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2016年3月17日技術ブログ

NTT DATA Technology Foresight 2016シリーズ~Vol.6技術トレンド「超臨場インタラクション」「プレシジョンライフサイエンス」

NTT DATA Technology Foresight 2016特集。NTTデータが導出した2016年の情報社会や技術のトレンドを6回にわたりご紹介します。第6回目は技術トレンド「超臨場インタラクション」「プレシジョンライフサイエンス」の2種類です。

超臨場インタラクション

リアリティーを生み出し臨場感をもたせる技術への注目はますます高まっています。2015年11月、The New York Timesは、購読者に対し100万個以上のVR(仮想現実)ビューアーとともに難民の子供に関するドキュメンタリーを提供しました参考1。VRの物語を伝える力に対しては大きな反響があり、おおむね視聴した人の共感を得て成功を収めています。医療においては、心臓の3DのVR映像をもとに医師らが議論、手術法を決め、手術前には同じVR映像を見ながら手順や課題を確認することで、生後数か月の子供への困難な手術を成功させた例があります参考2。さらにVRによる体験は、リアルであると同時に、恐怖感を本人が耐えられる程度にコントロール可能であることから、スポーツにおける緊張緩和のトレーニングに活用されたり参考3、自閉症やうつ病などの治療や症状改善への効果も期待されています参考4。今後、より高度なVRやAR(拡張現実)機器の発売が多く予定されており、ジェスチャー操作などのインターフェース技術や、フィードバックスーツなど、リアリティーを実際に物理的な感触に変換する技術を活用することで、より強力な臨場感が生み出されていくでしょう。

超臨場感が導く未来の例として、理化学研究所のSR(代替現実)システム参考5が参考になります。デバイスで目と耳を覆われた視聴者に自由な視点で映像を見せる実験において、別の映像をシームレスに合成して見せることで、二つの映像が区別なく繋がっていると「思わせる」ことに成功しています。拡張された現実を自然に「思わせる」ことができる技術が実現したとき、人は拡張現実を通じて従来以上の情報を得ることを日常とする、新たな世界に歩み出すのかもしれません。

プレシジョンライフサイエンス

2015年1月オバマ大統領は「Precision Medicine Initiative」に対して215百万ドル(約250億円)を投じると発表しました参考6。適切なサブグループに患者を分類し、その分類毎に適切な医療・予防医療を実施するというPrecision Medicine参考7の発展に国家をあげて取り組むこうした試みも追い風になり、生態センシングやデータ解析技術の進化と低コスト化は急速に進み、得られた大量データを集約・分析する動きも加速しています。また、遺伝子関係では、ヒトゲノムの全シーケンスを解析するコストが1000ドル以下となりました参考8。23andMeでは、$99で販売するDNA分析キットに利用者が唾液を入れて送り返すことで解析を実施し、病気やアレルギーなどの傾向、さらに祖先に関する解説を提供しています。解析結果の研究目的への開示はオプションですが、80%の利用者が許諾しているとされています参考9。さらにGlobal Alliance for Genomics and Health(GA4GH)が設立され、既にさまざまな研究組織に集められた解析結果や医療情報の共有を簡易化する仕組みの構築を目指しています参考10

一方、DNAだけでなく、各種バイタルデータについてもIoTを用いて収集する動きが活発化しています。NTTデータでは、着るだけで生体情報の連続計測を可能とする機能素材の技術を用いて、これまで困難であったカーレース中のドライバーの心電波形(ECG)や心拍、胸部の筋電(EMG)などの生体情報を収集する実証実験により、「運動」や「身体能力」を定量的に計測・記録する技術の確立を目指しています参考11。ITの持つデータ収集・解析・蓄積力がライフサイエンスを進化させたとき、人々には今より遙かに適切かつ効率的な健康管理情報が提供される世界が来るのかもしれません。

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