術ブログ

[第48回]クラウドファーストの時代へ、その「最適解」を探る

新たなシステムを構築する際にクラウドの利用を最初に検討する、いわゆる「クラウドファースト」の考え方が定着してきたが、ユーザー企業は多種多様なクラウドサービスの中から自社に最適なクラウドをどのように選定・利用すれば良いのか?

1.クラウド先進国米国のアプローチ

世界で最もクラウドを利用している国は米国であり、グローバルクラウド市場の約7割を米国が占めています。市場の成熟度においても日本の約3年先を行くと言われており、ここ数年でクラウド利用の目的を「コスト削減」から「アジリティ・イノベーション」にシフトさせてきています。米国においてクラウドは最早「コスト削減」のツールではなく、「新たなビジネス価値を生み出す武器」として利用されています。

クラウドの利用形態はプライベートクラウドとパブリッククラウドを適材適所で利用する"ハイブリッドクラウド"が主流であり、この"ハイブリッドクラウド"を実現しているのがユーザー企業(IT部門)内の"Internal CSB(CSB:Cloud Services Brokerage)"と呼ばれる役割です。ビジネス部門からクラウドに対する要求が多様化し、社内のクラウド環境が複雑化する中で、最適なクラウドを選定する"Internal CSB"の役割は更に重要になり、ユーザー企業は"Internal CSB"の内製化を強化していく傾向にあります。

2.日本の市場動向と利用実態

日本の市場でも「アジリティ・イノベーション」を目的としたクラウド利用が増えてきているものの、全体の約6割が依然として「コスト削減」を目的としてクラウドを利用しています。米国のように新たなビジネス価値を生み出す武器としてクラウドを活用している企業はまだ一部に留まるのが現状です。さらに"クラウドウォッシング"と呼ばれる、クラウドの定義を満たしていないサービスを"クラウド"と呼称して販売する手法が2010年頃から横行していることが問題となっています。

日本のユーザー企業がクラウドを利用する際のスキームとして、クラウドプロバイダーとユーザー企業の間にITベンダーを介在させる三層構造が多く見られます。米国のユーザー企業がIT技術者全体の約3/4を抱えていることに比べて、日本のユーザー企業が抱えるIT技術者は少なく(IT技術者全体の1/4程度)、クラウドを選定し管理する機能のすべてを内製化することが出来ないことが背景にあります。この構造においては、ITベンダーが自前で保有するクラウドサービスやITベンダーに実績のあるクラウドが優先的に提供される可能性があります。また、ITベンダーがユーザー企業のビジネスを深く理解していなければ、ユーザー企業のニーズに合ったクラウドを提供することは困難です。そしてユーザー企業がクラウドについての正しい理解を持っておらず、提供されるクラウドを目利きする力がなければ、最適なクラウドが提供されていないことに気付くことは出来ません。

3.NTTデータが考える「最適解」への方向性

NTTデータは、"インフラディレクター(IFD)"や"Cloud Value Center(CVC)"といった機能を通じて、ユーザー企業にNTTデータが持つクラウドのノウハウを提供し、最適なクラウド環境の実現を支援していきます。

【図】

IFDは米国における"Internal CSB"の役割を担います。IFDはユーザー企業のIT部門の中に派遣され、ビジネス理解を深めながらユーザー企業の立場で動くことで、ユーザー企業にとって最適なクラウドの選定や維持管理運用を支援します。

CVCはNTTデータグループ全体からクラウドの最新事例やノウハウを収集し、メソドロジー化・アセット化する組織です。IFDはCVCに蓄積されたノウハウを活用しながらユーザー企業のビジネス要求に応じたクラウド環境を実現していきます。

グローバル化が進み、今後ますます多様化し複雑化していくビジネス環境においては、ITベンダーとユーザー企業のより強固なパートナーシップが求められます。

ITベンダーはユーザー企業のビジネスを深く理解した上でユーザー企業が真に求めるクラウド環境を提供し、そしてユーザー企業はクラウドの理解を深めて正しくクラウドを活用することでビジネス価値を向上させていく、このようなスキーム、「ビジネスとクラウドの融合」が、クラウド利用の最適解であるとNTTデータは考えています。

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